スザンヌ・マッコーネルのレビュー一覧

  • 読者に憐れみを

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     カート・ヴォネガットによる「書くことについて」の本。冒頭の7つのアドバイスだけでも十分読む価値があるが、570ページ相当の本文は校正から、生活、稼ぐことについてまで、小説家としての人生への示唆は多岐にわたって網羅されている。がんばったら3日で読めた。

     個人的な関心事は「この本で語られるアドバイスが、近代以降の日本の私小説にも当てはまるだろうか」という部分なのだが、私小説を書くことのコアに「目的を持つこと」「誰か他者にも伝えるべき情報であること」という要素があるのであれば、日本のシーンにも十分援用が可能であると判断する。

     座右の書として置いておくにはちとぶ厚すぎると思うが、いちど、自分

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    2022年08月15日
  • 読者に憐れみを

    Posted by ブクログ

    カート・ヴォネガットの元教え子で作家のスザンヌ・マッコーネルさんがまとめた、ヴォネガットが考える作家論、創作論。

    とても良くまとめてられていて、あらゆる角度からヴォネガットの発言を読み解いている。
    時代に合わない部分や、マッコーネルさんの考えに合わないところは、はっきりと著者の考えを述べているし、カートのダメな部分も敬意を持って正直に書かれていると感じた。
    また、カートに近い人なだけに偏りがないよう少し離れた目線でまとめられている。方法論についても教科書的な部分も多いので、カート・ヴォネガットのあの語り口を期待してしまうと、少し物足りないかもしれない。
    しかしカートはジョークが上手いので、本

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    2024年04月17日
  • 読者に憐れみを

    Posted by ブクログ

    ヴォネガットの弟子にして友人による、ヴォネガット流文章読本。とても長かったけど、詰まることなく楽しくすらすら読めました。作者と役者に感謝を。もちろん、ヴォネガットにも感謝を。彼がうつ病だったということが興味深いです。

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    2023年02月17日