ジャックヒギンズのレビュー一覧
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読むのは何度目くらいになるだろうか。もう自分でも良く思い出せない。初めて読んだのはいつ頃か。大学生の頃か、社会人になった頃か。マクリーンから始まって、冒険小説を読みあさっていた頃に手にした。「深夜+1」を先に読んでいたのだと思う。
改めて読んでみて、こんなにサービス精神満載の作品だったんだなあとびっくりした。読み始めの展開、つまりノンフィクションとフィクションの境界を曖昧にしながらルポ的に始まるあたりから、作戦の進行をある意味淡々と書いていくあたりは、後のフォーサイスを読んでいるようである。中盤から後半にかけて、サスペンスにあふれる犯罪小説的であったり、アクション満載の戦争小説であったり -
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イギリスの作家「ジャック・ヒギンズ」の冒険小説『鷲は舞い降りた(原題:The Eagle Has Landed)〔完全版〕』を読みました。
「ディック・フランシス」、「コリン・デクスター」、「ボブ・ラングレー」に続き、イギリス作家の作品です。
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鷲は舞い降りた!
「ヒトラー」の密命を帯びて、イギリスの東部、ノーフォークの一寒村に降り立ったドイツ落下傘部隊の精鋭たち。
歴戦の勇士「シュタイナ中佐」率いる部隊員たちの使命とは、ここで週末を過ごす予定の「チャーチル首相」の誘拐だった!
イギリス兵になりすました部隊員たちは着々と計画を進行させていく…使 -
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第二次世界大戦中、ナチスドイツのチャーチル誘拐作戦を描いた冒険小説の名作。
過去に映画を観てストーリーを知っていたが、魅力的な登場人物満載のストーリーであったと発見があり、読んで良かったと思う。
実直的なドイツの職業軍人と官僚的なナチスとの違い、閉塞感のあるイギリスの田舎町などを描いており、中途半端なフィクション戦記物とは一線を画している。
また、主人公のヒーロー的なラストもいいが、補完された切ないエピローグも素晴らしい。
愛弟子とも言える佐々木譲の作品よりは、実際の作戦開始までは、テンポが悪い気がしましたが、読む価値は、衰えいないです。 -
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ネタバレ冒険小説の金字塔と呼ばれる本書。
第二次大戦末期、敗戦色濃厚なドイツ軍にイギリスのチャーチル首相誘拐のチャンスが訪れる。その任務に従事する落下傘特殊部隊の話。
主人公は珍しく第二次大戦下のドイツ軍将校。
通常、こういった小説でのナチスドイツ軍人は頭のいかれた鬼畜として描かれるが、本書に出てくるドイツ軍人は必ずしもナチスドイツに賛同はしないが、国のために戦う高潔な軍人達として描かれている。
そのため、正義の云々の話ではなくて、純粋に高潔な男の生きざまが描かれている。
前半は中弛みしたが、佳境に入ってからは面白かった。
ちなみにこの話は史実にある程度基づいているらしい -
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おもしろかった! の一言で足りる。いい意味で。
けどそれも味気ないので…と思ったけど新しい読者として何か目新しいことを付け加えることはできなそうだ。シュタイナの勇敢さ、デヴリンと醜い少女とのロマンス……ああ、月並み!
フィクションということを忘れて読んでいたようだ。
読者に親切すぎる後日談だってまったく鵜呑みにしてしまうくらい。
なんで事実だと思ってしまうのだろうか……と考えてみたが、それはやっぱりこの構成のためだろうな。いかにも「騙すぞ!」という感じの。本気さ。そこについつい騙されたくなってしまう……。
精緻な描写の私小説よりも、あきらかなエンターテイメント小説のほうによりリアリティを感 -
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元IRAの天才ガンマン、マーチン・ファロン。元軍人の神父、ダコスタ。そして葬儀屋にして暗黒街のボス、ジャック・ミーアン。
異なる、そしてそれぞれが豊かな個性を有した男たちが繰り広げる相克のドラマ。緊密なプロットといい、芯の通ったキャラ造形といい、ジャック・ヒギンズ作品の中でも傑作といっていいでしょう。
とにかくファロンのキャラが魅力的です。哲学と音楽に通じた天才ガンマン。知的で諧謔に富みながらも、自らの過去に絶望し死神を待ち続けるだけの男。その陰影に富んだ個性は強い印象を残します。
モノクロームの映像が浮かび、雨の音が聞こえてくるような文体もまた素晴らしい。お勧めです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ神父が最後に語った衝撃の事実。まさかのチャーチルが替え玉だったとは。もし仮にあそこで彼を撃ったとしても、歴史的には何も変わらないということ。そしてその替え玉を狙ってドイツ軍もそうだし、イギリス軍もそうだし、たくさんの命が失われた。
しかもである。その事実はイギリス軍側にも伝えられていなかったということか。イギリス側の方が一枚上手で、その策略にドイツ側が踊らされた。これはまさにどんでん返しだな。最後にすごい。
これがなかったら、いわゆる戦争ものというか冒険もので、戦争ものの主体を中心としたドイツ軍兵士たちの活躍というか、なんというか、生々しい戦場を描いた話だったんだけど、最後にこれが来ること -
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ネタバレ3
ヒトラーの密命で、劣勢のドイツ軍の落下傘部隊がイギリスに降り立ち、休暇予定のチャーチルを誘拐しようとする話。落下傘部隊シュタイナ中佐やIRAのデヴリンなどを通して使命達成に賭ける人間を描いている。著者曰く50%は証拠書類がある史実らしいが、どこまでかは不明。話の詳細までついて行けない部分も。スパイ活動も交えて着々と準備を進めていくあたりや著者のルポの様子が冒頭と最後にあるあたり、モリィのデヴリンへの想いによる言動などなかなか面白い。続編も気になるところ。シュタイナのチャーチルまでたどり着くも打てなかったあたりと、実は影武者だったりあたりもなかなか面白い。アメリカに亡命したデヴリンの子を産ん