阿部幸大のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
初学者が独力で学術論文を書く方法を指南する本。
ただし人文学系のレポート、論文を念頭に置いている。
書くまでに必要な作業は以下のような感じ。
(なお、以下はメモを作って、先行文献や資料を集めて詠み込んで…という作業は行ったり来たりするのだろうから、単線的な「手順」というのはふさわしくない)
1 論証が必要な命題である「アーギュメント」を作る
2 アーギュメントを鍛える
3 メモからパラグラフを起こす
4 先行研究のフォーマットを研究し、パラグラフ解析をする
5 抽象度を調整し、必要な情報を組み合わせて論証する「長いパラグラフ」を書く
6 先行研究を批判的に引用し、自分のアーギュメントのアカ -
Posted by ブクログ
論文とはどう書くのが正解なのか。
人文社会科学系の研究の手法を明確にしてくれる好著。
仮説にこだわりすぎなくてよいのは少しホッとする。
こういう考え方もアリなのね。というかスタンダードなのね。
アーギュメントの価値については特に印象に残った。
アーギュメントはアカデミックな価値を持たなくてはならないということ。当たり前なんだけど、はっきり言いますね。アーギュメントにアカデミックな価値がないかぎり、論文として成立しないというところも、サクッと本質に切り込んでいて気持ちいい…
だから、論文とは、アーギュメントを提出し、それが正しいことを論証するもの。
アンパンマンで例文が書かれているのが、今 -
Posted by ブクログ
ネタバレ単なる参考文献や章立ての方法ではなく、実際の文章の書き方である。結構売れている本である。アーギュメント(意見)を中心にしてどのように書けばいいのか、ということや査読論文の方略まで書いている。大学院生に最適である。文系向けということであるが、教育学部でも役立つであろう。ただし、レイアウトの形式が非常に読みにくく、古色蒼然であり、国文学部の論文の書き方の本のようである。理系のためのアカデミックライティングの2色刷りの本と比較すると雲泥の差である。そのために、文学部以外の学生として、教育学や社会学に関連する学生は敬遠してしまうかもしれない。