小沢慧一のレビュー一覧

  • 南海トラフ地震の真実

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    南海トラフ地震は30年以内に70~80%の確率で起こるー政府の地震本部が出した数字に疑問を抱き、根拠とした数字があいまいなことを、専門家に聞き、論文を調べ、古文書を当たって確認して書かれた本だ。その問題点は、南海トラフ地震の確率が高いとされる分、他の地域では地震が起きにくいと誤解されることである。ところが、この40年で起きた大地震を調べると、すべて政府の「全国地震動予測地図」から外れたところで起きている。つまり、地震の予知や予測はできないということだ。それでも、予算獲得のために地震の確率の発表は続けられている。さっさとやめて、全国いつどこで地震が起きるかわからないことを前提に備えるしかないだろ

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    2024年11月18日
  • 南海トラフ地震の真実

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    南海トラフ地震、30年以内に70から80%の確率で起きる。
    数十年前から東南海地震についてこれでもかこれでも加藤聞かされてきており、もうすぐに大地震が迫っているような気がしていた。
    本書により地震予知、地震予測の可能性は、現在の地震額では何の根拠を持っていないといった内容に驚かされた。

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    2024年10月24日
  • 南海トラフ地震の真実

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    綿密な取材と立ち塞がる科学という壁に向かい、小沢記者の南海トラフ地震80%確率に対する疑心を様々な検知として著してくれた。

    南海トラフ地震の長期評価は科学的な根拠よりも行政・防災の専門家たちの意向が優先された。
    地震予測と言って予算とポストを得ている。
    地震学者はバカではなく狡い。
    確率を出さないと地震学の存在意義がない。
    低い確率を出すと防災予算が下りない。

    これらの地震学と国土強靭策のムラ社会的馴れ合いに、新たな視線に気付かされた渾身の一冊であった。

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    2024年10月14日
  • 南海トラフ地震の真実

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    西日本から東日本の太平洋側を中心に、大きな被害が予想される「南海ト ラフ地震」。この地震がこれから30年以内に起きる確率を、政府は70%~ 80%と予測する。この数値の出し方に疑問を持つ記者が、その数字を決定した会議の議事録や予測の根拠となる室津港の水深を記した古文書など を探し出し、南海トラフの確率の出し方が「えこひいき」されている真実 を浮き彫りにするノンフィクション。

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    2024年09月12日
  • 南海トラフ地震の真実

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    「今後30年以内に南海トラフ地震が起こる確率は80%」
    我々は政府、地震学者の言うこの数字を信じているわけだが、
    この本は、東京新聞記者のこの著者は、その数字が欺瞞であること、
    水増しされたものであることを、「はじめに」に記し、
    そのあと、200頁をかけてその根拠を論理だてて説明している。

    ①他のエリアは単純平均モデルで予測しているのに対し、
     南海トラフだけ「時間予測モデル」が採用されていること
    ②上記については多くの地震学者が疑問を持ったが、トップの独断で
     決められたことが議事録から明らかなこと
    ③さらにその時間予測モデルですら、その根拠となった過去の文献が、
     信用できる時期、数値で

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    2024年06月16日
  • 南海トラフ地震の真実

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    30年以内に70~80%の確立で起こる、とされている南海トラフ地震。そのまことしやかな数字が科学的な裏付けのない虚構であり、「地震ムラ」の予算獲得のために確率を水増しされてきたということが暴露されている。そもそも地震予知の代わりに主流となった「地震予測」でさえ、可能性が低いとされている地域に次々に大地震がおこっており、とうてい何かの役にたつものではない。日本を覆い尽くしている現状、既得権益に科学がゆがめられている数多くの現実のひとつを、克明に描いたドキュメンタリーだ。

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    2024年08月11日
  • 南海トラフ地震の真実

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    政治家の老害たちが自身の既得権益の為に地震・防災を利用していると感じる。
    正しい情報を発信している研究者さんの声を聞きたいし聞く権利はあるのに政府はどうして教えてくれないのか。

