清水俊史のレビュー一覧

  • お布施のからくり 「お気持ち」とはいくらなのか

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    ネタバレ

    面白い。感想はあとでまとめるとして、読みながら疑問に思ってチェックし、改めて調べて、誤字なのではないかと思う個所を記します。

    16頁8行「供儀」→「供犠」
    91頁6行「巻木」→「薪」? ※「まき」の誤変換か
    136頁10行「法」のルビ「ほう」→「ぼう」
    136頁12行「一如」→「一等」?
    148頁6行「曹洞宗の僧侶」→「臨済宗の僧侶」
    150頁1行「正当」→「正統」? ※83頁12行ほか
    152頁5行「秋山」→「秋月」 ※次頁の2カ所も同じ
    153頁8行「無中」→「夢中」
    155頁6行「専修」の説明→初出は145頁11行
    212頁8行「有」のルビ「ゆ」→「う」

    版を重ねるならば修正されたほ

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    2025年06月11日
  • ブッダという男 ――初期仏典を読みとく

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    歯切れ良くわかりやすい論だった。一気に読みました。「はじめに」と「あとがき」含めて、氏の論旨が完結する。

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    2025年05月18日
  • ブッダという男 ――初期仏典を読みとく

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    近代以降に進んだ歴史的ブッダ像の理解を初期仏典の読みときにより批判的に検証し、同時代の視点から見た先駆性を明らかにしようとする一冊。本論も非常に興味深いが、文献を批判的・客観的に読むことの困難さについても示唆に富む内容。

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    2025年02月02日
  • ブッダという男 ――初期仏典を読みとく

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    ブッダという1人の人間を神話ではなく歴史の視点から見つめ直す本
    原始仏教の経典を読んでいる訳でもなく、当時のインドに対する造詣が深い訳ではないので信頼性を担保する事はできないが
    通ると死ぬ道の正体が火山ガスの溜まる場所であったり、石油地帯の近くだと自然発火現象が発生しやすい為拝火教が勃興した様な
    神性、不可思議性を理屈で剥いでいくのが好きなので好みの本だった

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    2023年12月20日
  • お布施のからくり 「お気持ち」とはいくらなのか

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    ネタバレ

    独身未婚中年男性の自分が読んでみました。
    なかなか面白かったです。

    結論としては、日本の僧侶は破戒者なのでお布施をするに値する者がいないという、至極まっとうで身も蓋もない話なのですが(笑)、それを仏典に基づいて考察しているところは非常にアカデミックです。
    一方、あまり現代的問題を取り扱ってはいないので、僧侶に「お気持ちで」と言われた時に「こういう理由であなたには高額包めない」という理由として述べて僧侶に打撃を与えることのできる実用的な内容ではないですね(笑)。

    自分もプライベートで知り合った若い人で僧侶がいますが、妻帯していますし、僧侶を「仕事」として捉えているように思えるときがあって、も

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    2025年10月24日
  • お布施のからくり 「お気持ち」とはいくらなのか

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    『ブッダという男』に比べると、いくらか我々の現実社会とのつながりのあるテーマでもあるため、入口としても扱いやすい。
    そもそもの宗教心自体も日本人の我々はあやふやな面が多いが、その中で「お布施は気持ち」というトピックから、寺院と檀家の関係性、実利的な側面も見える功徳の積み方の規定、各宗派の相違点などが、ある種金銭を伴う即物的な感覚を通してより実感的に把握できた。
    とはいえ、本書の内容から生臭坊主として周囲のお坊さんを揶揄するような行動変容も起こらないだろうが、リアルな実情として見えてくる部分も多い。

    変わらず、宗教学内での内紛が行われていることがあとがきにある。

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    2025年08月23日
  • ブッダという男 ――初期仏典を読みとく

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    初期仏典に関する解釈の批判について当時の考え方を念頭に置く必要ありという論旨は納得できる。歴史上の人物についての解釈は解釈した当時の風潮による(日本で言えば織田信長辺りが好例だろう)のでブッダが現代的感性を持っていなかったというのは、その通りだろう。それでもブッダの思想の価値が減じる事もない。本人の執筆した著作がないので弟子たちの思惑もあるだろうし。
    原始仏教についてこういう見方もあるのかと鱗な一冊。

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    2025年07月20日
  • ブッダという男 ――初期仏典を読みとく

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    散文優先の現代的研究に基づく初期仏説の解説。近現代の歴史的解釈の仏説は、現代的価値観、それも理想的なバイアスがかかっているという立場。

    終章及び参考文献が特にまとまっている。かつての日本の研究者達を大胆に否定しまくっており、出版妨害があったというのもわからなくもない。

    初期の仏説において、そもそも何が正しいのかわからないということは大前提であり、何かしらのバイアスがかからないとまとめられないだろう。
    人間の理想の投影的なバイアスはなかなか気付きにくい分とても鋭い。
    また、捨て去ろうとした神話的部分に価値を持って解釈しようとする見方も新しく、もっと広げて研究が進んでいったら面白ろそう。

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    2024年08月09日
  • ブッダという男 ――初期仏典を読みとく

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    あと書きから著者の悲願の一冊であることが感じられた。

