近藤絢子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
◆ 所得・雇用における格差
正規と非正規で40代の平均所得に2倍以上の差
正規雇用者の年収が約500万円に対し、非正規雇用者は約200万円台に留まる。
→ 雇用形態による格差がそのまま資産形成や生活の安定に直結。
同世代内の「初任給格差」が生涯格差に直結
バブル期卒業者と氷河期初期卒業者では、初任給に1万〜2万円の差があり、昇給や転職市場でも埋まらない。
→ 若年期のスタートラインの差が累積的に格差を拡大。
生涯所得格差は最大1億円以上に及ぶ
正規×既婚世帯と、非正規×単身世帯の間で、家計金融資産や年金支給額にも大きな開き。
◆ 家族形成・住宅取得の格差
40代時点での未婚率が異常に高い
特に男性は、他世代より10〜15ポイント高く、40代後半での未婚率が約30〜35%。
→ 所得の不安定さが結婚・出産の障壁に。
持ち家取得率が他世代より20ポイント以上低い層も
とくに非正規や中小企業勤務者では、住宅ローンの審査にも通らず、持ち家率が著しく低下。
→ 将来的な資産格差に直結。
◆ 精神的・健康的側面の格差
主観的幸福度が他世代より低い
「自分は幸福だ」と答える割合が、バブル・団塊ジュニアと比べても明確に低い。
→ 精神的健康や将来への希望にも大きな影響。
健康格差:氷河期世代の非正規層で生活習慣病リスクが高い
不規則な労働時間、医療アクセスの不安、ストレス過多が背景にある。
◆ 社会保障や老後に向けた格差の連鎖
年金受給額予測で大きな差
正社員として厚生年金に加入し続けた人と、国民年金のみに留まった人とでは、将来の年金額に月額10万円近い差。
「貧困の再生産」につながるリスク
親世代の格差が教育機会や進学率に影響し、次世代の学歴・所得格差へと波及。
このように、本書は「世代全体が不遇だった」という表層的な議論ではなく、「同世代内での二極化・格差の固定化」が進行しているという点を、膨大なデータで裏付けているのが大きな特徴です。 -
Posted by ブクログ
自身が本書でいう「氷河期後期世代」にあたることから、一般的に言われている通り、「氷河期世代」は色んな意味で他の世代より損をしているのか、さまざまなデータの裏付けを元に考察している、ということで、興味が湧き購入しました
単に収入や就職率に限らず、少子化や地域間格差、男女による違い、ニートや介護による無業者問題などの観点でも考察されていてとても興味深い内容でした
データ(エビデンス)を用いて、論理立てて考察されていてとても腑に落ちる内容だったと感じます
驚いたのは、必ずしも「氷河期世代」だけが損をしているわけではなく、「氷河期」以降は基本的に特に低所得の領域において下げが止まっておらず、格差が広がり続けているということ、一方で、それが少子化につながっているとは言えないことがデータからは読み取れると言うことです
様々な観点で要因分析されていて、単純な話ではなく、視点を広げるいいきっかけにもなったと感じました -
Posted by ブクログ
就職氷河期世代の一人として、巷で言われるような因果関係が果たしてデータ的に裏付けられるのか、関心がある。たとえば氷河期世代は雇用が不安定なので未婚率が高く少子化が進んでいる、と良く言われるが果たして本当だろうか?