    地震発生確率のハザードマップにおいては、能登では過去にも大きな地震が起きているし、近年も群発地震が発生していた。
    それなのに、発生確率が低い地域として設定されていた。北陸には原子力発電所があり福井県は日本での原発の設置が1番多い県だ。
    日本政府の闇を感じずにはいられない。

    筆者の方は新聞記者なだけあって、丁寧な取材と調査をされている。

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    2024年02月21日
  • 南海トラフ地震の真実

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    中日新聞に連載されていた頃から興味津々だったこの話、今回本になったことでその内容がさらに明らかになった。南海トラフ地震の発生確率が非科学的なものだったなんて本当に驚き。科学的根拠が示せないならパーセンテージで煽るのも止めてほしい。
    日本は何処で地震が起きてもおかしくない国なのだから、地震対策は国内でまんべんなく行うべきだと強く思った。予算の配分とか、いろいろ問題はあるけれど…
    でもこの記者さんすごい。よくここまで突き詰めたと思う。これが本物のジャーナリストとなんだな、尊敬しかない。

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    2024年01月18日
  • 南海トラフ地震の真実

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    南海トラフ地震は30年以内に7~80%の確率で起こると言われ続け、世間はそのように信じていたが、実はその確率の算定は不確定な論文を根拠にしていたことがわかる。

    中日新聞・東京新聞の記者が疑問を持ち、その時の学者を丹念に取材し、元となる論文が一本の古文書を元にしていることを突き止めていく。その古文書も計測方法を明確に記したわけでもなく、甚だあいまいなものであった。もちろん、古文書の作者は、南海トラフの根拠となることを想定して書いたわけではないので、まったく罪はない。

    数多くのデータを集め、その分析から求めていくのが科学であるはずなのに、推論に合った事例一件を元に確率を出していたとは驚かざるを

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    2023年12月21日
  • 南海トラフ地震の真実

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    ちょっと驚いた。南海トラフ巨大地震30年以内70〜80%が大嘘と言っていいほどいい加減な数字だとは。
    結局は政治が科学に信を置かないばかりか利用するだけだということ、その裏で大きな利権を生み出すということ。地震ムラって原発ムラと同じだし、コロナ対策でも科学は軽視され放題だし、いったいどないなっとんじゃとどなりたい気分。
    科学者研究者なのるやつ、襟を正せ。政治家えー加減にせーよ。

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    2023年12月13日
  • 南海トラフ地震の真実

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    ネタバレ

    他の本で紹介されていた室津のデータを見た時に、貴重なデータだと感動して、周囲の人にも教えた。ところが、この本を読んで、室津のデータは地震発生確率の計算に使えるものではなかったことがわかった。南海トラフ地震の発生確率がいかにいい加減なものだったかがわかって、呆れた。

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    2023年12月07日
  • 南海トラフ地震の真実

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    ネタバレ

    結果的には良くない効果をもたらした時間予測モデルの使用だけど、当時使おうとした安藤氏や島崎氏の考えも分かる。防災対策のために人々に情報を与えるというだけの簡単に聞こえることでも地震学者とか行政とか色んな立場の意見が入るためにこんなに難しくなるんだということが新しい発見だった!視点を少し変えて評価するだけで全く違う印象を与えるような現代の地震予測は人々に適切な対策をさせるためのものなのに、これでは混乱させるばかりで本当はまだ中途半端なんだなと思った。まだまだ地震を予測して被害を減らすとかってのは難しいんだな〜

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    2023年12月04日
  • 南海トラフ地震の真実

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    南海トラフ地震発生確率が他に比べて高いことに疑問を持ち、その原因を追求した結果、ダブルスタンダードで算出された数値であり、その理由も突き止めた著者渾身の調査がまとめられています。衝撃の事実がわかりますが、地震は、いつおこるかわからないことを念頭に日々の準備を怠らないことが大事ですねー、

