岡本麻左子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
サンデルとピケティによる平等に対話。話はすれ違っている。かんたんにいえばサンデルは共同体にウェイトを置き、ピケティは社会に置いている。それぞれの駆動源は個人と制度設計である。
しかし、これは単にすれ違いなのだろうか。ピケティは制度設計による再分配で問題は解決すると考えている。最終的な目標は世界政府であり、要はシステムさえ整えれば世界はひとつになるという話だ。それが長大な時間がかかるとしても、である。
しかしサンデルの考えはその先にあるように見える。そのような話は、システムだけでは成り立たず、アイデンティティ(承認や尊厳、共感や帰属意識など広い意味での個人とコミュニティの精神性である)の問題 -
Posted by ブクログ
さすが、現代の知性の先鋭同志のぶつかり合い、丁々発止のやりとりが続いて、圧倒される。
タイトルにあるように「平等」について、互いの考えを披歴し合うが、キーワードは「脱商品化」と「再分配」か。
言うは易し、行うは……の話ではあるが、サンデルさんが言う
「自分の成功は自分の手柄と考え、自身の成功を胸いっぱいに吸いこみすぎて、その過程で幸運や恵まれた環境に助けられたことを忘れ、自分が恩恵にあずかっていることを — あなた(=ピケティ)がおっしゃるように、ほかの人たちのおかげで成功できたということを — 忘れてしまうからです。」
この反省に立って、考えることだという学びがあった。
今、行