大田ステファニー歓人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ独特な文体で最初は読みづらかったけど、後半は流れるように読めたし、ページ捲る手止まらなかった。
一つ一つの単語に引っ掛からずノリと雰囲気でざぶんざぶんと波に乗る感じで読むといい感じです。これがバイブスってやつか。あとこういう小説にありがちな性描写が一切なかったので安心しました。女の子が多くて不安で、途中からヒヤヒヤしてましたね。
内容としては、春の何も悪いことしてないって発言について。
ドラッグを吸えばみんな穏やかになる、だからみんなに幸せを振り撒いてるだけなのに。でも犯罪。
ももぴは明らかにやる前後で人が変わった。グミ氏のことを心配できるほど、人に心を預けられるようになった、それって成長じゃない?でも吸ってるよ?
社会的に見れば犯罪で悪、別の角度から見ると変わってくる。トリップした時みたいに見えなかったものに気付けるかもしれない。
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Posted by ブクログ
今の若者たちは、どんな国語教育を受けてきたのだろうかと心配になるような、ポップでリズム感に溢れた、窒息するわ!ってぐらい息もつかせない文章の羅列。自由すぎる文体。
なんなのこれ。よくわからん。
だいたい若者言葉がわからんし、原稿用紙の使い方、めちゃくちゃ。
プロジェクト・ヘイル・メアリーの科学的な説明ぐらい、わかんない。
でも、嫌いじゃないです。気が付けば、ハマってる。後半からは特にイッキ読みが加速しましたわ。
なんとなく、若い子たち閉塞感であるとか、そういうことは感じられるような気もするが、分からなくたっていいんじゃないかな?
わかった気になってるのも、オヤジかムリして理解者ぶってるみたいでイヤだし。
私の知らない文体が、まだまだある。
読書偏差値がまだまだ上がりそうな本に出会いました。それだけ言っておきます。 -
Posted by ブクログ
女性の書き手が綴る身体や性にまつわるエッセイ「私の身体を生きる」の、男性版。
女であり女であることに違和感なく生きてきた私にとっては、女性の書いたものの方が当然共感するところは多かったけれど、男性たちの綴る文章もとても興味深かった。
男女問わず、どんな属性の人だってそれぞれ尊重されるべきではあるけれど、同質である必要は全くないなと改めて思う。
女性と比べて、身体やジェンダー、性のことを直接的に書いている人がかなり少ない印象を受けた。
と同時に、男性が男性性を語ることの難しさとはこういうことかと納得させられる。社会において強い側とされる側が何をどう語るのか、語って良いのか、難しいのかもしれないけれど、もう少し踏み込んだ内容が読みたかったな、というのが正直な感想。
身体より社会、に意識が向いているように感じた。
その中でも田中慎弥さんの偏屈さが滲む文章がとても好きだった。好きだったとかも言われたくないのかなとか思っちゃう。なんだかいじらしい愛しさがある。
最後の最後で朝井リョウが‘やっている’。
両手を掴んでいたはずなのに、その手を掴んだまま大きく振り回されて、遠心力で吹っ飛ばされたような気持ちで本を閉じた。
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Posted by ブクログ
◼️ 太田ステファニー歓人「みどりいせき」
ドラッグと仲間とスリル、破滅。すばる文学賞、三島由紀夫賞らしい。
あまり画一的にくくるのもなんだが、文体を口語に近づけて書くこと、人の心に浮かぶ無数の感覚や想いを多く言葉にすること、というのはいくつか先例を読んだことがある。ただ、そこにも著者ごとの特徴があり、さらに構築されるドラマから醸し出されるあらゆるものに独自の筆致が現れる。さて、今作は・・
高校生の桃瀬は、無気力で学校をサボりがち、アルバイトもクビになる。父が死んでから、母親とも距離を置いている。野球の小学生チームの時バッテリーを組んでいた小春と学校で再会し、ドラッグ入りのクッキーを食べさせられたのがもとで、グミ氏、ラメ氏らと小春の女子たちに成瀬先輩や小春の兄のしーちゃんがからむ密売グループと付き合うようになる。金回りがよく、一軒家のアジトを持つ仲間たちと過ごす時間は久しぶりに心地よいものだったが、やがてナワバリ争いやブツの奪い合いという危険が忍び寄るー。
春の受け渡しのボディガード役となり、魅力的と思える仲間と集まってはドラッグでラリる日々。どこか他人を見下して友人もなく、うまくいかない生活をしていた桃瀬は、平たく言えば、生きている実感と温かいものを得る。
マシンガンのようで、読んでても意味不明な言葉もたくさん混じる会話のテンポ、すべては明かされず謎と背後について回るのっぴきならない危険が生み出すスリル感。後ろめたいこと、劣等感が底に敷かれる。その中で破滅的な、桃瀬のブレイクスルーの表現が際立っている、と言えるのかもしれない。
最初は進まなかったが、そのテイストに慣れた中盤からは引き込まれるものはあった。若い作品。ただ小春の心持ちにもう一歩踏み込めないところがちょっと不満かな。
桃瀬はももちとかモモノス、グミ氏ははぐみ、ラメ氏は本名ひかるでラメち、しーちゃんは静。成瀬先輩はナル。小春は春、とかルル。このへんの呼び名センスも読んでて心地よいものがある。
伝えるものをしっかり組み上げてるな、と思った読書でした。