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同じ部署の三人が近頃欠勤を繰り返し、その分仕事が増える私はイライラが頂点に。ある日、三人のうちの一人、先輩女性の下村さんから、彼らの三角関係を知らされる。恋人を取られたのに弱っているのか開き直っているのか分からない下村さんの気ままな「ダンス」に翻弄される私は、いったいどうすれば――新潮新人賞受賞作。
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Posted by ブクログ
新潮 2024年11月号で読みました。2024年下半期の第172回芥川賞にノミネートされています。また好きな作品、好きな作家さんができました♡ という気持ちです♪ 独特な語り口でお話が始まり、最後まで同じトーンで語られます。おだやかな言葉のリズムがココチよいです。 お話は、とある会社の中の...続きを読む人間関係を大きな幹にして、枝葉のように現れる登場人物が良い味を出しつつ、主人公女性の30代が語られます。 はじまりは、「今日こそ三人まとめて往復ビンタをしてやろうと堅く心に決めて会社に行った。」とか、チョット物騒です。主人公は、最近仕事を休みがちな同じ部署の女性の先輩 下村さんと、他の二人の社員の仕事が自分に回ってきて忙しい思いをしています。 往復ビンタしたい三人というのは、この下村さんと、彼女と同棲し婚約していた同じ部署の男性社員と、なんとその男性と付き合って一緒に住みだし、下村さんと男性との婚約を破棄に向かわせた同じ部署の女性です。そんな複雑な人間関係に気を使いながら、休みがちな三人分の激務をこなす主人公ですが、山羊に似た係長からは「職場に馴染んでいない」と思われています。 登場人物を表わす表現が面白いです。係長は山羊。男性社員は、かまぼこ1。女性社員は、かまぼこ2です。(主人公の向かいの席に座っていて、パソコンのディスプレイ越しに頭の上の部分しか見えないので、かまぼこに見えるから) 下村さんは、傷付いていて可哀想です。そして、「下村さんはやせ衰えていくことが生命の輝きであるかのように、苦しんでいるんだか楽しんでいるんだかよく分からないダンスを踊っているようにも見えた。」という表現があるとおり、タイトルの「ダンス」は、ここからきているようです。 下村さんは恋愛のことで仕事は休むし、お酒に溺れるし、フラフラしていてグダグダな人です。でもなぜか主人公は付き合い良く、下村さんと行動をともにしています。なんか、(逆)成瀬と島崎の関係みたいですw ある日の夜、主人公は下村さんに公園に呼び出されます。そこからは、例の二人が住み始めたアパートが見えるのです。何をしているんでしょうか、未練タラタラです。その公園にはスケートボードの練習をしていた男の人がいました。 下村さんは、彼と同棲していた部屋を引っ越そうと思い、新しい部屋を探し始めます。そして、主人公は彼女に付き添って部屋を見て回ります。すると案内してくれた不動産会社の男性は、なんと公園でスケボーをしていた男性だったのです。 部屋が気に入り、見終わった下村さんと主人公は、不動産会社の男性の案内で、その街のカツ丼屋さんに行きます。おいしそうですw 婚活マエストロでは、なか卯の親子丼が食べたくなりましたが、この小説ではカツ丼が食べたくなりましたw(結局、下村さんはこの部屋には引っ越しませんw) その後、主人公は希望していた異動となり、下村さんとは会うことがなくなります。そして主人公は結婚を機に退職することとなり、そのことを下村さんに伝えようと連絡をとりますが、下村さんは退職しており連絡がとれなくなっていました。 お話は、*(アスタリスク)をはさみ、それから15年が経っていました。そして、病院帰りにホームセンターへ寄った主人公は、そこで。。。 ぜひ、お読みください。作中に作者による箴言が数々あり、作者の力の入れ具合が良く分かります。ラストに向けての展開に、納得させる技巧的な楽しみもあります。キーワードは、「馴染めてない」とか「ダンス」とか「30代」とか「ビンタ」でしょうか。面白いです♡ 芥川賞の選考委員会は、この本の発売日と同じ、2025年1月15日(水)です。
新潮 11月号より かなり面白かった。周囲に馴染めない主人公のオフィス内でのドタバタ劇的な作品か?と読み始め、他人にビンタをかましたい!と心の吐露と共に強くなっていく成長譚?と思いつつ、ここで登場する我らが下村女史。なんとも魅力的なキャラである。この作品の絶対的肝、彼女と共に歩むシスターフッドとも…...続きを読む違う。ジャンルもわからない、主人公もわからない、コメディ的であるがなんか泣ける。ノスタルジックであり青春の甘き香りもそこはかとなく漂う。いずれにせよ、まだまだ続きが読みたかった。甘いダンスに酔いしれながら。
職場に馴染めていないという自覚のある主人公はしかし職場の人達と普通に会話できている。 馴染めていないと自覚しているがそのことは負い目とは感じていないのだろうか。自分だと、組織の中で組織に馴染めていないと感じると、自分が組織にとっての異物であることを強く感じてしまう。強い孤独も感じる。その場にいる人た...続きを読むちと自分との間に越えられない溝のようなものさえ感じる。 そういった孤独や溝を感じさせない鈍感さ。あるいは感覚の発達が10代で止まっていたのではと感じさせるような雰囲気のある主人公だ。なんなら30代になってようやく「普通の人が高校生くらいで経験することを味わ」ったと達観する程度にはその自覚があるようだ。 しかしそのことを自覚できるならば彼女は決して鈍感なのではなく、「高校生くらいで経験すること」の経験の機会に恵まれなかっただけなのかもしれない。 後々、男性と付き合いなんなら結婚までしている。おそらく基本的には社会性を備えた主人公なのだろう。ただその社会性を大人として十分な水準にまで磨く経験が少なかったために「考えなくていいこと、気にしなくていいこと」が分からなかったのだろう、意図せずして相手を窮屈にさせてしまった。 大変もどかしかったのではなかろうか。離婚し、40歳になって少し吹っ切れているようではある。 離婚したら人はとりあえず3段ボックスを買うのだ、ということを知れたので良かった。
上手い。よくできている。簡潔で読みやすい文章だし、ユーモラスでもあり、良品、佳作といった印象。 第172回芥川賞候補作のなかでは非常に地味。単体で読んでも、もう少し面白く弾けてほしかったと思う。ラスト部分はもっと長いかもっと短いかどちらかが良いと思った。中途半端な長さだと思う。
社会人2年目の「私」。指導員の下村さんは酒豪、仕事ができる人ですが、同棲中彼氏を会社後輩に奪われてしまいます。そんな下村さんと私の関係性を中心に、テンポ良く語られた物語だと思います。 私個人は少しだけ物足りないように感じて星3つとしましたが、テンポ良く読みやすい綺麗な文章の作品と思いました。
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竹中優子
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