吉川慧のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
自分のPRの手段として最近よく目にするようになったのでVTuberとは何かを知るために繙いてみた.起源は1995年だそうだが、当時は全く気づていなかった.インターネットの使用率が1997年の0.2%から2002年の57.8%に急上昇し、YouTube日本語版が2007.6.19にスタートし、日本が得意としていたアニメが合流してきた由.歴史については何となく知っていたが、本書は岩波書店らしく、第III部で理論的な考察を加えている.配信者の立場、受け取る側の態度など、哲学的、現象学的、美学的等の議論は全て理解することはできなかったが、このようなアプローチがなされていることは素晴らしいと感じた.ジャ
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購入済み
「よう俺」と言いたくなる学術書
1章のVTuberの歴史から、Ⅲ部における配信者とVモデルとの各種関係論に至るまで興味深い内容が盛沢山だった。
殊に印象深いのは、先生方自らが視聴者であることを前面に押し出して分析をしている点。注釈に角巻わためさんのアーカイブが並んだり、冒頭から紫咲シオンさん語りしたりと、まさに「よう俺」と言いたくなるような書き口にクスリとした。
ところで自分は大手からVTuber(以下、大手V)に触れたが、今はとある登録者数の少ない個人VTuber(以下、個人V)も推している。この過程で感じた「VTuberと視聴者の関係性」について本書とも絡めて記述する。
11章富山先生の記述に、コメントや応援に -
Posted by ブクログ
全3部構成の、VTuberに関する歴史・研究を取りまとめた大著。
VTuberはこれまでのキャラクターコンテンツと何が違うのか。
どこに魅力があり、人はなぜそれに惹かれるのか。
そんな潜在的な疑問が言語化されており、至極納得できた。
・ネット上に存在して、リアルタイムで同じ時を生きているという感覚を感じさせてくれることこそ、他のキャラクターコンテンツと異なるVTuberならではの新しい魅力
・「創作的ルックス」と「滲み出る本人性」とのギャップ、コントラスト、バランスがVTuberの本質かつ魅力
1部はVTuberの歴史、2部は今を取り巻く環境についての調査研究が述べられている。
論文調の