若宮總のレビュー一覧
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謎だった女性のベールへの感覚がわかった気がする。
かなり昔に読んだイスラム文化の本で、女性はベールを被ることで守られていると考え有り難がっていると学んでいたけど、全く違った。
オンライン授業ではラフな部屋着の上にベールだけ被るとか、就活などのポイント稼ぎの道具になってしまっているなど、ベールのリアルが知れておもしろかった。
印象的だったのは、イラン国民の多くがイスラム体制に不満を持ち、イラン政府と国民の間に大きな温度差があること。
国民はロシアと中国へ親しみなどなく、王政復興や陰謀論を支持したり、外国人からイランは酷い国だと言ってもらえないと機嫌が悪くなる。
政教一致の国では、政治が信用を失 -
Posted by ブクログ
ニュースでは、ハメネイ師のような宗教指導者や国家のトップの発言・行動が強調されがちで、それによってイランという国全体のイメージを単純化して捉えていたことに気づかされた。しかし本書を通じて見えてきたのは、パーティーやおしゃべりが大好きで、イスラム体制に不満を抱きながらも自らの信念を貫き、抜け道を探しながらたくましく生きる、複雑で多様なイラン国民の姿であった。
本書では多くのイラン国民が現在のイスラム体制に不満を持っていることが書かれていたが、ハメネイ氏が殺害され、トランプがイラン国民に蜂起を呼び掛けたにもかかわらず、なぜ大規模な反体制クーデターが起こらなかったのかという点についても考えさせられた -
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2026年3月の現在アメリカによるイラン攻撃が行われているが、攻撃の当初イランのハメネイ氏の殺害され、喜んでいる市民の姿をネットで見たが、アメリカが当初想定した様には反革命は進まず、一体イランはどうなっているのか知りたくて本書を読んだ。
イランの政治情勢、国民性などが非常によくわかる本である。著者の若宮さんはペンネームであるが、長年イランに居住し、多くのイラン人と交友している人のようである。
1.多くのイラン人はホメイニ氏のイラン革命を支持してたわけではない。
2.政府に追従する勢力とそうでない勢力、そして熱心なイスラム教徒とさほど熱心ではない人々という四分法はわかりやすかった。
現在の政権を -
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イラン・イスラム共和国。アジア中東地域にあるイスラム教国家であり、シーア派の国だ。人口9000万人以上を抱え、石油の埋蔵量も世界有数、かつてはGDPもかなり上位にあった印象だが、現在は45位前後にある。近年のGDP順位低下の大きな要因は勿論核開発疑惑に揺れる経済制裁が原因であるが、莫大な石油資源を抱えパフラヴィー王朝時代には劇的な人口増加と経済発展を成し遂げた過去もあり、中東地域で最も強烈なポテンシャルを持つ国ではないだろうか。そんなイランが親日国である事はよく知られているが、かつてはイランの対外輸出のトップには日本の名があがり、2019年5月までは日本の石油輸入先の上位にあった。現状はイラン
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「本当に目から鱗が落ちまくり」
本の帯にある推薦文に嘘偽りなし!であった。
新しい知識の習得、そしてそこから自分の持っていた先入観をあらため、世界観を深化させるという、本来書物が持っている効能をしっかりと感じることができた。
おそらく名前は当然のように知っていても、イランという国に行ったことがある人やどんな国なのかをよく知る人は少ないだろう。もちろん私もその1人で、何となくのイメージのみで考えていた。
だが本書を通じて、国の成り立ち、民族や宗教、隣国との関係、文化といった様々なことを知るにつけ、私の持っていた凝り固まったイメージはあっという間に解きほぐされ、どこか縁遠い世界であったイランに興 -
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我々日本人にとって馴染みのないイランが手に取るように分かる。
馴染みがないからこそ知らないことが多くて、読んでいてワクワクした!内容を思い返してみればシリアス寄りだったんだけど、イラン愛が強い著者の語りが面白くて、ワクワクの方が優っていたかな。日本人にイランを知ってもらおうとする著者の努力も沢山伺えたし。
そ!し!て!解説には高野秀行氏!!著者自身、学生時代から氏の大ファンだったみたいで、道理で同じ匂いがしたわけだ…!ちなみに高野氏は、本書執筆における影の功労者でもある。
まず念頭に置かねばならないのが、著者および彼がインタビューしたイラン人たちは皆仮名だということ。
イスラム体制下の検閲シ -
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「本当に目から鱗が落ちまくり。このイラン観は唯一無二だ」高野秀行氏、熱烈推薦・解説。
国民は脱法行為のプロばかり!?強権体制下の庶民の生存戦略を、長年イランの一般社会で暮らしてきた著者が赤裸々に明かす!
だいぶ前に何かで見て読みたいと思い購入していたものの、ようやく読み終えたらアメリカとイスラエルがイランを攻撃したというニュースが入ってきて、嫌な意味でタイムリーになってしまった。全然知識がない状態からスタートしたので知らないことが多くて、やっぱり実際に国の中で生きている人からの話を聞くって大事だなと思いました。イスラム教に嫌気がさしてしまうのは理解できるけれど、そこから禅やキリスト教にいく人も -
Posted by ブクログ
最近、『聖なるイチジクの種』『君は行く先を知らない』『熊は、いない / ノーベアーズ』など良質のイラン映画を観た。そしてイランの独特で悲惨でむちゃくちゃな現状を知り興味を持った。
本書は歴史書や学校の授業のような堅苦しさがなく、庶民の生活に密着した知識が満載でよかった。
イラン人は超親日家らしい。
「タアーロフ」という慣用的やりとりがおもしろい。ペルシア語には挨拶への「お返しの表現」として誇張的な謙遜の定型表現の種類が無数にあり、これを使いこなすと通認定されるらしい。
例)
とても美味しかったです → (食べたものが)あなたの命の糧となりますように
お手数をおかけします → あなたに命を捧げ