    たしかに、ゴータマ・ブッダを神格化し、現代の時代状況にも適切な価値観を持った人物だと論じるのは無理がある気がする。

    インテグラル理論を学ぶなかで、社会の発達状況が過去と現在では異なり、その時代を生きる人は、その時代の影響を少なからず受けていることは当然なのかもしれない。

    何かや誰かに自分の世界観の投影をしてしまう。人間の性。

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    2024年05月13日
  • ブッダという男 ――初期仏典を読みとく

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    ブッダをよく理解していないにも関わらず、無意識に美化していることはある。それを否定する意見を表明しにくい空気もある。その空気は圧力に近い。

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    2024年03月18日
  • ブッダという男 ――初期仏典を読みとく

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    『ブッダという男』清水俊史
    ブッダは本当に平和主義者だったのか?
    初期仏典を読み解くと実際は暴力や戦争を完全否定はしておらず、女性差別者でもあった。
    当然時代も違うからブッダとはいえ現代の価値観にそぐわない考えもあったという視点が面白かった。
    とはいえ無知を打ち払い煩悩を絶てば輪廻は終局する、極端な楽と苦を離れ中道を歩むなど、現代人の理想とする新しい価値観をすでに見出していたことにやはり心打たれるものがありました。
    仏教については完全素人ですが、思いの外ブッダの言葉に引き込まれた。
    ブッダに興味を抱くきっかけになったと思います。

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    2024年02月11日
  • ブッダという男 ――初期仏典を読みとく

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    第2部で述べられたブッダを現代から善意で解釈してしまう誤りの指摘が痛快。
    第3部のブッダの先駆性は、これまでの解釈を正確にしたような印象。
    記述はやや専門的。文章量はやや少なめか。巻末の参考文献が詳細で豊富。

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    2024年02月06日
  • ブッダという男 ――初期仏典を読みとく

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    従来の釈尊および初期仏教の研究が、近代以降のヒューマニズムを無反省のまま釈尊の教えのうちにもち込んでしまっていることを批判するとともに、とくに無我と輪廻をめぐる釈尊の思想が、当時のインドの思想史的状況のなかでどのような画期性をもつものだったのかということを論じている本です。

    著者が批判の俎上にあげているのは、「ブッダは平和主義者であった」「ブッダは業と輪廻の存在を否定した」「ブッダは階級差別を否定し、平等思想を唱えた」「ブッダは女性差別を否定した」という四つの主張です。著者はテクストにもとづいて、これらの解釈が「現代人ブッダ論」にすぎないと批判します。

    一方で著者は、「歴史的関心を持ってブ

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    2025年04月02日
  • ブッダという男 ――初期仏典を読みとく

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    真摯な本だと思う。史的ブッダについて確かなことは分からない、そしてその革新性に想定できるところはあるにせよそれに現代的な意義はないと、私は受け止めた。

    ただ、結局のところ仏教とは何なんだろう。ブッダに関するn次創作は今も続いていそうだが、神話的ブッダがブッダでなければならない理由はあるのだろう。

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    2024年09月09日
  • ブッダという男 ――初期仏典を読みとく

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    人間ブッダを深掘りした内容を期待したが、残念ながら資料が乏しい為、消化不良の感じだった。

    その中でも階級差別、平和主義、男女平等という視点を現在の倫理と比べている点は楽しませてもらった。
    これを読みながら今の常識が絶対な訳ではない!未来の人々から21世紀の倫理はこの程度かと思われるんだと考えてしまった。

    後半の無我、縁起についてはちょっと私には難しすぎた。

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    2024年09月08日
  • ブッダという男 ――初期仏典を読みとく

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    ブッダが本当に得た知恵ってなんだったんだろう?というのは、なんだかとても惹かれる問いで、そのあたりを探求している本はわりと読んでしまう。

    その代表が中村元の本であるわけだが、それに真っ向から議論を挑む本。

    ブッダは本当は?と言っても、本人が書いた本があるわけではなくて、弟子たちがこんな話しを聞いたというのがベースとなる。そういう経典などで成立が古そうなものを対象に後代の加筆部分を外し、直接の弟子が付加しただろうものを推測し、超自然的な要素を排除していくことでブッダの実像に迫っていこうという方法論がこれまでの主流であった。

    これに対して、著者は、上記の方法論によるこれまでの研究は、成立のは

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    2024年02月27日
  • ブッダという男 ――初期仏典を読みとく

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    ブッダというのは、みなさんご存じ、ゴータマ・シッタールダ、仏様でございます。私が思い描くブッダのイメージはというと、手塚治虫の「ブッダ」、光瀬流/萩尾望都の「百億の昼と千億の夜、さらには「聖☆おにいさん」・・・。すみません、漫画ばかりで(「百億の昼と千億の夜」は小説も読んでます)。
     私はよく知らなかったんですけど、ブッダってすごい超能力者と思われてるそうですね。ていうか、お生まれになってすぐに立ち上がり「天上天下 唯我独尊」とおっしゃったとか、そりゃ、ただ者じゃないに決まってますわよね。そんな低レベルな認識の私が読みました。感想は「へー、そうなんだー」でございます(頭悪くてすみません)。
     

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    2024年01月27日
  • ブッダという男 ――初期仏典を読みとく

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    人間ブッダに迫る道は、中村元が切り開いた方法論「散文より韻文資料をより古いものとする」が少なくとも読書家には流布している。
    しかし著者はこの方法論を批判し、法句経もスッタニパータも切り捨てる。重視するのは律の資料。
    大学の仏教学ではこの論が主流になるのだろうか。

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    2023年12月30日