リズ・ニュージェントのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
サリーダイヤモンドのパーソナリティが冒頭からぶっ飛んでて引き込まれる
アスペルガー的なサリーが社会性を得ようとなんとなく手探りで努力していく様
不器用なりに人々と適応していこうともがいていく様
それをサポートする人々、見守る人々、ヤジかます人々
戸惑いながらも少しずつ前へ進もうとするサリーに共感していく
彼女を形成した抗いようもない過去、忘れ去られた幼い頃の記憶
突発的に湧き起こる衝動的な怒り、他者との触れ合いを敬遠する性質が彼女を混乱させる
そして、裏主人公ピーター
一人の無垢なる人間がいかにして崩れ落ちていったか
彼に同情してよいものか
孤独な、あまりにも救いようのない彼の苦悩が物語に暗い影を落とす
サリーのイノセントな日々の描写と対比するようにすすむピーターとその父親のノワール
想像した以上に凄惨な血脈の物語
サリーダイヤモンドのその後の幸せを願う -
Posted by ブクログ
ネタバレポップな表紙のカラーとタイトルをみてクスッと笑える内容かなと思って手に取ったのだが、とんでもなく胸糞悪い物語だった。
以下ネタバレ。
自他ともに認めるちょっと変わっているサリー・ダイヤモンドは養父が亡くなったことをきっかけに自分の過去を知ることに。
それは産みの母親が11歳で誘拐され、幽閉されて自分が産まれたこと。そしてその犯人は捕まっていないこと。
養父が「自分が死んだらゴミと一緒に捨てて欲しい」と言っていたことを真に受け、自宅の焼却炉で遺体を焼いたことから大ニュースになり、そこから人生が変わっていく。
サリーは努力して人と関わるようになり、周りの人はそれを受け入れてくれる。それと同時に世間には知られていないペドフィリアの誘拐犯の息子ポールから小包や手紙が届くようになる。
父親から強い洗脳を受けて育ったポールは、父親ほどの残虐性はないものの、結局人と関わることができず、父親と同じ道を歩むことになりそうだし、(最後までは書いてないのだけど次の犠牲者が出る前に捕まってくれることを祈る)ポールと関わることで再び人を信じられなくなったサリーは、また周囲の人々が差し伸べてくれる手を取れれば、人生は好転するだろう。
知らないだけでこんな事件は起こっているのだろうが、心が痛いとしか言う言葉がない…。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ面白かった。
父親は冗談で「ゴミに出して燃やしてくれ」って言ってたけどサリーに冗談は通じないと理解してたはずなので、まあなんかちょっとおかしくなってたのかな。死期もちゃんとわかってたわけだし。
無神論者だったと思うけど、それでも遺体を燃やすのに抵抗のある文化圏だと思うので、悔悟の念だったのかなと想像する。
サリーの育ての両親二人の力関係も後からわかるの面白い。
ピーターがsというイニシャルで送ってきたのは、神の息子のsonで?
まだ父親に縛られてるよっていう暗示かな。
その父親もその母親から父親の役割を担わされたとあるので、実母×実息子の関係があったのかな。だから大人の女性がダメになった。少女=コントロール出来る存在に惹かれるという図式。子供が息子なら自分のようには遭わせないぞという気持ちで強くしたかったのかもしれない。
ピーターは少女ではなくリンダのような女性をこれからターゲットにするんだろう。連鎖やば。
ピーターの娘は血縁に縛られずに成功していくぜ!というオチで良かった。子供に罪は無い。
サリーのほうはお金を渡してしまい失敗して終わるけど、それでも友人関係は残りそうなのが良かった。
それでも生きていくしなかい。
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Posted by ブクログ
★5 壮絶な過去に向き合う女性、人間の可能性と成長に痺れる傑作 #サリー・ダイヤモンドの数奇な人生
■あらすじ
アイルランドの田舎町、変わり者のサリー・ダイヤモンドは義父と二人で静かに暮らしていた。ある日彼女は義父が病気で亡くなっているのに気づく。生前自らが亡くなってしまったら焼却炉で焼いてくれと言っていたのを思い出し、そのまま遺体を焼却してしまったのだ。
警察からは温情をいただくことになったが、マスコミから注目の的にされてしまう。人とコミュニケーションをとるのが苦手な彼女は、これからひとりで生きていくことは可能なのか… そして彼女は義父から遺された手紙を読み、衝撃の事実を知る。
■きっと読みたくなるレビュー
許せない。
他人を傷つけることを許容してしまうと、どんな結果が待ち受けているのか。不幸とはこうやって生まれるという教訓を魂に焼き付けられます。
そしてもうひとつ。人間の可能性、戦うことの意義を教えてくれる素晴らしい作品でもあります。
本書は大きく二人の視点で物語が進行していく。一つ目は変わり者のサリーが過去と向き合っていく現在の視点。二つ目はサリーの出生と関する者の過去の視点です。
サリーは幼い頃の記憶がなく、できる限り人と接触せずに生きてきた。もちろんそれには悲しい理由がある。本来頭がよく音楽の才能に溢れるにも関わらず、その結果自閉症気味になり、人とコミュニケーションが取れなくなってしまった。
しかし彼女はどんなに辛い事実を知っても、自分自身に立ち向かって戦い続けた。よく聞き、よく学び、自身の価値観を信じ、誇りを忘れずに胸を張って生き続けた。知恵と勇気を振り絞り、周りの人たちを信じる優しい心を持つことで、全てをやり直していくんです。すごい…
