前田隆弘のレビュー一覧

  • 死なれちゃったあとで

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    夫をコロナで亡くしたおばが、コロナをうつされた夫の友人を恨む気持ちを整理できた話がグッと来た。
    非常に大きな感情が超常現象かはたまた偶然の一件でスッと解消される瞬間。

    大槻ケンヂ氏『くるぐる使い』を思い出した。
    人間の感情は理屈を超える。
    だから死後の世界観や宗教は完全にはなくならないのだろう。

    著者がおばの心情を推測する描写がとても丁寧で紳士で謙虚。
    「~~かもしれない。」連発であくまで推論であることを強調して「それでも~~」後の記述が説得力ある。

    ワークショップの話はちょっと食べ物がおいしそう過ぎて話が入ってこなかった。

    昔精神分析学を少しかじった自分の持論なのだけど、心って何でで

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    2025年10月24日
  • 死なれちゃったあとで

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    筆者の周辺にあった死別をめぐる体験のエッセイ集。これを通して、自分のまわりのさまざまな別れ、自分自身の死生観をひっくるめて考え出してしまう。

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    2025年06月02日
  • 死なれちゃったあとで

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    ネタバレ

    ああ、彼岸との距離はかくも近かったり遠かったり。人付き合いの距離は組み合わせの数だけあって世代でも違う。後悔しないことなんてあるのだろうか。

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    2024年12月16日
  • 死なれちゃったあとで

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    ある程度生きていれば「死なれちゃったあとで」思うことは多かれ少なかれあると思う。頁を進めるうちに、随分蓋をして来たことが一気に溢れて胸が詰まった。今年読んだ本の中で印象深く一番心に響いた一冊になった。

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    2024年11月24日
  • 死なれちゃったあとで

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    これは、テーマが、いい。
    著者が直面したひとの死、その前後を文章にしている。
    ひと、、、親戚、友、関係者、町の人、、、様々。自死も。。
    友の自死が軸になっている。
    自分を変えるきっかけを与えてくれた友。

    思えば私もいくつかの死に出会っている。
    この歳になってそのペースが上がってきてしまった。
    祖父母の死はまだ幼かったのであまりピンと来なかった。遠方でもあったし。
    最初の一番ショックだった死はセキセイインコ。
    小学生の時は正月でエサが買えず、、
    中校生?のときは振り向いたときに蹴飛ばしてしまって、、、と。
    泣いた。
    次は父か。私が29の時、53歳の父は心筋梗塞で逝ってしまった。
    バブルのピーク

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    2024年11月02日
  • 死なれちゃったあとで

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    身の回りの人の死というのは、その悲しみが癒えるのを時間に委ねるのがほとんどだ。
    それを、まだ間もないときに、思いを文字にしておくと、その文体の巧さもあって、このような作品になるのだなと感心した。
    私も、身内の死から40数年経ってこの本を手にしたことで、記憶がまだ残るうちに、文字にしておかねばと気付かされた。

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    2024年10月24日
  • 死なれちゃったあとで

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    著者の周りに起こった死をテーマに、
    喪失感を手放さずに向き合いながら生きていくことを描いた一冊。

    死なれ"ちゃった"
    の言葉のとおり、
    共通して予見しないタイミングでの死が綴られる。
    それも、身近な人〜見知らぬ人まで様々な関係性から見た『死』が描かれることで、死生観について考えさせられる。

    私はまだこんなにもたくさんの死は体験していないので、
    これから、人の死に目に触れる機会が増えていくのだろうなと思う。

    印象的だったのは、
    喪失を受け止める時間を持たないことは、
    その人の存在がなかったかのように振る舞うことになるのだ、ということ。
    喪失感があることは、その人が少し

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    2024年10月02日
  • 死なれちゃったあとで

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    ネタバレ

    生と死はとなりあわせ
    いつだってすぐ身近にあるのに
    死への恐怖に気づかないふりをして
    死なれちゃったことも忘れたふりをして
    それは自分が生を全うするためでもあり
    けど本書では死についてたくさん語り合っていて、少しも暗くなくて、辛いんだけど、苦しい思い出なんだけど
    明るくて、つまり生きるパワーをもらえた
    面白かったという感想は変なのかもしれないけど、いろんな人の死ぬ様はつまり生き様なので、読んでよかった
    そして人と話すことって本当に大事だと、おしゃべりな自分には嬉しい肯定感を得た


    覚え書き

    あまり責任を感じすぎてしまうと、こっちがまいってしまうのて、時々思い出したり、時々忘れたりしながら、

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    2024年09月23日
  • 死なれちゃったあとで

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    誰かの死ほど気持ちを攪拌するものはない
    著者の身近な人の死にまつわるエッセイなのだが、短編小説を読んでいるような気になる

    自分が昔経験し、そして時間が経ち沈殿してしまった身近な人の死に対する感情が、撹拌されまた語りたくなる、そんな本。

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    2024年09月01日
  • 死なれちゃったあとで

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    友人、父、祖母など親しい人、通りすがりの人、知り合ったばかりの人の死を描く。
    親しい人を亡くしたばかりの人は読むのは辛いかもしれない。ちょっと落ち着いてから読むといいと思う。
    若くして自死した親友の話も辛かったが、事故死した父の話も辛かった。まだ高校生の娘がいるのに、たった三万円しか貯金がなかった。たくさんあったはずのお金は、借用書も貰わず他人に貸していた。(実質的にはあげていた。)息子の大学の仕送りも妻のパート代から出させていた。それが死んでからわかるっていうのは。生きているうちにわかれば怒りのぶつけようもあるが。
    しかし、それを恨みにしなかった家族は偉かったな。

