前田隆弘のレビュー一覧
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死なれちゃったあとで、残された我々はどうしたらいい?という問いの答えを知りたくて前のめりで読んだ。
私は昔から身近な人の死が怖くて怖くて仕方がない。
シンプルにその人にもう会えない寂しさ悲しさもあるが、本書にもあった「もっと自分にできることがあったのではないか」といった後悔や責任、「この人は人生に悔いなどなかっただろうか?」といった同情などを感じるのが辛いんだなと読んでいて気付いた。
他人の「死」に対して残された人がその人にできることはない。残された人は超前向きに人生を生きるしかない。
全くその通りだと思う。けど実際他人の死に直面している時、すぐにはこんなポジティブな考えにはなれないだろうな -
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青山美智子さんがXで紹介していて、私自身も死生観に興味があるので手にした一冊。死にまつわるエッセイ集。
病死ももちろんつらいのだが、事故死や自死が印象深い。読んでいてつらくなる死の記録も多かった。書いている本人も、つらい作業だったのではないかと思う。
後悔や辛さ、寂しさ、そうした負の感情を言語化することには大きな意味がある。人の死に意味を与え、感情を見つめ直す、そうした記録だった。
これだけ死が身近にある人もそうそういないよな、と思いながら読んでいたが、自分の人生を振り返ると身内や職場など、振り返ればそこそこ死が身近にある。死に向かっていく人を、どうにかつなぎ止めようとしたこともある。
こ -
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ネタバレ前田隆弘さんの本。著者が実際に経験した死別について書かれています。死別について書かれた本ですが、内容は暗いわけではなく読みやすかったです。死について生について色々と考えさせられました。
以下印象に残ったところ。
人生はまだ動いているわけだから。
病人が病人として向き合わなければならないものがあるように、関係者は関係者として向き合わなければならないものがある。それがデクノボーであることだと危口さんは言うのだ。
対談 死への恐怖
最近、認知症って死までの正しい段取りじゃないかと思うようになりました。頭が明晰なままだと、体の自由が利かなくなることや認知の衰えを自覚してしまうけど、認知症になれば -
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岡村ちゃんのTV bros.の連載を担当されていた方だったそうで、知らずに読んでびっくりした。他人の死がやたら近い人だなと思ったけど、年齢的なこともあるのかもしれない。メメント・モリ。本当にそうだよなーと思う。死にたくないな。と思うけど「もう死んじゃいたいな」と思う日も全然あって(これはつまり「全部捨てて逃げ出したいな」ということだと思うけど)、人間の心は常に揺らいでいる。
私は自分の希死念慮すら見くびっている、というか「本気で死にたい人はこんな程度の希死念慮ではない」と見くびって自分の希死念慮を相手にしない節があるんだけど、むしろそれが功を奏しているような気が今した。こんなのにまともに向き合 -
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著者に関わる人たちの死について、ふんわりとした軽やかな文体で書かれているエッセイです。重たくなく死を語っている点が、興味深い!と思う人の感性には刺さるのではないでしょうか。
ふとしたときに死にたくなるような私には、ライトな文体ながらもやや複雑な本でした。自分が死んだときに周りの人にずっと悲しんでほしいのか?ゆったりと日常に戻って私のことなどさっさと忘れてほしいのか?本を読んでいて思わず自分の死後に思いを馳せてしまいました。正直しばらく考え込みそう。
死後を考えることで今の自分の欲望や、死にたいという気持ちの詳しい部分、そういったことを深く考えた方がいいなあとさえ思わされました。
星は、人 -
Posted by ブクログ
SNSでたまたまこの本のことを知り、読んでみることにした。
私自身、4年前に病気で手術を受け今も投薬治療中なのだけれど、自分が死ぬということはどういうことか、ここ数年でかなりいろいろと考えさせられた。
自分がこの世を去ることについての準備、終活めいたものは少しずつ始めていて、自分の生が終わってしまう覚悟も、それなりにはあるつもり。
だけど、自分のまわりで起こる身内や近しい人たちの死を想像すると、そちらの方はとても耐えられないんじゃないかと思う。幸いまだ両親ともに健在で、近しい人の臨終の場に居合わせたこともない。
そんな感じなので、これほど身近な人の死について書けることがある状況が衝撃的だった。