阿部幸大のレビュー一覧
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流行りの本なので、読もうとと思っていたがなかなか読めずにいた。読んでよかった。
この本から学んだのはアーギュメントの概念、パラグラフの概念で、それが今まで受けてきた説明とは異なった。
これまでは私はパラグラフライティングを学ぶ立場でも教える立場でもあるのだが、AREA, OREOという構成で教えていたし、学習者としても学んでいた。しかし、このアプローチだと互いに意味的にマッチしないことがある。それぞれ独立したものとして、書き手が書いてしまい、トピックは関連したものの、どこか理由が噛み合わない。一貫性に問題があるライティングになりがちだった。
しかし、この考えを知っておくことで、一貫した英 -
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この本自体は、出始めの頃にTwitterで話題に上がっていたのを見て、ずっと気になっていた。
そして、そこから少し経ったときアウトライナーの使い方という動画を発見し観てみると、わかりやすく、喋り方も好きで見入ってしまった。
詳しく調べてみるとこの方が『まったく新しい アカデミック・ライティングの教科書』を書かれている方だとわかり、ついに手を伸ばした。
自分は理系の学生であるため、人文系の論文がどういうことを目指しているのかというところを知れてとても面白かった。
さらに、自分の論文を書くために必要な考え方をたくさん学ぶことができた。
この本の存在が、そのままこの本に書いてあることの裏付けになって -
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まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書
著:阿部幸大
アカデミック・ライティングとは、論文を書くための方法論である
また、論文とはなにかを、何度も深堀を繰り返し、ブラシュアップする
その本質を明らかにするための長い旅のような書である
<アーギュメントをつくる>
■ルール1:論文は、アーギュメントをもたなくてはならない
定義:アーギュメント:論文の核となる主張内容を一文で表したテーゼである
定義:テーゼ:論証が必要な主張である
「論証を要求する」を満たすためのシンプルな方法論とは、アーギュメントを、「この論文は~を示す」という構文で書くことである
■ルール2:アーギュメント -
Posted by ブクログ
私は大学院に通っている。前期課程(修士課程)の1年生なので、修論を2026年の1月頃までに書き終わって提出し、アクセプトされれば修士号を取得できることになる。
大学院生とは言っても若くはない。大学を出た後、企業に長年勤め、引退した後で勉強し直そうと思って大学院に入学したのである。
修士論文を書くことは簡単な話ではない。論文のテーマを決め、リサーチクエスチョンを決め、先行研究を調べ、整理する。研究室の教授の指導を受けながらではあるが、それは手取り足取りというわけでもなく、ある程度、自分でやり方を考えながら進めていくしかない。
これまで身を置いていた会社の中でも、何かを主張することはもちろんあっ -
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学生時代、ゼミの先生からもらった、たった一言のアドバイスをもとに、四苦八苦しながら書いた卒論。その時、自力で試行錯誤した方法がここにあった。
たった一言、とはいえ、先生のアドバイスはなかなか的を射ていたのだと、数十年経ってあらためて感じた。ちなみに先生は、その後京大へ移り、教授になられた。
「書けないやつは読めてもいない」というのは本質で、書くためにはまず精緻な読み方を体得しなくてはならない。それにはなかなかの時間を要するが、逆にそこをしっかりやれば、その後の書く作業は、飛躍的に上達する。
本書ではその具体的なやり方がドリル形式で解説されるのだが、例文として著者がつくった「アンパンマン」を題材 -
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まずは基本や型の習得、反復をしよう。テンプレを全活用することで、ひとまず「楽に」論文を書くことができる。でもその先に、「自分のやり方で」書けるようになってほしいーー。
実によくわかる方法論だ。文章を書くにあたって、(ある程度までは)センスも何も必要ない。テクニックにすぎない。だったら、まずは合理的に最短距離でテクニックを習得しよう。ようは「やり方」だ。
でも、そこで終わってはいけない。大事なのは、ここから。型を習得し、自分のものにできた先に、本当の自由がある。
だけで終わらないところが本書のすごいところ。手に入れた「自由」は何のために使うのか。その答えが実に素晴らしい。同感。というか、ま