リー・マッキンタイアのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読んだ。いや~~~~~~~よかった。読んでよかった。これは保守的な人たちや右派に腹立ててるリベラル左派の人こそ読むべき
陰謀論や科学否定論者に対して正しさは通じない。彼らにとって支持している陰謀論や科学を否定する言説はその人自身のアイデンティティと密接に結びついてるという。今まで生きてきた環境、生育歴、受けてきた教育、人間関係、職場の状況などなど。その人の人生と生活に根ざしたアイデンティティに関わる部分であるから、"正しさ”で説得しようとしても意味がなく、むしろ態度を硬化させてしまうという。こういった人たちにはどういう手立てを講じるべきかというと、何よりも大事なのは信頼関係である。そ -
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Posted by ブクログ
面白かった!
科学否定派の人たちに対して、どうすれば自分の考えを聞いてもらえるか、こちら側の意見に寄り添って改めてもらえるか。
自意識過剰なところも見えてしまうけれど、私は著者さんのイデオロギーに大賛成なので、ムカつくこともなく応援する気持ちで読めた。
最近、同じ境遇で信頼できると思っていた人たちのなかから、とんでもないデマに惑わされたと思われる方が出てきて、もう無理や、、となっていたところだったので余計に。
この本を読んで、相手に敬意を表し、決して怒らず責めず、意見を尊重し対話することが結局派1番の近道であること。人がその考えに至るには、個人の境遇や心の問題が大きく関係すること。
本当にそう -
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Posted by ブクログ
明らかに凝り固まった反対意見を持つ人に、どうしたら行動を変えてもらえて、自己効力感を持ってもらえるか。
この答えを探して手に取った本。
結論を一言ことでまとめると対話をすること。
明らかに間違っていたとしても、一方的に否定も反論もせず、相手の言い分をまず聞く。個人的な関係を気付いてから、中立的、客観的に議論すれば分かり合えるという主張だった。
全くその通りだが、まあなんとも難しいことだと感じた。でも目指してみたいとも思った。
科学的に考える時の、不確実性への態度の重要性について、随所に書かれていました。
著者の誠実性を感じられて好感が持てました。 -
Posted by ブクログ
科学 信じる 対極の発想。
でも全てを究明して深く考えられない。
対話が大切、とはいうものの、では
トランプとの対話も必要だろうか。
必要、というか可能だろうか、
そしてその優先順位はどうか。
左翼の非科学、遺伝子組み換えの話について、論理展開がうねうねしている。もっと簡潔にならないか。
筆者の対話で、遺伝子組み換えの大豆によりアジアの貧しい子どもは救われている。もし遺伝子組み換えを買わなければアジアの子どもを見殺しにする、と言っていたが、それは論理の飛躍ではないか。いや、正しいのかもしれない。
エアコンのボタンひとつで地球温暖化を促進しているとも言えるから。私がそこに違和感を持ってしまう -
Posted by ブクログ
心理学では陰謀論に関わってしまう人は、自尊心の肥大、ナルシシズム、低い自己肯定感などさまざまな原因に求めている。
その中でも、陰謀論とは動揺をもたらす大事件に直面した時の不安や制御不能感に対処するためのメカニズムであるという説が支持を集めている。
自分が体験した出来事に無力感を覚える時、私たちは対峙すべき敵を明確にしてくれる説明に引き寄せられる。
陰謀論的な思考に1番ハマりやすいのは「直感に従う」傾向がある人。
信念の形成において中心的な役割を果たしているのは、証拠ではなく、アイデンティティである。
科学への現実離れした期待により、懐疑論が生まれやすくなっている。
新しい仮説が真実になる -
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Posted by ブクログ
知的領域の生活保護みたいなもので、社会構造上、一定数存在するのが「カルト的科学否定論者」。私自身は「専門知の反作用」という言い方もするが、それはつまり、敢えてテクニカルタームを重層的に用いて効率化や権威化、言語の忠実度を上げる事が専門技術の完成度を高める一方で、そこに付いていけないアマチュアを生み出す反作用を生み出すのは必然だという意味である。
事態が身に降りかかる関心事である場合、理解が付いていけないなりにも脳はナラティブ化しようとする。その論理を集団化する事で世界線の違う「裏専門知」を構築する。それで裏集団は安心できるようになるのだが、これは、互いの専門知を信頼して日々を暮らす表の大衆層 -
Posted by ブクログ
科学否定論者。
地球は平面だ、ワクチンは悪だ、遺伝子組み換え食品は悪魔だ、温暖化は進んでいない。
それぞれを挙げて記事にしているが、それについての「データ」は示されていないので、まずそれぞれが科学的に正しいかどうかは自明として進んでいく。
こういう輩に、黙ってるのが一番ダメ、反論をしなければならないが、証拠を上げてもこういう奴らは全く聞きもしない。バカにわかるように話せというが、バカはそもそも聞いてないという、昨今よく見るフレーズがバッチリハマる。
そこは、アイデンティティに関わる問題だからというのが著者主張。
そうだろうな。自分の世界を壊されるくらいなら、事実をなんか見る必要がない。
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Posted by ブクログ
・反GMOの友人との議論は半GMOのほうが説得力がある。友人は食べて有害と言っているわけではなく「予防原則」に基づいて主張しているのに著者が聞き入れていないのは、首尾一貫していない。気候変動の予防原則とは方向が逆なだけなのだが。
・あとは気候変動対策の必要性を強調するわりに著者はモルジブまで飛行機で行ってカーボンクレジット払ったからそれで良しとしているし、自省が感じられない。
・自分は正しくて間違っている人とどう対応するかという上から目線を感じる。
How to Talk to a Science Denier:Conversations with Flat Earthers,Climate -
Posted by ブクログ
科学的エビデンスを信じない人たちと対話し、社会への悪影響を減らすための方策を探る話。
本書で取り上げられるのは、以下の人々。
・地球平面論者(フラットアーサー)
・地球温暖化を信じない人々
・反ワクチン
・反遺伝子組み換え食品
話として面白いのは、圧倒的にフラットアーサーの章。こんなトンデモをなぜ信じるのか理解し難いが、著者が対話したフラットアーサーのほぼ全員が、社会生活で何らかのトラウマを抱えていることが垣間見え、闇の深さを感じる。(ここはカルト宗教と同じ構造に見える)
あと、日本ではそれほど感じないが、アメリカでは左派・右派で分断が大きく、右派は反科学が多いみたいな論調で話が進むのも