木下長宏のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレゴッホの描いた自画像を軸に、ゴッホがかいた主に手紙を道案内としてその「絵」の内面を旅する...ガイド版...といったところだろうか?
自画像とはあるけれど中には風景かなども含まれている。
風景画が自画像か?と問いながら読み進むとそのキャンバスに書き込まれモチーフ一つ一つに意味があり、自己投影という事に行き着く...
素晴らしい解釈、洞察、そして時代背景...
自画像は時系列に沿って解釈されており、その裏付けはゴッホがテオに宛てた手紙が主であった。
こんなにも多くの自画像を残したのか...と驚く。
自己の内面に目を向け続けた画家なのか?とも思ったり。
ただゴッホの絵に興味を持ち何冊か読ん -
Posted by ブクログ
ゴッホがその生涯のなかでえがいた40点以上の自画像をカラー図版で紹介し、その解説をおこなっている本です。
本書で解説されているように、西洋絵画史のなかで自画像というジャンルが成立したのは、アルブレヒト・デューラー以降であり、そこには自己の内面を反省するという西洋近代に特有の精神史的背景が存在していました。ゴッホもまた、内省的な画家だったことはよく知られており、本書でも自画像を通してゴッホの自己へと屈曲する意識のありかたについて考察が展開されているのではないかと期待する読者も多いのではないかと思います。しかし著者は、パリ時代に集中的にえがかれたゴッホの自画像の変遷を通じて読みとることができるの -
Posted by ブクログ
ゴッホ展の前に参考図書2冊目。
ゴッホの描いた大量の自画像を元に、ゴッホについて探っていく。本書では自画像以前の時代、自画像の時代、自画像以降の時代と3区分されてゴッホの人生や精神世界を見ている。
自画像の時代には多くの自画像が載っているが、素人目に見ても初期と末期では描き方がまったく違うことがわかる。最初は茶褐色で暗くのっぺりした自画像から、ブルーが中心になり躍動感のある筆使いが特徴的な自画像に変貌していく。著者は精神世界を推察するというより背景の描き方やタッチについて各自画像を比較しながら語っている。
こんなにもある自画像は何のために描かれたのか?画家としての自己に目覚め、自分という存