津本英利のレビュー一覧
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高校の世界史で少し触れた古代オリエント世界、楔形文字を操るシュメール人や、強大なミタンニ帝国、バビロニア王国、アッシリア帝国からのササン朝ペルシアに至るまで、横と縦の関係性が全く掴めずに苦労した記憶はないだろうか。その中で鉄の王国として印象的なのがヒッタイト帝国で、それ以降深く学ぶ機会などなく、あくまで科目としての暗記事項にとどまってしまっていたことはとても寂しい。改めてヒッタイトの歴史入門書を読んでみて、歴史、考古学というのは、断片的に得られる情報、資料の中で、当時の社会体制を構造的に描き出していく、とてもロマンに溢れる営みであると思った。数千年も前の人々の考え方、社会体制、神学、戦争、イン
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20世紀初頭まで謎だった民族、ヒッタイト人。
彼らは何処からきて都市を形成し、王国・帝国へと発展、
そして、どうして滅亡してしまったのか。
最新の調査・研究や楔形文字粘土板文書の解読から、
その国家、外交、生活などを詳細に解き明かし、解説する。
・はじめに ・主要参考文献
第一章 ヒッタイト人の登場
第二章 ヒッタイト帝国の建国:古ヒッタイト時代
第三章 ヒッタイト帝国の混乱:中期ヒッタイト時代
第四章 帝国化するヒッタイト:ヒッタイト帝国期
第五章 絶頂からの転落?:ヒッタイト帝国の滅亡
第六章 ヒッタイトのその後:後期ヒッタイト時代
第七章 ヒッタイトの国家と社会
第八章 ヒッタイトの宗教 -
Posted by ブクログ
友人にヒッタイト好きな人がいる。加えて、テレビで古代文明についての番組が組まれたこともあり、手にした本。テレビでの説明が簡単で分かりやすかったが、さすがに詳細が書かれていた。鉄の帝国、ヒッタイト。謎の海の民に滅亡させられた、との認識でいたがそうではなかったようだ。鉄も持っていたが、それはヒッタイトだけではなく、しかも隕鉄という隕石からできたもので、鉄の精製をしていたわけではなさそうだと知り、驚く。ヒッタイトではとにかく王が殺し殺されていて、文化の違いを感じる。そこは闘いに強いヒッタイト、のイメージから大きく覆らなかった。知ってるつもりになっていたヒッタイト帝国について、知識を修正できた。
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Posted by ブクログ
ヒッタイト帝国のイメージは、本書でも書かれる通り「鉄器を早くから使用して、古代オリエント世界でエジプトに並ぶ勢力を築いた」「バビロンを攻撃して滅ぼした」それと、「鉄の戦車(チャリオット)」。鉄の帝国で戦車まで作った文明なので、さぞかしと期待をもってこのチャリオットの絵を見ると、なんか‟人が引っ張る第八車“みたい。さすがに馬が引っ張ってはいるが、その荷台で人が弓を放つだけのシロモノでガッカリした記憶がある(それでも凄い発明ではあるのだが)。
本書はそんなヒッタイトの表層的なイメージをやや専門的な領域まで入り込んで学んでいくという本。例えば、本当に「海の民」に滅ぼされたのか、など。
― ヒッタ