河内将芳のレビュー一覧

  • 改訂 祇園祭と戦国京都

    Posted by ブクログ

     祇園祭はTV映像しか見たことはなく、これまで特別の関心はなかったのだが、法蔵館文庫入りした本書を手にとった次第。
     本書の対象とするのは、主として室町時代後期、戦国時代にかけての祇園祭のあり様なのだが、史料上の制約でこれ以上は分からないとの言が何度か出てくるものの、逆にここまで分かるのかと感じ入った次第。さすが都京都の祭。公家の日記や寺社の史料に記述が残されていて、ある程度まで復元ができる。

     ところで、祇園祭というと、"権力に抵抗する民衆の祭礼"とのイメージがあると著者は言う。どのようにして、そのイメージは作られていったのか、そして本当にそうだったのだろうか。これが本書のテーマとなる。

     1953年に祇園祭に関する2冊の書物が刊行された。1冊は、論文「町衆の成立」等がおさめられた林屋辰三郎氏の『中世文化の基調』、もう1冊は民科京都支部歴史部会作成の紙芝居を書籍化した『祇園祭』。紙芝居では、権力側の横暴から祇園祭を守り抜こうとする京の町人の姿、団結力が高らかに謳われる。戦後歴史学徒が関わった国民的歴史学運動の一環としての活動であった。そしてさらに、祇園祭は小説、映画と新たな媒体に描かれ、イメージが広がりを見せていく。

     このような権力対民衆という構図は本当だったのだろうか?応仁・文明の乱以降の有り様を、著者は史料に即して明らかにしていく。

     祇園祭の実施年や時期を丹念に追いかけて、幕府や延暦寺大衆の関わり、神輿渡御、山鉾の担い手、経費負担の問題等の実際を、少しずつ明らかにしていく。
     その結果、明らかになったことは‥‥

     著者によれば、現代の祇園祭は中世期とは行路等だいぶ変わったものらしいが、是非直接に見てみたいものだ。
     
     

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    2021年08月09日
  • 信長が見た戦国京都―城塞に囲まれた異貌の都ー

    Posted by ブクログ

     応仁・文明の乱以降、戦乱の巷と化した京都というイメージで語られてきたことが実際どうであったのか、著者は、信長の見た京都という視点から掘り下げていく。

     特に、第二章の「自衛・自治する町と町人」は、社会集団、共同体としての町、町組、惣町の成立、関係等について具体的に説明されており、大変参考になった。両側町の成り立ちなども、碁盤目状の都市だからこそなのかと、腑に落ちた次第である。

     都である京都が平安京としてできて以降、実はかなり変貌を遂げ、現在の京都になっている、その時間的経過と都市景観の変化を主題としている一般書を最近何冊か読んでー本書もその一冊となるがー、実際、京都に行って、自分の眼で確認してみたいと切望している。


     本書の元版は洋泉社歴史新書yである。今はなきかつてのラインナップを見て、現在の自分の関心にドンピシャで、今読めたらなあと思うこと頻りであるが、こうして新たな形で読む機会が得られて、感謝の念で一杯である。


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    2020年09月16日