竹中優子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ公私混同な三角関係に巻き込まれ、ここのところ仕事のフォローや尻拭いばかりさせられている主人公・ゆりは、
〈今日こそ三人まとめて往復ビンタをしてやろうと堅く心に決めて会社に行った。〉
本作は、そんな威勢のよい一文から始まる。
婚約関係にあった"かまぼこ1"を、彼の隣の席に座る"かまぼこ2"に略奪された下村さんは、それ以来しょっちゅう仕事を休んでは婚活パーティーに精を出したりしているご様子。
やっと出社したかと思えばあてつけのような派手な化粧とミニスカート姿だったり、酒臭かったり、心の中では傷ついているのかいないのか、つねに飄々としている。
ゆりは往復ビン -
Posted by ブクログ
ネタバレこの方の作品も初めて。近頃欠勤を繰り返している同僚三人のせいで主人公の仕事量が増え、イライラする日々。実はこの三人は三角関係で……という話。ついつい主人公に肩入れし、欠勤がちな上司に対して「いくら同棲解消されてショックとは言え、仕事休んで他人に迷惑かけるなよ……」と思ってしまうだけではもったいないくらい、独特の良さがある作品。パソコンの画面からおでこが少し見えることをかまぼこと表現するのが面白い。同じ光景に遭遇したら笑ってしまいそう。主人公の淡々としている語り口調から「職場に馴染めてない感」がよくわかるし、まさかの不動産屋の太郎と結婚したかと思えば離婚してるし、劇的なことは何も起こらないけど、
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Posted by ブクログ
馴染むってなんだろう、とこの本を読むと考えさせられるけれど、馴染むってこと自体を私はあまり考えたことがないことに気づいた。
太郎が、主人公に息苦しさを感じた気持ちが分かるような気がして、私も最後まで読んでいて、不快・不安な気持ちになった。普段は何も言わずにいるのに、心の中ではこの主人公のように人間関係を気にし続ける同僚がいるのは不気味だと思った。この本は普段は関心もなく思いを馳せたりしないそういう人たちの気持ちに目を向けさせられる、たぶんそれが本書の文学的な意味だと思う。
最後にやや唐突に主人公の三十代が紹介され、三十代は人を別人にすると書いてあった。筆者は女で、主人公も女で、主語は限定さ -
Posted by ブクログ
オーディブルで。職場に馴染めず、噂話に疎い主人公が、同棲していた恋人と別れたばかりの先輩社員、下村さんと接触を持つ。下村さんは、しょっちゅう欠勤したり、いい加減だったり、すこし変わった人。彼女に振り回されるように、飲みに行ったり、不動産を見に行ったりしながら、過去の話をするなどして親交を深めていくが、部署異動で疎遠になる。その後、結婚、離婚して、四十代で再会。三十代はどうだった? という会話をする。
「今日こそ三人まとめて往復ビンタしてやろう」という始まりは、「ぶつかったる」で始まる『いい子のあくび』の高瀬隼子さんを思い出したけれど、もっとふんわりとしてつかみどころのない人間関係が展開される -
Posted by ブクログ
読みやすかった軽く読んだ
ある女性の20代から40代までの生活
職場の先輩が休むので
その仕事をこなさないといけない
殴りたいと思いながら先輩と付き合う
その人は職場で三角関係
あるだろうなそんな事
しかしそんなに休んでよく首にならないなワーカホリックだった私には
考えられない
職場は変わり世話していた彼女は
結婚
子どもは産まれず癌になった
うまくいかなくなった亭主と別れ
部屋に置くボックスを探していたら
10年以上音信不通だった先輩に会う
昔と変わらない様子
とにかく軽く人生を渡っている感じ
いいなこの感性
私ならもっと重くシビアになるだろう
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Posted by ブクログ
職場で浮いているのは私なのか…
同じ部署の3人が欠勤を繰り返しているが、山羊みたいな係長は全く気にしておらず、私に「仕事に慣れるより、職場に馴染むことを目標に頑張って」と言う。
遅刻や欠勤を繰り返し、その仕事まで私がやっているのに…と。
そのうち下村さんが同僚と三角関係になっていると聞き…
同僚の三角関係に翻弄されながら徐々に馴染んでいっているのか…と感じながら他人の家でお風呂を借りる老夫婦の話などにちょっと驚きつつ、あぁなるほどお風呂に拘りのある話でもあるなぁと。
下村さんが辞めたあと、気になってたその後もなかなか濃い出来事で、人生ってわからないなぁと思った。
自分の三十代はどうだった