麻生俊平のレビュー一覧

  • 捜査班 因果

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    殆んど注目されなかった作品であるかと思うが、非常に深い、秀作だと思う。前作の『捜査班 完黙』の続編であり、前作と本作で一つの物語として成立しているのだ。前作ではラノベ作家の片鱗が垣間見えたのだが、本作ではハードな警察小説に仕立てられている。

    前作を読み終えた時に主人公は辻浦刑事である事に気付くのであるが、本作でも主人公は間違いなく、辻浦刑事である。犯人に迫るアプローチ、犯人の心と同化したかのような推理…その理由は、前作を読めば理解出来るだろう。

    本作で描かれのは、二つの誘拐事件。被害者はまたも財部家の関係者。ゆえにタイトルは『捜査班 因果』なのか…いや、理由はもっと深いところにある。読めば

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    2014年05月09日
  • 捜査班 完黙

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    初読みの作家。出身はラノベらしく、その片鱗も窺える。過去と現在で発生した二つの殺人事件が、ゆっくりと現在で交錯して行く…

    『通奏低音』の章で語られる過去の殺人事件。犯人は一人称で描かれるも、その正体はなかなか明かされない。ひとつ確かなのは犯人は刑事の息子の少年であること。一方、メインの現在を舞台に描かれた殺人事件を追う一癖も二癖もある刑事たち…

    決定的な面白さは無いのだが、作家の未来を予感させるような作品。

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    2014年05月08日
  • 捜査班 完黙

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    九辻署強行犯係に配属された新人の小田桐は、“八の辻児童公園殺人事件”の捜査に当たることとなった。民間から転職してきた暮林警部と聞き込みを終えた翌日、新たな相方に指名された叩き上げの女警部補歌川の監視を、キャリアの高城警部補に頼まれた小田桐。一向に進展せぬ事件の捜査に加え、仲間同士の駆け引き、少しも感情を露わにしない辻浦巡査部長とのやり取に気が鬱ぎ…。事件の真相を超えて驚愕する震撼の結末。

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    2018年06月17日
  • 捜査班 因果

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    甥が誘拐された。要求額は八千万ー県知事財部の脳裏に悪夢が甦った。時効を迎えてしまった、愛息子が殺害された事件…不正な手段をも使い、ようやく身代金を掻き集めたものの、受渡しの連絡があった直後に、財部の不審な挙動を掴んだ県警本部の磯貝理事官が現れた。すぐさま招集された九辻署の面々。妙な手順を要求してきた誘拐犯に、犯人と同化する独自の捜査法を用いる辻浦は。

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    2018年06月15日
  • 捜査班 完黙

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    カテゴリを警察小説ではなくサスペンスにした、次作以降続くとしたら警察小説でいいのかも。
    過去と現在の2つの時間軸で主人公のキャラをつくりあげてくタッチはなかなかよくできていると思う。少年事件への問題提起を含んだ内容になっているが、心の葛藤というか内面をもよく描かれていると思う。シリーズがあれば読んでみたいし、なければシリーズ化してもらいたいと思う。
    しかし、導入部分の過激さには驚かされた。

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    2013年03月12日
  • 捜査班 完黙

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    児童公園で起きた殺人事件。所轄署の強行犯係に配属された新人刑事小田切は、一癖も二癖もある同僚たちと捜査にあたっていく。刑事の仕事の大部分は、地道な聞き込みであることがよく分かりました。帯にある「震撼の結末」はかなり大げさですが、シリーズのこの先に興味がもてます。著者はライトノベルでかなり活躍された方のようですが、私は初めて読みました。

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    2011年09月10日