ガレスルービンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
★5 上下反転裏表、二つの物語がお互いに関連し合う極上のミステリー #ターングラス #鏡映しの殺人
■きっと読みたくなるレビュー
書籍を裏表上下反転させて読むという手の込んだ装丁、これは単行本で手に入れたくなっちゃう。こういう形式の本をテート・ベーシュって言うんだって。なるほどー
読む前から既にギミックとして面白いんですが、中身もしっかりと濃厚な味わいで素晴らしい。エセックス篇は19世紀末の時代背景。ゴシックホラーな雰囲気が漂う中、作中作が秘められた謎に迫っていく。
カリフォルニア篇は20世紀の第二次大戦前。こちらは一気に現代的な情調になり、サスペンスやロマンスも含んだミステリーなんです -
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ネタバレ2つの中長編小説を収録した一冊の本、それだけだと良くあることだが、装丁にテートベーシュというギミックを用いた凝った1冊。そのギミックを楽しむことを主眼においた2作品。
1つは19世紀の陰鬱なエセックスの離れ小島で起こった殺人事件とターングラス館の主の病気の謎を追う話。
もう1つは20世紀大恐慌後WW2前のカリフォルニアで俳優志望の主人公が友人の書いた小説の謎を追う話。
2つの小説は全く違う雰囲気をまといつつ、ターングラス館や話中小説の相関関係などメタな要素を踏まえて展開する。双方各々の収束はするものの、両方を読み終わった時に組みあがっていた2作の関連が紐解けると、別な光景が見えてくる…とい -
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19世紀のエセックスと20世紀のカリフォルニア、二か所に存在する謎めいた「ターングラス館」でそれぞれ起こる事件を描いた本作は、「テート・ベーシュ」と呼ばれる造りの本になっています。各章を読み終えるごとに反転する物語の構成はとても凝っていて、これは是非とも紙書籍で読むべき一冊です。どちらから読むことも可能ですが、個人的にはエセックス篇→カリフォルニア篇の方がよいんじゃないかな、と思いました。実際正当な向きとしてはこっちが正しいかな?
ガラスの牢獄に閉じ込められた女性を巡る物語であるエセックス篇は、時代背景もあって幻想的な雰囲気に彩られています。一族の因縁の物語、そして見事な毒殺トリックに驚愕させ -
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作りが凝ってるのはいうまでもありませんが、事件の真相も捻りがあってなかなか唸るものがありました。舞台となっている当時の雰囲気をうまく練り込んで、いかにもありそうと思わせているところは見事です。それぞれのパートに書かれているところがいたるところでクローズアップされるので、読み返さざるを得ません。何度も読むことになるので、非常にお得感がありますね。一冊で二度楽しめることは確かだし。ただ、作りの複雑さゆえ、内容に重みが薄れた感も。ミステリに重み求めるのも野暮な話ですが、これだけ作り込んでいるので、さらにズシリとくるものがあったらなあ、と思ってしまいました。シメオンもケンもちょーーーっと軽いんですよね
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Posted by ブクログ
「テート・ベーシュ」っていうらしいです。
両方に表紙があって、両方から読む。
この小説では、片方が作中作として使われてる。
どちらから読んでもいいらしいですが
読み終わった感じではやっぱり
装丁通り「表:エセックス篇」から読んで正解。
エセックス篇では
医師シメオンがターングラス館で暮らす叔父に
「誰かが自分を毒殺しようとしている」と
訴えられて謎を解こうとする。
館の一室には叔父の弟を殺したかどで
その妻フローレンスが閉じ込められていて
一番怪しいのは彼女だが
部屋からは一歩も出られないのにどうやって?
対するカリフォルニア篇のほうは
役者志望の青年ケンが主役で
州知事の父を持つ友人の死 -
Posted by ブクログ
読んでいて面白い1冊でした。
しかけも。
ただ、読後感が微妙に終わったので、星3.8くらい。
4にはしにくい。
エセックス篇、カリフォルニア篇、どちらも好きな感じですが、個人的にはカリフォルニア篇の方がより好みです。どちらも現代ではないので、ゴシック風味、クラシック風味があります。
そしてイギリス小説、アメリカ小説を書き分けている、そんな印象もありました。
どちらから読んでもいい、とはあるものの、本の体裁としてエセックス篇から読んだら?という出版社サイドの意向を感じるのと、話全体の味わいをよりおいしく感じるなら、エセックス篇から。
アマノジャクな方はカリフォルニア篇からどうぞ(笑)
ほんの真 -
Posted by ブクログ
ネタバレテート・ベーシュ。
何これ、作り自体がおもしろー、初めて出会った。
でも意外と昔からやられている製本技法なんですね。
日本でも折原さんの作品でやられているとか。
イングランド南部のレイ島(干潮時は陸続きだが、満潮時には連絡路が水没してしまうような土地。陸繋島ってやつ?)。
この島唯一の建物、ターングラス館の主の病の原因を探る出だし。
次第に体面が剥がれ落ちてくるかのように、この家の住人が関わっていた忌まわしき罪が露わになってくるゴシックミステリ調のサセックス編。
本を閉じ、ひっくり返して180度回転させてページを開くと始まるカリフォルニア編。
うって変わって富と名声、成功と権力の夢の中を泳