あらすじ
もし人類が忽然と消えたら、残された地球はどうなるのか。地上を覆う人工物、自然、生命が辿る運命は? 私たちが環境に与えたダメージはどう癒えるのか?そしてこの星が消滅した後も宇宙を漂い続ける、人類最後の痕跡とは? 綿密な実地調査と科学資料を元に放つ、類まれなる未来予測の書にして究極の環境本!
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Posted by ブクログ
もしある日突然地球から人間だけがいなくなったら...を様々な専門家が検証してくれる本。実際に人がいなくなった後の地域の話もあって現実味がわく。人間がいなくなったら..ニューヨークは数日で水没し、家屋が老朽化し倒壊、火災が発生する、人間が作り出した物はだいたい自然に朽ちていくけど微粒子のプラスチック片やタイヤ、ウランやプルトニウムは長い時間残る。残された生き物への影響は計り知れない
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いやー、スゴい本だ!
てっきり人類がいなくなって1年後、10年後、100年後、世界はこうなってますよーって本かと思った(巻頭のイラストはそうなってる)。
もちろん、そういう記述はあるんだけど、この本は「人類が突然消えました」ってのをテーマに、筆者が好奇心のおもむくままに様々な分野を取材、調査する本なのだ。
だから、テーマと関係がなくても、ついつい筆がすべる。
カッパドキアの地下遺跡に教会や醸造所があったことなんて、テーマと直接関係ないだろ!
しかし、それが面白い。
読みすすめていくうちに「へー」って思う箇所がたくさん出てくる。
こっちの知的好奇心を刺激しまくり。
そして、筆者が言うように、未来を知ることは現在、過去を知ることなのだということがわかる。
スゴい本だ!
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20090911購入。読み始める。
20091120ほとんど片道5分の電車の中だけで読み終える。生きているのがこわくなる。人間ってやはり罪深い。MOTTAINAIで生きていくしかないのかな。やっぱり、人口抑制かぁ。
Posted by ブクログ
アメリカのジャーナリスト「アラン・ワイズマン」のノンフィクション作品『人類が消えた世界(原題:The World without Us)』を読みました。
「人類消滅後―私たちの家や町は、地球はどうなるのか?」というキャッチコピーに惹きつけられ、壮大な未来予測を知りたくなって買っちゃいました。
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『TIME誌』が選ぶ2007年ベストノンフィクション第1位!
もしある日人類が忽然と消えたら、その後の地球には一体何が起きるのだろう。
地上を覆う人工物、自然、生命がたどる運命は?
私たちが環境に与えてきたダメージはどう癒えるのか?
そしてこの星が消滅した後も宇宙を漂い続ける、人類最後の痕跡とは……?
世界をまたにかけた実地調査と科学資料を駆使して放つ、類まれなる未来予測の書にして究極の環境本。
あなたの世界を見る目を変えるベストセラー・ノンフィクション、待望の文庫化。
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忽然と人類が消え去ったら、地球はどうなるのか?というテーマに、最新の科学的知見等から挑戦したSFっぽさを感じさせる作品… 人による環境破壊について課題提起されていて、考えさせられる部分が多かったですね。
■はじめに サルの公案
■第1部
1.エデンの園の残り香
2.自然に侵略される家
3.人類が消えた街
4.人類誕生直前の世界
5.消えた珍獣たち
6.アフリカのパラドクス
■第2部
7.崩れゆくもの
8.持ちこたえるもの
9.プラスチックは永遠なり
10.世界最大級の石油化学工業地帯
11.二つのイングランドに見る農地
■第3部
12.古代と現代の世界七不思議がたどる運命
13.戦争のない世界
14.摩天楼が消えた空を渡る鳥
15.放射能を帯びた遺産
16.大地に刻まれた歴史
■第4部
17.ホモ・サピエンスは絶滅するのか?
