河野與一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
かなり前に古本屋でこのタイトルかっけーみたいなノリで買ったんだけど(ちゃんと当時の岩波の帯もついてる!)寝かせに寝かせて今読みました。たぶん抵抗文学は初めて読むかもしれない。
海の沈黙を読んだ時に、切ない最後だが最後に姪がご機嫌ようと返事をしたところで少しは彼の光になったのではないかと思った。
星への歩みはわたしにとっては少し難解で、一度読んでえ??と思い再度読んだらやっぱりそうでとてもとても悲しかった。星への歩みってそういうことかー。
悲しいにしても、対照的な2作品だと思った。
わたしは日本人だし西洋人の感性を持ち合わせていないのできっと読み取れていない情報や意味が沢山あるのだろうとは思 -
Posted by ブクログ
海の沈黙
静謐な物語。
重く垂れ下がった空気が存在する。
そして、かぎりない 沈黙が。
ドイツ人将校が、私の家にやって来た。
そして 2階に住むようになった。
寒い夜に 暖炉にあたりに来た。
蜂の羽音のような声で、いろいろ語った。
かれは 作曲家で フランスが好きだった。
しかし、私と姪はひとことも 語ることはなかった。
ドイツ人将校は マクベスを読んだ。
『支配を受けているものは恐怖に従うだけで、愛には従わなくなっている。』
そして、将校は パリにいき ドイツ人たちと話をして来た。
かれらは フランスを叩き潰す つもりだった。
そんな使命を 受けていた。
そして、ドイツ人将校は い