ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
4pt
ブッダは本当に差別を否定し万人の平等を唱えた平和主義者だったのか? 近代の仏教研究は仏典から神話的装飾を取り除くことで、ブッダを平和主義者で、階級差別や男女差別を批判し、業や輪廻を否定した先駆的人物として描き出してきた。だがそれは近代的価値観を当てはめ、本来の内容を曲解したものにすぎない。では、ブッダの真の偉大さは一体どこにあるのか。これまでのブッダ理解を批判的に検証し、初期仏典を丹念に読みとくことでその先駆性を導き出す革新的ブッダ論。
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
歯切れ良くわかりやすい論だった。一気に読みました。「はじめに」と「あとがき」含めて、氏の論旨が完結する。
近代以降に進んだ歴史的ブッダ像の理解を初期仏典の読みときにより批判的に検証し、同時代の視点から見た先駆性を明らかにしようとする一冊。本論も非常に興味深いが、文献を批判的・客観的に読むことの困難さについても示唆に富む内容。
ブッダという1人の人間を神話ではなく歴史の視点から見つめ直す本 原始仏教の経典を読んでいる訳でもなく、当時のインドに対する造詣が深い訳ではないので信頼性を担保する事はできないが 通ると死ぬ道の正体が火山ガスの溜まる場所であったり、石油地帯の近くだと自然発火現象が発生しやすい為拝火教が勃興した様な 神...続きを読む性、不可思議性を理屈で剥いでいくのが好きなので好みの本だった
初期仏典に関する解釈の批判について当時の考え方を念頭に置く必要ありという論旨は納得できる。歴史上の人物についての解釈は解釈した当時の風潮による(日本で言えば織田信長辺りが好例だろう)のでブッダが現代的感性を持っていなかったというのは、その通りだろう。それでもブッダの思想の価値が減じる事もない。本人の...続きを読む執筆した著作がないので弟子たちの思惑もあるだろうし。 原始仏教についてこういう見方もあるのかと鱗な一冊。
散文優先の現代的研究に基づく初期仏説の解説。近現代の歴史的解釈の仏説は、現代的価値観、それも理想的なバイアスがかかっているという立場。 終章及び参考文献が特にまとまっている。かつての日本の研究者達を大胆に否定しまくっており、出版妨害があったというのもわからなくもない。 初期の仏説において、そもそ...続きを読むも何が正しいのかわからないということは大前提であり、何かしらのバイアスがかからないとまとめられないだろう。 人間の理想の投影的なバイアスはなかなか気付きにくい分とても鋭い。 また、捨て去ろうとした神話的部分に価値を持って解釈しようとする見方も新しく、もっと広げて研究が進んでいったら面白ろそう。
あと書きから著者の悲願の一冊であることが感じられた。 たしかに、ゴータマ・ブッダを神格化し、現代の時代状況にも適切な価値観を持った人物だと論じるのは無理がある気がする。 インテグラル理論を学ぶなかで、社会の発達状況が過去と現在では異なり、その時代を生きる人は、その時代の影響を少なからず受けている...続きを読むことは当然なのかもしれない。 何かや誰かに自分の世界観の投影をしてしまう。人間の性。
ブッダをよく理解していないにも関わらず、無意識に美化していることはある。それを否定する意見を表明しにくい空気もある。その空気は圧力に近い。
『ブッダという男』清水俊史 ブッダは本当に平和主義者だったのか? 初期仏典を読み解くと実際は暴力や戦争を完全否定はしておらず、女性差別者でもあった。 当然時代も違うからブッダとはいえ現代の価値観にそぐわない考えもあったという視点が面白かった。 とはいえ無知を打ち払い煩悩を絶てば輪廻は終局する、極端な...続きを読む楽と苦を離れ中道を歩むなど、現代人の理想とする新しい価値観をすでに見出していたことにやはり心打たれるものがありました。 仏教については完全素人ですが、思いの外ブッダの言葉に引き込まれた。 ブッダに興味を抱くきっかけになったと思います。
第2部で述べられたブッダを現代から善意で解釈してしまう誤りの指摘が痛快。 第3部のブッダの先駆性は、これまでの解釈を正確にしたような印象。 記述はやや専門的。文章量はやや少なめか。巻末の参考文献が詳細で豊富。
従来の釈尊および初期仏教の研究が、近代以降のヒューマニズムを無反省のまま釈尊の教えのうちにもち込んでしまっていることを批判するとともに、とくに無我と輪廻をめぐる釈尊の思想が、当時のインドの思想史的状況のなかでどのような画期性をもつものだったのかということを論じている本です。 著者が批判の俎上にあげ...続きを読むているのは、「ブッダは平和主義者であった」「ブッダは業と輪廻の存在を否定した」「ブッダは階級差別を否定し、平等思想を唱えた」「ブッダは女性差別を否定した」という四つの主張です。著者はテクストにもとづいて、これらの解釈が「現代人ブッダ論」にすぎないと批判します。 一方で著者は、「歴史的関心を持ってブッダの実像に迫ろうとするならば、初期仏典を字義どおりに受け入れるのではなく、批判的にこれを読む必要がある。しかし、“批判的に読む”という営為は必然的に解釈を要求するため、先入観なく「歴史のブッダ」を復元することは事実上不可能である」ことを認めています。そのうえで、初期仏典は釈尊の弟子たちが彼の偉大な業績を示すために編纂したということに目を向け、当時のインドの思想史的状況のなかで初期仏教の画期性がどこにあると考えられていたのかということの解明へと進んでいきます。著者は、バラモン教やジャイナ教と仏教のちがいについて検討をおこない、バラモン教において恒常不変である「自己原理」を釈尊が否定する一方、「業報輪廻」にもとづいて五蘊が構成されることを認めていたと主張します。 著者は、「当時の宗教家・思想家たちの最大の課題は、どのように輪廻という苦しみを終極させるのかであった」と述べており、こうした課題に対する釈尊の回答を明らかにすることが本書のねらいだということができます。ただし「自己原理」を否定する以上、輪廻によって生じる苦はもはや「自己」の苦ではないはずです。本書の示す釈尊の回答が、当時の思想史的状況のなかで画期的なものと受け止められたというのであれば、その理由についてもうすこし立ち入って考察することが必要だったようにも感じます。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
ブッダという男 ――初期仏典を読みとく
新刊情報をお知らせします。
清水俊史
フォロー機能について
「ちくま新書」の最新刊一覧へ
「学術・語学」無料一覧へ
「学術・語学」ランキングの一覧へ
お布施のからくり 「お気持ち」とはいくらなのか
「清水俊史」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲ブッダという男 ――初期仏典を読みとく ページトップヘ