18.時を超える芸術
19.海のゆりかご
■おわりに 私たちの地球、私たちの魂
■訳者あとがき
もし、人類が忽然と姿を消したら、世界各地ではいったい何が起こるのか… 住人を失った家は、その時点から腐りはじめ、100年後には煙突のレンガなどを除く屋根や壁のほとんどは崩れ落ち、高層ビルを擁する大都市もまた、地下への浸水から崩壊、、、
そして、人類なきあとにはどんな動物たちが地上を闊歩するのか… イヌはもはや人間なくしては生きられないが、ネコは小動物を狩りながら自由を満喫し、アフリカで人間の後釜に座るのはヒヒかもしれない。
人間が残したいと思う文化的生産物は、銅像などを除けば、ほとんどが数万年のうちに跡形もなく消え去るが、プラスティック粒子、放射性物質などはその後も地球の環境に大きな影響を及ぼし続けるだろう… また、テレビ番組の電波は宇宙空間を永遠にさまよい続け、どこかの生命体の退屈を紛らせるかもしれない、、、
ニューヨークからパナマ運河、朝鮮半島まで世界中をフィールドに、最新の科学的知見にもとづき、人間の営みを多角的に見つめなおして描き上げる驚愕の未来予測でしたね。
そんな、数々のエピソードの中で印象に残ったのは、海中に漂い、海洋生物の体内に摂取されつつある大量のプラスティック粒子をテーマにした『9.プラスチックは永遠なり』と、永年に亘って影響を及ぼし続ける放射性物質をテーマにした『15.放射能を帯びた遺産』、、、
海洋生物に摂取されたプラスティック粒子は、食物連鎖で、その濃度はどんどん濃くなり、食物連鎖の頂点にたつ人間の食卓に並んでいるんですよね、きっと… そして、放射能は目に見えないまま、影響を与え続けているんですよね、未来というよりも、現代社会に警笛を鳴らす作品でしたね。
微力ながら、何かできることはないのか… と、考えるきっかけになりました。
Posted by ブクログ
人類がある日突然地上から消えてしまったら、この世界はどうなるのか。後に残るものはあるのか。人類のいない世界は、自然が驚くべきスピードで回復し、豊穣な世界となると予測される一方で、人類が遺した危険なもの、放射性物質や、プラスチックや、石油コンビナートなど、が危険をもたらすかもしれない。そして、それら以外に、人類が消えても残るものはそう多くはないのかもしれない。突拍子もない思い付きのようで、ちょうど再放送をしている未来少年コナンの世界のような好奇心を満足させてくれて、かつ環境問題への警鐘としても優れている。それに、主をなくした街や家、それに石油コンビナートや地下鉄といった施設がどれだけ人の手で保守されている、まさに守られているのかもわかる、一粒で何度も美味しい一冊だと思う。
Posted by ブクログ
本書の内容をナショジオ・チャネルで取り上げていたのを
見たのが、本書を知ったきっかけ。
そして、松丸本舗に一時期本棚を出していたチンペイさん
の選書に入っていたのが、本書を購入したきっかけ。
もしある日この地球上から人間が消えたら、何が起きるかを
シミュレートしてみせたもの。これは紛れもない力作だ。
ジャンル分けすれば、ノンフィクションということになるん
だろう。でも、何か文学的なテイストも感じられて470ページ
という長さを飽きさせない。
考古学、生物学、人類学、環境学、建築学など幅広い分野に
またがった精力的な取材と著述は驚嘆もので、読み応えは
十分。
温暖化ばかりがクローズアップされているが、それは数ある
問題の一つにすぎず、実は人類はあらゆる面でこの星を相当
傷めつけているということが重く残った。
ワタシはもうスクラブ入り洗顔フォームは使わない。
Posted by ブクログ
ある日突然、地球上から人類がいなくなったら地球はどうなるのか?
という問いに専門家の意見を中心に解答していくノンフィクション。
文庫で450ページ以上のボリュームがあり、
前半は人類誕生前の地球環境について解説している。
中盤から後半はかなりネガティブな内容となっていた。
文化的な人工物(建造物)は短期間に自然のなかでは跡形もなくなり、
数万年以上残る主なものとして、
・すべてのプラスチック
・停止した原子力発電所から放出される放射能
・ダイオキシンなどの化学物質
などが挙げられていた。
文化的なものでも残ると思われるものもあるものの、
ほとんどの人工物は跡形もなくなるという点の説明に終始納得させられた。
人類が今後も生きながらえるためには、
人口の爆発的な増加が抑えられるかどうかの重要さを再確認。
Posted by ブクログ
久しぶりに読み応えのある読書。未来を考えること=過去を学ぶこと=今を知ること。
以下、引用
