アランワイズマンのレビュー一覧
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いやー、スゴい本だ!
てっきり人類がいなくなって1年後、10年後、100年後、世界はこうなってますよーって本かと思った(巻頭のイラストはそうなってる)。
もちろん、そういう記述はあるんだけど、この本は「人類が突然消えました」ってのをテーマに、筆者が好奇心のおもむくままに様々な分野を取材、調査する本なのだ。
だから、テーマと関係がなくても、ついつい筆がすべる。
カッパドキアの地下遺跡に教会や醸造所があったことなんて、テーマと直接関係ないだろ!
しかし、それが面白い。
読みすすめていくうちに「へー」って思う箇所がたくさん出てくる。
こっちの知的好奇心を刺激しまくり。
そして、筆者が言うように、未 -
Posted by ブクログ
アメリカのジャーナリスト「アラン・ワイズマン」のノンフィクション作品『人類が消えた世界(原題:The World without Us)』を読みました。
「人類消滅後―私たちの家や町は、地球はどうなるのか?」というキャッチコピーに惹きつけられ、壮大な未来予測を知りたくなって買っちゃいました。
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『TIME誌』が選ぶ2007年ベストノンフィクション第1位!
もしある日人類が忽然と消えたら、その後の地球には一体何が起きるのだろう。
地上を覆う人工物、自然、生命がたどる運命は?
私たちが環境に与えてきたダメージはどう癒えるのか?
そしてこの星が -
Posted by ブクログ
人類がある日突然地上から消えてしまったら、この世界はどうなるのか。後に残るものはあるのか。人類のいない世界は、自然が驚くべきスピードで回復し、豊穣な世界となると予測される一方で、人類が遺した危険なもの、放射性物質や、プラスチックや、石油コンビナートなど、が危険をもたらすかもしれない。そして、それら以外に、人類が消えても残るものはそう多くはないのかもしれない。突拍子もない思い付きのようで、ちょうど再放送をしている未来少年コナンの世界のような好奇心を満足させてくれて、かつ環境問題への警鐘としても優れている。それに、主をなくした街や家、それに石油コンビナートや地下鉄といった施設がどれだけ人の手で保守
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Posted by ブクログ
本書の内容をナショジオ・チャネルで取り上げていたのを
見たのが、本書を知ったきっかけ。
そして、松丸本舗に一時期本棚を出していたチンペイさん
の選書に入っていたのが、本書を購入したきっかけ。
もしある日この地球上から人間が消えたら、何が起きるかを
シミュレートしてみせたもの。これは紛れもない力作だ。
ジャンル分けすれば、ノンフィクションということになるん
だろう。でも、何か文学的なテイストも感じられて470ページ
という長さを飽きさせない。
考古学、生物学、人類学、環境学、建築学など幅広い分野に
またがった精力的な取材と著述は驚嘆もので、読み応えは
十分。
温暖 -
Posted by ブクログ
ある日突然、地球上から人類がいなくなったら地球はどうなるのか?
という問いに専門家の意見を中心に解答していくノンフィクション。
文庫で450ページ以上のボリュームがあり、
前半は人類誕生前の地球環境について解説している。
中盤から後半はかなりネガティブな内容となっていた。
文化的な人工物(建造物)は短期間に自然のなかでは跡形もなくなり、
数万年以上残る主なものとして、
・すべてのプラスチック
・停止した原子力発電所から放出される放射能
・ダイオキシンなどの化学物質
などが挙げられていた。
文化的なものでも残ると思われるものもあるものの、
ほとんどの人工物は跡形もなくなるという点の説明に終 -
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ネタバレ久しぶりに読み応えのある読書。未来を考えること=過去を学ぶこと=今を知ること。
以下、引用
●ナードルと呼ばれる小さな粒は、年間5500兆個、重量にして約1億1350万トンが生産されていた。ムーアはこの粒をどこでも見つけたが、それだけではなかった。クラゲやサルバー海中にきわめて多く生息し広く分布する濾過摂食動物ーの透明な体に取り込まれたこのプラスチック樹脂の粒をはっきり目にしたのである。海鳥と同じように、明るい色の粒を魚卵と取り違え、肌色の粒をオキアミと取り違えたのだ。いまやいったい何千兆個のプラスチック片が、ボディースクラブ材に配合され、大型生物の餌となる小型生物が飲み込みやすい大きさとな -
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「人類が消えた世界」3
著者 アラン・ワイズマン
訳 鬼澤忍
出版 ハヤカワ文庫
p462より引用
“ことわざにあるように、私たちは「命あっての物種」であり、
地球もまたしかりだ。”
あらゆる科学的データを元に、
今突然人類が地球上から消えた時、
どの様な変化が訪れるかを考察した一冊。
近代都市の建築物から大海まで、
その行く末を科学的根拠に基づいてシミュレートされており、
自分達の普段の生活について考えさせられます。
上記の引用は、
最後の章の冒頭の一文。
少しでも元気に長く生きる事が出来れば、
今問題になっている事が次々に解決される所を、
見る事が出来るのでしょうか?
出来ると思 -
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人類の存在が地球に与える負荷は計り知れない。本書は、ある日突然、全人類が姿を消した後、どれくらい経てば地球は人類出現以前の姿に戻れるのかを淡々と語ったノンフィクション。
農地や家畜は自然と同化するのに然程時間を必要としない。犬は人が居なくなれば絶滅するが、猫は野生化して生き延びる。建築物は持って数千年、いずれ来る氷河期までだろう。厄介なのは、プラスチックと核燃料。これらは気が遠くなるような時間をかけて土に還る。地球外へ発した電磁波は減衰して宇宙ノイズに紛れてしまう。人類が存在した痕跡を最も永く残せるものは、太陽系外へ旅立った惑星探査機だろう。
人が滅ぼしてしまった動物は元に戻らない。しかし