ジェイミー・フィオーレ・ヒギンズのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
イタリア系移民の3世に当たる著者が、ソーシャルワーカーになる夢をあきらめゴールドマンサックスに就職するプロセスは、重度の脊椎側弯症だった過去(1人前と見られない事への反発)と貧しい生活から這い上がってきた両親のハングリーさに所以している過程がよくわかり、入社後の会社に順応し評価される結果ととなりつつも本来の著者のキャラとの乖離が大きくなっていたことの限界点が退社へとつながったことを予見させる。
時代的には1998年の入社から2016年の退社まで。
前半は著者のサクセスストーリー(GSに入社した当初の豪華な世界と想定以上の高額な報酬、結婚)にGSにおける女性蔑視や白人男性優先の社風に戸惑いながら -
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Posted by ブクログ
世界最強の投資銀行「ゴールドマンサックス」の内情を描いた暴露本。未だに女性蔑視や人種差別が蔓延るWASP系マッチョマンたちのなかで、18年間勤めてMDまで上り詰めた著者。
本書は「シスター・ジェイミーの告発」という形式をとっているが、P144やP162、P212、ピートとの最後のやり取りを読むと著者だけ純真でまともな感覚とは言い難く、毎年億円単位の稼ぎが足りないのに人生計画に足りない理由は不明瞭なので、「自己正当化」や「懺悔」として捉えたほうがよさそうだ。
いずれにせよ等身大の女性の生き様と感情の吐露、それに対する剥き身の欲望が渦巻く虚像の巨大な組織との対比は、GSの異常性を浮き彫りにする。映 -
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Posted by ブクログ
吐き気がするような本だ。女性蔑視とかそういうものだけではない、流産、ひどい言葉、それでも這いつくばって従って、お金をもらい続ける。それがゴールドマンだとすれば、やっぱりGSをやめた人たちが、懺悔のような本を書いてばかりいるのもわかる気がするし、皆面白がってそれを読む。
ボーイズクラブで、どんどん関係性を作っていく中で、そこからはみ出したら、出世に響く。こういう思考は、全くない、、、とは言えないのだろうか。経営者が、そこを気にしているのではなく、パフォーマンスを見て、人となりを知らないとMDに上げていくことはできないということなんだろうと思う。それがない、足りないと思っている人にとって、憎い -
Posted by ブクログ
読む前は、興味深くてきっとあっという間に読み終わっちゃうだろうな、と期待していたが、著者のストーリーテリングがあんまりうまくないからか、あるいはご本人の魅力がやや薄なせいか、けっこう時間がかかってしまった。
と言いつつ、けっこう驚いたなぁ。
アメリカの金融業界がここまでマッチョだとは・・・
職場の男どものふるまいは、完全にアメリカの学園ものドラマで見るいじめっこ達そのもの。
でも、もっと驚いたのは、GSにはオフィスに「搾乳室」なるものがあること。授乳じゃなくて搾乳。そして、そんな驚きのお部屋がせっかくあるというのに、それを使わせてもらえないこと!
もう訳わからん。
私も転勤族なおかげで無 -
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Posted by ブクログ
登場人物がみんな嫌なやつで、勧善懲悪的カタルシスがあるわけでもない(あればいいというわけでもないが)ので、読むのはしんどい。
自由のためのスプレッドシートがうんぬん、と言っているが、おそらく多くの人は「そこまで多額のお金を稼がなくてもやっていけるのでは?なぜそこまで辛い想いをし続けているのだろうか?」と思うのではなかろうか。
まあおそらく、著者も、ゴールドマンの風土を改善すべきだという啓発のために書いているのであって、本当に全人格的にゴールドマンサックスというか自分の働いていた場所、組織を否定するつもりではないのだろうと思う。
そこらへんのニュアンスは、普通に「ひどい職場で嫌な目にあってきた人 -
Posted by ブクログ
タイトルもさることながら、名前は知ってても実態はほぼ知らないゴールドマンサックスの名前で興味持ち、読んでみた。
端的に、凄まじい本だった。 これだけ読んでるとこの会社は、アメリカの悪いところが濃縮された会社と感じてしまう。著者がマネージングディレクターまで上り詰めたからこそ、上にも下にも酷い奴らがいるし、そしてそんな奴らとつるむような顧客がいて需要と供給の関係が成り立つのかなと。
一方、周りやシステムの悪さに不快感を感じつつ、なかなか会社を辞める決心がつかず、不倫に走りそうになったり家庭が崩壊しかけていく様も赤裸々に綴られている。この点も本書のリアリティを高めていると感じる。
今回はゴー