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    2023年10月16日
  • 南海トラフ地震の真実

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    著者の取材スタンスや書きぶりは公正で、なおかつ読んでいてわかりやすく面白い。科学と政治と報道の関係を考える上での基本図書にもなり得ると思う。

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    2023年10月15日
  • 南海トラフ地震の真実

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    南海トラフ地震、または地震というものの予測がどれだけ形だけのものかというのが良くわかりました。数値に騙されず、我々は粛々と準備をするしかないのたなという気持ちになりました

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    2025年10月01日
  • 南海トラフ地震の真実

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    専門家が出した確率は、なんとなくそのまま信じてしまう。70〜80%と言われたら、ほぼ確実なように思ってしまう。でもその根拠となるものは…
    科学的とは言えない事情があった。
    科学者とは証拠を重ねて、そこから導き出されたものを発表するというイメージだが、そんな人たちばかりではない。政治的な人がたくさんいる。「原子力ムラ」とはよく言われるが「地震学ムラ」もあったようだ。国に擦り寄って、多くの予算を取り、(政治的な)実績を残す。
    素人だからこそ専門家の出す数字を信じ込む。今後も他の分野でも気をつけていきたい。
    著者は新聞記者として、その時の持ち場がありながら、合間を縫って全然別の自分の気になるテーマを

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    2025年03月25日
  • 南海トラフ地震の真実

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    自分は東海地方に生まれ育ったので、少中学生時代には毎学期に避難訓練をしてきた。ちょうど本書が語るように、「東海地震説」が幅をきかせた始まりの頃の話だ。だが大地震はこれまで東海には訪れず、阪神、東北、熊本、能登と、危機を煽られなかった地域ばかりに起こった。政府や学者、マスコミたちの欺瞞には憤った。世界の地震の五分の一をひきうける日本で、地震の危険がない地域は、ない。下手に危険率ばかり説いて、油断する地方を生み出した罪は重いと思う。地震予知の確率も、降水確率も、同じ数字で表せても、実際に起こった時の被害は大違いだ。最近どこかで見たが、人間の脳は数字や確率を直感的に正確に捉えられるほどまだ発達してい

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    2025年03月15日
  • 南海トラフ地震の真実

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    丁寧な取材と真摯な科学者の対応は良かった。
    それとは別に、この本で扱われていない地震関連対策予算の決まり方は不透明なまま。

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    2024年09月21日
  • 南海トラフ地震の真実

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    2024年8月8日、日向灘を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生し、同日「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が発表された。

    これまで聞いたこともない「巨大地震注意」なんていう言葉をメディアが突然言いだし、テレビなどでは「南海トラフ巨大地震の発生が近づいているから注意してください」みたいなことを言うから、心底驚くとともに戦慄が走った。いつもは冷静な会社の上司は、気象庁からこんな情報が発出されたことに驚き、右往左往していた。

    私は自席の椅子に深くもたれかかり、少し前に本をよく読む友人が「南海トラフ地震は、ほかの地震とは異なる計算式で計算をしているから<30年で70~80%>という高

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    2024年09月19日
  • 南海トラフ地震の真実

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    宮崎県で8月8日に発生した地震は、その後の南海トラフ地震臨時情報の発表に繋がり、広範な対象地域で何らかの対応が求められた。

    結果は一週間にわたって特段の地殻変化は観測されず、されど大地震が発生する可能性が無くなったわけではないため、巨大地震注意の状態を継続しつつ、特別な注意の呼び掛けを終了し日頃からの地震への備えを引き続き呼び掛けるという分かりにくい状況に至っている。

    些かでもこの状況を咀嚼したくて手に取ったのが『南海トラフ地震の真実』で、昨年8月に刊行された中日新聞記者による調査報道の書である。

    表紙からは国民に不都合な真実が隠蔽されていた事実を暴いた書という印象を受けるが、冷静に読め

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    2024年08月20日