今井悠介のレビュー一覧
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まず著者の真っ直ぐな姿勢に感動した。
体験ゼロ(地域イベントにすら参加できない)子供たち、そしてその親たちをどうにか救おうと現状調査から対策までびっちり書かれている。
私としても、自分が恵まれていることを自覚しているからこそ、読みたかった内容。本屋で見た時は、すぐ「知らないといけない」という衝動に駆られた。
実際内容を見ると想像していたよりかなり過酷。
経済的理由だけでなく、送迎・付き添いがでっkない問題。
体験ゼロで育った大人たちの苦悩も描写されている。
著者が言うように、体験の価値=必需品だと私も思う。『DIE WITH ZERO』という私のお気に入り本にもあるように、結局人は辛い時 -
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スポーツや習い事の体験に格差がある、という子供からの視点で問題提起した新書。
しかし、要は親の貧困格差の問題。
出産、夫の裏切り、離婚、お金を入れず女性が非正規でぎりぎりの生活、、
その中で子供はやりたいことを我慢。
だから女性も正規の仕事を持つべき、という社会になる。
どこかの政党が理想とする専業主婦家庭などありえない世の中。
私はこの新書、別の視点で読んだ。
著者自身も提起していた、親の体験経験の差が子供に影響すると。金の問題以外で。
振り返ると私もあまり体験はさせてもらえなかった。
自営業で、決して貧しい家庭ではなかったが、金には厳しかった。
妹はピアノを習っていたが、小学校で通ったの -
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教育格差と比べると軽視されがちな、体験格差について書かれた本。
個人的にタメになった点は3つ。
1つ目は、体験格差は親による要因が大きいということ。
親世代の金銭状況や、体験を軽視をする考え方が、子供の体験経験の少なさに繋がるというのを再確認できた。
昨今、昔よりも学歴や教養が重要視されている中、金銭的に余裕のある家庭は、子供の習い事や塾にこれでもかとお金を注ぎ込み力を入れている。それに対し、困窮している家庭では、やらせてあげたくてもできないといったことが往々にして起こっている。どんな子供もやりたいことをやれる、格差をなくすには一筋縄ではいかないようだ。
2つ目は、片親やハンデを持つ家庭の -
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親の収入いかんにより体験格差が現れるというのが骨子。各々の体験談が読んでいて興味深い。世にいう氷河期世代の子ども時代は日本も上向きだったので体験機会が多い、というより人口が多かった最後の世代だから体験環境も整いやすかったと見られる。日本が落魄してからその世代が子供達に体験を与える収入が減り…という事だろう。サッカーをさせてあげられない母親の話からすると納得はできる。ただ、全部が頷ける話でもない。習い事が出来なくなったのはそうだろうが、代理体験とか工夫といったものがあるだろう。もちろん選択肢が多い方が望ましいが。寧ろ昨今だと動画を視聴する事で体験した気になり体験意欲が減る(実際にあるかは分からん
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ありがたいことに私の両親は、習い事や旅行など、数々の「体験」を与えてくれた。習い事の中には夢中になれなかったものもあるけど(ピアノとか)、それでも何かしらのかたちで自分の糧になっている。
「体験格差」の実態にショックを受けながらも、両親から最高のプレゼントを貰っていたことに、今更ながら感謝する読書となった。
ここで言う「体験」とは、主に子どもたちが放課後に習う習い事やクラブ活動、週末・長期休みに参加するキャンプや旅行、お祭りなど地域での様々な行事、スポーツ観戦や芸術鑑賞、博物館や動物園といった社会教育施設でのアクティビティなどを指す。(まえがきより引用)
私の周りでも、水泳や英語教室など -
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スマートニュースでよく見ていた記事だったので、興味を持ちました。
体験格差は非常に重要な問題なのはわかりました。ただ、昔より選択肢が増えてそれを職業化するとコストは増えて。基本的に日本は奉仕活動として行なってきた部分が大多数で、自治会などやる意味がない→外注→コスト上がるって感じですかね。でも昔のように助け合う近所の関係でもないのも確か。自治会で本当に無料に近いイベントやっても大して子供は集まらないし。
我が家も普通の共働き家庭なので、やりたいものをなんでもさせてあげることは経済的にも時間的にもできないし。それでもなんとか楽しく成長できれば、と思います。 -
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【なぜ】子供の体験を大切にしたいなと思っていたため。
【ここだけ】
体験が、子供の将来の壁を乗り越えるのに一役買うかもしれないこと。これを信じて与えて続けよう。そして、いつ辞めたっていいと言ってあげられる親でありたい。(ただし、辞めたいが自分の本心なのかはしっかりと確かめた上で)
【感想】
まずは、想像とは違う視点(収入の違い)での体験格差だった。地方と都会の差、もう少し言うと体験=自然体験のことを勝手に妄想してた。
普段感じられない、考えつかない視点で世界を見ることができた。これが読書の価値だ
【メモ】
・北海道旅行に行った際、全国的にあるお店へ行きたがる。これは体験したことがないがた -
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少し前に巷で話題だった本。
親という立場上気になるトピックである。読む前は経済格差との相関で、体験の多寡に着目しているという浅い推測でしたが、その他にも学びが多い。
特に、課外活動への親による貢献が必須という事態が足かせとなっている点。送迎、活動中の同伴といった内容が、生活に問題を抱えている親には想像以上の負担となっている。これに対する一つの解決策を、著者は「コーディネーター」に期待を寄せている。それぞれの家庭・子どもたちに合った体験と提供場所を結びつける役割。
繋がりを発現させるという点では、矢田 明子さんの株式会社CNCの「コミュニティーナース」という取り組みが目指す目標になるのではない -
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調査結果とインタビューの構成。大変、趣深いテーマではあったが、読み物としては味気ない感がした。
全体的には、低所得層の親の子どもは、中から高所得層の親の子どもに比べて「体験」いわゆる習い事などの経験が圧倒的に足りていないということを言いたいようだ。負の連載というか、低所得層の親で育った子どもは将来も非認知能力を養うことができなく、結局は自分の子どもに対しても同じ教育をしてしまうという印象を持ってしまう。ただ、これは事実の側面はある一方で、結局は個々の事情によると考えている。
自分が体験できなかったからこそ、子どもにはさせないという親も多数いるはず。 -
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タイトルが気になって読んだ。
体験が如何に重要か、どんな体験を子供にさせるべきか、みたいな子育てに対するアドバイス的な話が主体かと思っていたが違った。
体験格差は収入だけに起因するものではない。送迎などの親の時間の確保が出来ないことや、そもそも体験が必要と感じていない意識の差などが原因としてあるのは納得。本の中では時間の確保ができないパターンとしてシングルマザーの例があったが、我が家の場合共働きで両家実家は遠方のため頼れる身内もおらず放課後の習い事をさせたくても送迎する大人がいない。このパターンも結構多いのでは。話は逸れるが女性の社会進出と育児の両立については本当に悩むし共働きでなければ収入が -
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子どもの体験格差がこれほど顕著に広がっていることに驚いた。自然に触れる・異なる年齢の人と関わるなどなるべく体験を多くさせることはどの親も感じているだろう。
しかし、経済的な理由から体験をさせてあげられない。もちろん、体験にかかる費用を安くしたりなど、運営側が配慮する部分もある。ただ、世帯の所得に関わる改善もしていくべきだと考えた。行政からの支援金などでなんとか自由に使えるお金を捻出している家庭もある。
たかが体験に政府や行政が手厚くサポートするのは無駄な歳出になるのではという考えもあるだろう。それでも少しは支援の手を伸ばす必要があるのではないのか。