    若いときは人が死ぬという

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    2024年08月26日
  • 死なれちゃったあとで

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    前田さんは身近な人の死について考え続けている。
     「もしかしたら死なずに済んだんじゃないか」という後悔を捨てたくはない。(P211)
    読んでいて辛かったけど、もっと深く考えたいと思った。

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    2024年05月19日
  • 死なれちゃったあとで

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    年齢を重ね、身近な人の死に直面する機会が増えて来た。
    喪失感は半端なく、ふとした瞬間に思い出しては胸が苦しくなる。

    本作は病死、自死、不慮の事故など、作者が実際に経験した死別を記録したエッセイ集。

    実話だけあってグイグイ引き込まれる。

    中には全く予期しない死もあって、死の暴力性に愕然とする。

    どのエピソードも濃く重いが、大きな穴に落ちて亡くなった女性の話と、コロナ感染で亡くなった男性の話はあまりにも居たたまれない。
    防げた可能性がある死ほど悔恨が残りそう。

    死ぬ前に、死なれちゃう前に後悔の少ない生き方をしたいと思えた。

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    2025年07月18日
  • 死なれちゃったあとで

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    ネタバレ

    日曜日のお昼に届いて、同じ週の火曜日のお昼に読み終わった。

    死生観について誰かと話すことはあまりないから、普段は不足してるその「求めていた対話」みたいなやつの擬似体験をさせてもらったし、著書の前田さん(まえさん)をはじめとする方々の本当に貴い人生について聞かせてもらえたし、とにかく素敵な本だった。


    よかった章を振り返りたい、以下ネタバレです

    ・「世界の笑撃映像」みたいなものでやめてしまえる死があるかもしれない
    ・「あとは大丈夫です」。助かった、くさいので。
    ・よく貯金3万ではしゃげるな。
    ・2メートル超の鉄柵と2メートルおきの三角コーン
    ・10年遅れでかける言葉
    ・生き死にと「面倒くさ

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    2025年01月28日
  • 死なれちゃったあとで

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    筆者の前田さんが「死んじゃった」人たち、そして自分自身と向き合っている。その心の真剣さに、読んでいる私にもダメージがきた。文章に引っ張られて色々と考えてしまうからだ。でも、攻撃力の高い本は、良い本だから。

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    2025年01月21日
  • 死なれちゃったあとで

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    本の雑誌の2024年上半期ベストにランクインしていた本書。実際に経験した死別についてのエッセイ。
    後輩のD君の出来事は大阪の話なので大学の雰囲気などが想像つきやすく、特に読んでいて辛かったです。
    生き方について考えさせられました。

    病気の友人に私もドキドキしながら連絡したことがあったので、気持ちを代弁してくれているようで、読んでいてうんうん、となりました。
    著者の前田さんが聞き上手さんで、しかも本当にいい人なんだろうな、と思います。

    人に会いたくなりました。人との繋がりは大切にしないと。

    ちなみにファイナルキッスは絶対禁止です(笑)
    文学フリマの存在を知らなかったので、知人を誘って早速行

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    2025年01月16日
  • 死なれちゃったあとで

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    最愛の人が亡くなった重めの話ではなく亡くなった人との関係をちょっと面白く書いてあったり亡くなった人の周りの人を思いやったり死別の話なのにまだ生きてるんじゃないか、生きててほしいと思えるお話。

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    2024年12月16日
  • 死なれちゃったあとで

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    ・「死」について考える。それも、自らの死ではなく、他人の死、まさに「死なれちゃった」時に、何を感じ、考えるのか。
    ・軽味のあるタイトルの印象に反して、これはめちゃ大きなテーマだな…と読み進めながら思った。自分の場合…とか。
    ・結局、個人、個別のケースとして受け入れていくしかないのか…としか今の時点では思い浮かばない。
    そりゃそうなんだけど。
    ・この本では前田さん自身の「死なれちゃった」話が綴られており、その事との折り合いのつかなさが、自分の場合とは全然違うのだけど、やっぱり身につまされる。

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    2024年12月02日
  • 死なれちゃったあとで

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    自分が死んだとしたら、周りの人たちみんなが「死なれちゃった」人たちになるんだなぁと思った。雨宮まみさんの本を読んでみたいと思った。

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    2024年11月05日
  • 死なれちゃったあとで

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    大切な人の死に対して、心構えを持つことは可能だろうか。突然の場合はもちろん無理だけど、長患いだった場合はどうなのか。
    私の大切な人の死の経験は「突然」に偏っているため想像でしかないのだけど、心構えを充分したつもりでも、やはり悲しみや後悔がまったくない死はないだろう、ということ。

    この著者はおそらく、「死なれちゃった経験」が人よりも多い。
    家族や友人など多くの人が経験する死だけでなく、偶然見かけた事故現場や、ついさっきまで一緒に仕事をしていた人が別れたあとに交通事故で亡くなってしまった…など、多くの人は経験しない内容も多い。
    だからこそこの1冊ができたのだと思う。1冊になるくらい「死なれちゃっ

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    2024年09月03日
  • 死なれちゃったあとで

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    著者の周りで起きたいろんな死についてのエッセイ。なんかすごく日常的で、湿っぽくなくてでも暖かい、著者の人柄だろう、このひとを目の前にしたらいろんなことしゃべりたくなっちゃうのかな。雨宮さんについての文章は異性であることを意識しすぎている感じがして少し気持ち悪いと思ってしまったけど、でもよかった。
    なんか人と喋りたくなった。

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    2024年08月21日