川崎莉音のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
地方出身の東大の女子学生生2人による、ジェンダー論。⭐3.5
自分も地方出身で、どちらかといえば、女の子は地元に残し、他県への進学は男の子優先、みたいな空気はよくわかるが、仕方ないというかそういうものだと思っていた。一方、東京で暮らしてみて、情報の格差は大きいということは感じていた。
それらのことに違和感を覚え、調査分析をして本にまとめたこともすごいが、実際に地方の女子高生たちの相談にものっているところに頭が下がる。
ただ、本の中でも触れられているが、東大をはじめとする難関大への進学状況でみようとしていること自体が、エリート目線だな、という感じは否めない。 -
Posted by ブクログ
地方女子学生の進学の選択肢を広げることを目指すNPOを立ち上げて活動する地方出身の現役女子東大生の著者2人が、地方と首都圏の高校生男女を対象とした意識調査やインタビューを基に、表題のとおり「なぜ地方女子は東大(遠方の難関大学)を目指さない」傾向にあるのかの構造的な要因を考察し、地方女子学生の進学意識の傾向や、周囲の環境がどのように影響しているのかを明らかにするとともに、解決策も提言。
本書の調査分析の結果、地方で暮らす女子高校生は、資格取得を重視するとともに、自己評価が低く、浪人を避ける安全志向が強い傾向があることが示された。また、保護者も男子高校生と比較して難関大学に進むことや首都圏に行くこ -
Posted by ブクログ
著者は江森百花さん、東京大学の在学生です。江森さんは、静岡県立静岡高校を卒業、一浪して東大に入りました。地元の同級生の女子は高めの志望校設定を知られることに強い抵抗感を持っていたといいます。片や、首都圏の東大への通学範囲にある進学校では「猫も杓子もとりあえず東大」のマインドを持ち、浪人しても東大を目指して勉強しようと考えている女子学生が当たり前にいたことを知り、そのギャップに唖然としたといいます。
さらに、江森さんは、ただ「自分が女であった」「生まれ育った場所が地方であった」というだけの、たったそれだけの理由で、東大を目指すことがはばかられたとしたら、将来の選択肢が狭められてしまったとした