昨今、経済的なことを理由で犯罪に手を染めてしまう若者がいっぱいいます。卑劣な境遇に生れ落ちてしまうこともあるでしょう。でもこのサリーの生き様を見て感じてほしい、諦めるな。
一方もうひとり、過去の視点での物語… サリーに関係する人物が出てきますが、カッと目を開いて読んで欲しい。他人に甘え、自分に負ける人間はどうなるのか。
生きるってこういうことだったと思い出されてくれる傑作だと思います。ただ心臓が抉られる物語です、覚悟して読みましょう。
■私とこの本の対話
以前息子が不登校になってしまいました、登校時に吐き気が止まらなくなってしまったんです。
彼から悩みを聞き、学校にも相談し、病院にも行きましたが改善がされない。これ以上追い込んでしまうことで更なる悪化を恐れた私は、ひとまずゆっくり休むことを提言したのです。しかしどれだけ休養しても、不登校は解決されませんでした…
その後彼は、勉強の壁にぶつかっていたことを自分なりに認め、塾に通い始めるようになりました。すると学校への登校も再開し、自分らしく学園生活を送れるようになったのです。
やっぱり問題から遠ざけても何も解決しないんですよ(もちろん人それぞれ個性があると思うけどさ)。あらためて戦うことの重要さを教えてくれた、私にとって大切な一冊になりました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ始まってすぐに亡くなった養父をゴミ袋に入れ焼却炉で火葬する。このスピード感がずっと続く。
過保護に育てられてきたサリーの人生がここから動き出す。
彼女の壮絶な過去を少しずつ明らかにしつつ、自分をコントロールしようと奮闘するサリーの日々が恐ろしいくらい面白い。
が、この小説はあらすじでは明かされていない事件が、終わりまでずっと展開するけど、この描写が無理な人は読むのは無理かもしれない。
ルームという映画が近い話になると思う。
この映画を一緒に見ようとした友達は始まってすぐに見るのをやめて退席した。
登場時のサリーは42歳、この年齢でこの設定は珍しい。
読んでいると彼女に肩入れしたくなるが、感情移入をさせないような行動を起こし、不安にさせてくる。
トビーが警察に勝手に送られる場面、終盤のクリスティン叔母さんへ怒る場面なんかサリーが本当に恐ろしく思える。
町に住むキャラクターもみんな印象的、すごく暖かく優しい人たちばかり。
彼らとの交流がやっと実を結んでサリーの生活が幸せと呼べるものになりかけては無情にも崩れる。
この話でハッピーエンドにならないってまじかよ!ささやかすぎる希望のような話で終わるけどこれでは読んでいる自分が救われないw
サリーの物語はまだ途中なのに放り出されたような気分。
今年読んだ中で1、2を争う面白さだった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ幼児誘拐、監禁、虐待、女性蔑視などなど、テーマがとても重いんですが、サリーの独特な会話(あまりにストレートすぎる言い回しなど)やブラックユーモアが溢れていて暗くて重い内容も少し緩和されている。
1人称語りで作品が進んでいくこともあり、グイグイ引き込まれて一気読みではなかったけれど、ページをめくる手が止まらなくなりました。
ただ、終盤にかけてサリーは以前のようにまるで聾唖者のように振る舞い、ピーターは実の父のような怪人になるべく負の連鎖は断ち切れていないようだし、ピーターの娘が自分の本当の両親については面倒だから暴かれたくはないけれど、自分の将来のためには『物語』も必要ってちょっと打算的で、現実はそんな簡単に綺麗に解決もしないし、トラウマの連鎖は断ち切れない冷徹な感じがするけど、実際はそうなんだろうなって。朝井リョウさんの作品みたいだなあって読後に考えていました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ面白くて読み進める手がとまらなかった。読み終わるのが寂しいと思ったほど。でもラストが…以下完全にネタバレです。
ラストがどうにも理解できなかった…非常にモヤモヤする。小児性愛者のコナー・ギアリーが当時11歳だったデニースから人生を奪いめちゃくちゃにしておきなながら、さらにその後誘拐したリンディの人生も奪っておいて、逮捕されて社会的制裁は一切受けず息子の車での事故であっさり亡くなるなんて罰としてぬるすぎるし、息子のピーターもリンディを解放せず最後は死なせたくせにこちらも制裁を受けずに野放し。幼い少女2人が本来は家族と過ごせるはずだった人生を完全に奪われ、デニースは自殺、リンディは再会すらできておらず病死。なんて救いのない話なんだろう。
ミステリーお決まりの勧善懲悪ではなく悪が裁かれないオチって最近流行ってるのかな? -
Posted by ブクログ
「死んだらゴミといっしょに出してくれ!」そう言っていた養父が亡くなり、実際に養父をごみ袋に入れて焼いてしまったサリー…
そしてそのことを隠すこともなく、「自分で焼いた!」と話すサリーには情緒の欠陥があり、変わり者と呼ばれている
物語はそんなサリーが自分の過去を知り、自分を変えていこうとするパートと、彼女の過去に関わる重要な人物の視点で語られるパートで進んでいく
そして徐々に明かされていく二人の過去はあまりにショッキングで…
ダークで悲惨で、決していい読後感というわけではないが、作品はとても読みやすく、サリーのキャラクターのせいか最後までほぼ一気読みだった