アメリカの生物学者がロシアの沿岸部でシマフクロウの研究をする苦労話。フクロウとしては最も大きく、魚を主食とする。日本では北海道に生息するということで、ロシアでもかなり寒く、冬は雪に閉ざされる地域での活動。その雪深い冬こそ、足跡などの痕跡も見つけやすく、研究に適した時期でもある。困難なことばかりのはずなのに、ところどころユーモラスな話もあって楽しそう。少し前に読んだ『バッタを倒しにアフリカへ』を思い出した。アフリカで研究する日本人と、ロシアで研究するアメリカ人。対象も手法も違うけれど、研究の結果を環境保護に活かすという目的は同じ。