河内将芳のレビュー一覧
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祇園祭はTV映像しか見たことはなく、これまで特別の関心はなかったのだが、法蔵館文庫入りした本書を手にとった次第。
本書の対象とするのは、主として室町時代後期、戦国時代にかけての祇園祭のあり様なのだが、史料上の制約でこれ以上は分からないとの言が何度か出てくるものの、逆にここまで分かるのかと感じ入った次第。さすが都京都の祭。公家の日記や寺社の史料に記述が残されていて、ある程度まで復元ができる。
ところで、祇園祭というと、"権力に抵抗する民衆の祭礼"とのイメージがあると著者は言う。どのようにして、そのイメージは作られていったのか、そして本当にそうだったのだろうか。これが本 -
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応仁・文明の乱以降、戦乱の巷と化した京都というイメージで語られてきたことが実際どうであったのか、著者は、信長の見た京都という視点から掘り下げていく。
特に、第二章の「自衛・自治する町と町人」は、社会集団、共同体としての町、町組、惣町の成立、関係等について具体的に説明されており、大変参考になった。両側町の成り立ちなども、碁盤目状の都市だからこそなのかと、腑に落ちた次第である。
都である京都が平安京としてできて以降、実はかなり変貌を遂げ、現在の京都になっている、その時間的経過と都市景観の変化を主題としている一般書を最近何冊か読んでー本書もその一冊となるがー、実際、京都に行って、自分の眼で