●ナードルと呼ばれる小さな粒は、年間5500兆個、重量にして約1億1350万トンが生産されていた。ムーアはこの粒をどこでも見つけたが、それだけではなかった。クラゲやサルバー海中にきわめて多く生息し広く分布する濾過摂食動物ーの透明な体に取り込まれたこのプラスチック樹脂の粒をはっきり目にしたのである。海鳥と同じように、明るい色の粒を魚卵と取り違え、肌色の粒をオキアミと取り違えたのだ。いまやいったい何千兆個のプラスチック片が、ボディースクラブ材に配合され、大型生物の餌となる小型生物が飲み込みやすい大きさとなって海へ流されているのか、見当もつかない。
●チェルノブイリのハタネズミに関するそのほかの研究でも、このげっ歯目動物もツバメと同様に、ほかの土地に生息する同じ種より短命だとわかった。それでも、性的成長と出産を早めて埋め合わせをしているらしく、生息数は減少していない。
●現時点で、人間が地上から忽然と姿を消したとしたら、世界はどう変わっていくだろうか、と。この問題を考えることによって、人間が地球に対してどれほど負荷をかけているのか、地球は今後どんな運命をたどるのかについて、多くのヒントが得られるのではないだろうか。本書の著者であるアラン・ワイズマンは、そう語りかける。
Posted by ブクログ
環境読本。
ここまで読むのに時間かかった本、久しぶり。
見知らぬ土地、見知らぬ用語が次々に出てきて中々文章を脳内でイメージに置き換えられず苦戦。合間に出てくる絶滅動物にいちいち興味が湧いてネットでググっては「へえ~こんなんいたんだ」と想いを馳せる繰り返し。
Posted by ブクログ
人類が進化した結果、地球に及ぼしてきた影響を、もし人類がいなくなったらという仮定の下、逆説的に想像し検証していこうという試みの作品である。自然の回復力、共生や連鎖のバランスなど人類以前に備わっていた仕組みは容易に想像できるが、自然界になく人工的に作り出してきたものの行く末には、人智を超えた新種のバクテリア等の出現による分解可能性が示唆されている。ここでの思索は、地球外環境での生命体のあり様にも繋がるものがある。
Posted by ブクログ
多くの知的好奇心を満たしてくれる一冊。
人類がいなくなった世界はどのように自然に還っていき、人類の痕跡としてどのようなものが残るのかを色々な目線から追っている。
しかし読み終えるまで長かった…自分には少し難しかったため、疲れているときに読むとすぐに文章に集中できなくなってしまう。
今まで不思議に思っていた答えはすべて複雑なものなのだなと思う。
ボイジャー1号は最近太陽系を脱出したらしい。その先にいるかもしれない知的生命体に人類の痕跡を伝える為に人類が滅亡してもひとり飛び続けるというのはなんと壮大で寂しいことだろうと感じた。
Posted by ブクログ
人類が消えたら世界がどう変化するか。人類が蔓延る前の姿に世界が戻るのかを環境問題と歴史を絡めて検証したノンフィクション。ナルシズムに酔った感が拭えないが(人がいなくなって悲しいのは人)、読むにはいいタイミングだった。
Posted by ブクログ
「人類が消えた世界」3
著者 アラン・ワイズマン
訳 鬼澤忍
出版 ハヤカワ文庫
p462より引用
“ことわざにあるように、私たちは「命あっての物種」であり、
地球もまたしかりだ。”
あらゆる科学的データを元に、
今突然人類が地球上から消えた時、
どの様な変化が訪れるかを考察した一冊。
近代都市の建築物から大海まで、
その行く末を科学的根拠に基づいてシミュレートされており、
自分達の普段の生活について考えさせられます。
上記の引用は、
最後の章の冒頭の一文。
少しでも元気に長く生きる事が出来れば、
今問題になっている事が次々に解決される所を、
見る事が出来るのでしょうか?
出来ると思いながら出ないと、
気分が滅入ってしまいそうな現状だとは思いますが。
想像をめぐらせるのが好きな方に。
ーーーーー
Posted by ブクログ
人類の存在が地球に与える負荷は計り知れない。本書は、ある日突然、全人類が姿を消した後、どれくらい経てば地球は人類出現以前の姿に戻れるのかを淡々と語ったノンフィクション。
農地や家畜は自然と同化するのに然程時間を必要としない。犬は人が居なくなれば絶滅するが、猫は野生化して生き延びる。建築物は持って数千年、いずれ来る氷河期までだろう。厄介なのは、プラスチックと核燃料。これらは気が遠くなるような時間をかけて土に還る。地球外へ発した電磁波は減衰して宇宙ノイズに紛れてしまう。人類が存在した痕跡を最も永く残せるものは、太陽系外へ旅立った惑星探査機だろう。
人が滅ぼしてしまった動物は元に戻らない。しかし、生物は幾度も大量絶滅に遭い、その度に進化してきた。厳しい環境下を生き延びた種だけが新しい世界を築ける。人の手によって絶滅した種は、遅かれ早かれ消える運命だったのかもしれない。また、いつか滅びるのは人類にも言える。どれだけ科学が発達しても避けられない。どうせ、50億年後、膨張した太陽に飲み込まれて地球は消滅するのだから。