泉貴人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
水族館もまた博物館の一種であるという事実を再認識させられました。展示されているのが「生きている」という点で他博物館とは大きく異なりますが、だからこそ他にはない見所や楽しみがいっぱい!
本書を読んで水族館へ行くのがより楽しみに、それに行ってみたい水族館が増えました。
博物館の柱となる役割「資料収集」「展示教育」「調査研究」を踏まえ5章に分けて書かれていています。
「集める」
多種多様な採集方法があり、中でも深海用の無人潜水艇があることに驚いた。極めつけは、葛西臨海水族館では北極海や南極海にまで赴いて採集しているという事実に度肝を抜かれました。
「選ぶ」
バックヤードには多くの未知の生物がいるのに、名前が分からない・テーマに合わない等の理由で展示できないモノが沢山いるそう。私たちが見ているのはほんの一握り、選ばれし生き物たち。
「飼う」
水槽の種類についてがおもしろかった。特にクラゲを飼うクライゼル水槽についてはクラゲの意外な事実を知ったし、魚の遡上が見れる水族館があることも知れて嬉しい。そのアイデアも技術も実行力もすごい。
「殖やす」
種の保護や観察・研究の観点での繁殖について。
クラゲのポリプについてや、チョウザメのお腹を裂いても縫い合わせれば死なないことにビックリ!
「調査・研究する」
水族館が博物館施設で、研究施設でもあること。
水族館スタッフさんと生物学者さんが協力することで、こんなに大きな発見に繋がるんだとその可能性に触れることができた。
読書を通して初めて知って驚いたり感心したりするだけじゃなく、そこからいろいろな事柄に考えを巡らせることや、その切っ掛けになることも楽しい。
沖縄美ら海水族館についての未読本があるので、そちらを読むのも楽しみ。
名もなき新種の生物がいるかもしれない水族館バックヤードツアーに、いつか行ってみたい。
夜の水族館や水族館泊もいいなぁ。 -
Posted by ブクログ
生物学者で水族館の業界人、そしてマニアでもある
著者が紹介する裏話などが満載の、水族館の魅力。
まえがき――水族館で生物学 “神の眼”から見る水族館
第1章 「集める」
生き物を入手する、それはコレクター顔負けの修羅の道
第2章 「選ぶ」
予備水槽での攻防、それは芸能界よりもシビアな
デビューへの道
第3章 「飼う」
どこよりも素敵に魅せる、それは血と汗と涙と、
なけなしの資金が開く道
第4章 「殖やす」
新しい命の誕生、それは生命の神秘に触れる道
第5章 「調査・研究する」
未知の事象を解き明かす、それは究極の学問へ至る道
コラム、おススメ水族館有り。
あとがき――水族館の“これから”学者目線で、マニア目線で
Dr.クラゲさんの訪問した水族館リスト
生物学者でマニアな著者が分かり易く解き明かしてくれる、
水族館の裏側あれこれ。働く人々の情熱と苦労が滲み出る。
生物の入手方法いろいろ。
無人潜航艇や水中ドローンもあるとは。
バックヤードの予備水槽の意味。控え組にも脚光を。
水槽いろいろ。大事な濾過機と配管、ライティング。
水族館の生き物は千差万別だから、繁殖も幼生の姿も
多種多様。繁殖の実態あれこれと繁殖活動の栄誉の話。
調査・研究の対象は生きた資料。
水族館と研究者のタッグが新種発見や論文に繋がる。
生物学者目線での水族館の話ですが、くだけた口調で
興味惹かれました。特にコラムでは自分の意見も
バリバリと語っているのが良かったです。
是非、マニア目線の2冊目の水族館攻略法の本、お願いします。 -
Posted by ブクログ
生物学者であり、水族館好きでもある著者が、本書で光を当てるのは、私たちがふだん「レジャー施設」として眺めている水族館ではなく、博物館、さらには研究施設としての顔だった。
集める、選ぶ、飼う、殖やす、調査・研究する――それぞれの章を読んでいると、なんとなくぼんやり眺めていた水族館の、知らなかったことの多さに唖然とする。これまで私は、目立つ魚を追いかけたり、水槽の前でぼーっとしていたりしていたが、それだけでは、あまりにももったいなかったのだと気づく。
ページをめくる手が止まるたびに、つい「バックヤードまで見せてくれ」と呟きたくなる。きっと、そこにはもっと秘密が詰まっているのだろう。ラッコの小さな手や、泳ぐ魚の光り方や、見えない工夫がわんさか。
ああ、ラッコ、見たいなあ― -
Posted by ブクログ
私が水族館が好きなこともあり、「水族館が100倍楽しくなる!」という売り文句に惹かれ、即買いしました。
簡単な内容としては、研究と趣味で水族館に通いつめている海洋生物学者の方が水族館の魅力や裏側をわかりやすくまとめた一冊です。
個人的に面白かったポイントは2つあります。
①生き物の集め方。
海や川で捕まえてくるのはもちろん、バイヤーからの購入や漁師からの引取、他水族館とのトレードなど、バラエティ豊かな手段を用いて、水族館は生き物を集めているとのこと。特に水族館同士のトレードはあまり考えたことがなかったので、かなり驚きました。水族館スタッフの方の頑張りによって、多種多様な生き物が見れていることをあらためて実感しました。
②水槽内で捕食させない工夫。
1つの水槽に複数の生き物を入れる場合、捕食されてしまう可能性が出てきてしまうが、水族館は色々工夫してそれを防ごうとしています。日々、捕食しないように十分な量の餌を与えているのはもちろんのこと、水槽の作りを工夫して、同じ水槽にいるように見えながらも、実はアクリルガラスで水槽が分けられているというのもあるみたいです。こうやって水槽の平和は保たれているのかと感心しました。
その他、筆者おすすめの水族館紹介や研究レポートも充実していて、ページをめくるたびに新しい発見がありました。
読んでいると「早く水族館に行きたい!」という気持ちが高まる一冊。
水族館が好きな方はもちろん、水辺の生き物に少しでも興味がある方にぜひおすすめです。