不器用でやわらかくて、優しい。これはまるで作者さん本人の実話なのでは、というくらいナチュラルに飛び込んできます。 ヒロインの奏音ちゃんの傷ついた心に、優しく入り込んできた芹羽くん。二人ともとっても不器用だし、だけど本音はとっても優しい気づかいさん同志。 それが読んでいて全編通して温かな空気を醸し出してるから、感情移入のまま最後まで読み切る。 ただ不思議なことに、その感情移入は他の登場人物一人一人二も「わかる、気持ちはわかる」と自然に思わせられるのは、作者さんの腕だと思います。 心が温かくなる読後感です。