佐佐木陸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ一気に読み切ったが逆にそうしなければ、途中で話の展開についていけなくなっていたかもしれない。そのぐらい複雑な話だった。
27才になった怜王鳴門は、なぜ自分が部屋を出たことがなく記憶がないのか不思議に思っていた。パパ上のノートパソコンに送られていたメールをこっそり覗き見たことによって、自分が何者かを知り、行動を開始する。
物語と現実の垣根がどこにあるのか非常に曖昧であり、読んでいて、今どの世界線にいるのか一瞬わからなくなったりする。登場人物の行動がハチャメチャであることはもちろんのこと、あの人はこの世界線ではどの人なのか、など思考が吹っ飛びそうになった。自分の拙い理解力では、誰しもが神の可能 -
Posted by ブクログ
まず、カラフルでポップな装画が目を惹く。
これを描いたアーティストさんを検索してみると、他にも愛らしい作品が。
内容はその装画とは異なり、ゴミ屋敷を掃除する話なのだが、まずその清掃業者の社長から、他の三人の従業員へ一人ずつ、物語の中心が移り変わり、グルグルと回っていく。
四人とも、内面、外面に何かしらの問題を抱えている。
描写は細かく、比喩表現も多い。
会話はテンポ良く進み、いいアクセントに。
しかし途中から物語は、小宇宙、というより思いがけないカオスな展開に。
突然の闖入者二人へ、そしてゴミ屋敷の老婆にまで視点が移され、うつつか幻か、現実か非現実か、生と死の境界線自体が曖昧になっていく。 -
Posted by ブクログ
第60回文藝賞優秀作。
「これは私の息子である、君の物語だ。~中略~だから君を開放する。きみは私が心を痛めて生んだ人間であり、世界の誰よりも美しい、自慢の息子だ」
怜王鳴門(レオナルド)27歳。記憶力がない。数日前のことも忘れる。読書やクイズ番組が好きだがパパ上がいないと文字が読めない。生まれてから部屋を出たことがない。パパ上が外出しているすきにノートパソコンのメールを開いたらこの物語がなぜか読め、これは自分のことを書いた文章だと確信した。
ジャンルはSFです。
パパが書いた怜王鳴門の物語の比喩には、おふざけがたくさん散りばめられています。和歌山県人の私としては詭弁和歌山(智弁和歌山)には笑