実は未婚化の流れは氷河期世代以前から進んでおり、雇用の安定性とは相関がない。この場合、雇用状況が改善されたポスト氷河期世代では出生率が向上するはずだが、そのようなデータは見られない。同様に地方創生政策における各地方の人口移動についても、進学時点でのインパクトが大きい。
つまり就職氷河期とは、バブル崩壊後の前期後期及び、リーマン震災の二段階15年にわたる長期の現象であり、その間に男女雇用機会の均等化や大学進学率上昇、晩婚晩産化といった社会構造の変化が同時に起こっている。共働き世帯の増加と女性のキャリア形成多様化、終身雇用の崩壊といった複合的な要因を分析しなければならない。
そしてこれら激動のような時代に、賃金も上がらず社会保障負担は増え、インフレに直面する氷河期世代の2000万人をいかにすべきか、国や企業にはビジョンが欠落しているのである。 -
Posted by ブクログ
第三次ベビーブームが来なかったのは、
バブル崩壊で、第二次ベビーブーム世代が就職氷河期世代になってしまったから、
という説があるが、この新書は、これらをデータでしっかり分析しようとしている。
とにかくたくさんのグラフが出てくる。
。。。残念ながらわかりにくい。読みにくい。
バブル崩壊で正規雇用につけず、結果年収が下がる。
年収が下がると子供を持ちにくくなる。
女性のライフスタイルが変わり、正規雇用・結婚・出産・退職・非正規雇用というのもあれば、
正規雇用のまま高齢出産、というのも増えている。30代後半、40台出産が増えたというデータもある。
いずれも仮説、そうではないか、といわれていることを実証した、というところ。
しかしそれ以上のものではないような、、
著者がいいたいことがわからなかった。
まえがき
序 章 就職氷河期世代とは
「就職氷河期世代」とは/マクロ指標で見る就職氷河期/前期世代と後期世代の違い/ポスト氷河期世代・リーマン震災世代/就職氷河期世代観の変遷/指摘されてきた問題点
第1章 労働市場における立ち位置
初職――正規雇用か、非正規雇用か/就職先の規模・業種・離職率/就業状態の推移――世代間の差は徐々に縮まる/年収の推移――世代間の差は縮まらない/就職活動時の景気は影響するか/若年期の不況の瑕疵効果/就職氷河期を境に瑕疵効果は弱まった/第1章まとめ
第2章 氷河期世代の家族形成
未婚化・少子化の原因は若年雇用の悪化か?/1人の女性が産む子供の数は下げ止まっていた/既婚率と子供の数の複雑な関係/初職による格差/世代内格差を世代間に拡張する誤謬/景気と出生率の短期的な関係/若年期の景気の長期的影響はさらに複雑/少子化・高齢化対策の方向を見誤る危険性/第2章まとめ
第3章 女性の働き方はどう変わったか
就職氷河期のインパクトの男女差/就業率・正規雇用比率の世代差は数年で解消/フルタイム雇用者の男女間年収格差/就業率・正規雇用比率の男女間格差/晩婚化・晩産化の影響/出産退職の減少と就職氷河期世代/第3章まとめ
第4章 世代内格差や無業者は増加したのか
男性の年収分布の推移/男性フルタイム雇用者の年収格差/生活困窮者やその予備軍は増えたのか/ニート/生活不安定者/ひきこもり、孤立無業者/下側に広がる格差と将来への懸念/第4章まとめ
第5章 地域による影響の違いと地域間移動
対照的な近畿と東海/若年男性の就業・年収の地域間格差の変化/地域間移動の動向/大学進学に伴う地域間移動の傾向/高校卒業後の他都道府県での就職動向/第5章まとめ
終 章 セーフティネット拡充と雇用政策の必要性
親世代の高齢化による生活の困窮/低年金・低貯蓄からくる老後の困窮/既存の枠にとらわれないセーフティネットの拡充/介護サービスのさらなる拡大/雇用政策・就労支援で若年のうちに挽回を/データに基づく冷静な議論を
補 論
あとがき
参考文献 -
Posted by ブクログ
ネタバレ個人的怨嗟の成仏のために読んでみた。帯のまとめの最初2つが、そうなんだ意外、と。あそこで労働環境が構造的に変わってしまったのか…経済の失敗は国を滅ぼすな。地域による差も知らなかった。
著者あとがきに深くうなづく。自分も氷河期のなかでも悲惨な氷河期後期世代ドンピシャだけど、ほんとあの時は若者の自己責任的な空気が強かった。許せん(←成仏できてない)
あと少子化は氷河期あまり関係ない、その前からだし、最近はさらに進行中だけど、ということで。原因はいろいろだと思うけど、なんだろう…一番は空気かな。空気ってなんなのかなー(盛大に話ずれた)