ジョン・スチュアート・ミルのレビュー一覧

  • 自由論

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    侵してはならない個人の自由、言論の自由の大切さ、社会が個人に行使する権力の性質と限界について説く。明治日本の自由民権運動にも大きな影響を与えた、自由論の古典的名著。

    言論を統制する権力は不当である。その害は人類全体に及び、後の世代も被害を受ける。そして、意見の発表を禁じられた人以上に、意見に反対する人が被害を受ける。その意見が正しい場合、自分の間違いを正す機会を奪われるからである。

    「思想と言論の自由」は、人類の知性の健全な発達のために必要である。人は議論と事実によって、自分の誤りを改めることができる。人間の判断に頼ることができるのは、間違いを正すための手段が用意されている時だけである。

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    2023年05月29日
  • 自由論

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    約150年前に執筆されたにも関わらず今も説得力を失わない、自由に関する最重要古典。国家権力が個人の行動に干渉するのは個人の行動が他者に危害を加える場合にのみ正当化される「他者危害の原則」を明確にしているのだが、何よりミルの想定する個人のあり方が素晴らしい。曰く、人間の知性というのは反論を聞いて自らの誤りを正すことによってもたらされるものであり、そうした反論は個性や多様性、少数派の意見というものを尊重しなければ決して生み出されないと言う。人は誰でも間違える、だからこそそれを克服するために自由は必要なのだ。

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    2013年04月12日
  • 自由論

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    他者に危害を与えるような行動以外、国家は制約を与えるベキではないという原則、すなわち他者危害原則を打ち立てた名著。
    現在、この適用をするのは非常に難しくなっているが、この本は名著だと思う。現代に通じる記述が多々あった。

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    2012年02月11日
  • 自由論

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    ネタバレ

    今の日本人にとって、自由とは当たり前の権利で、ごく普通に誰にでも与えられるものだという認識が強いだろう。
    しかし、それは大きな間違いで、私たちは自由についての考ることを放棄し、自ら自由でない状態に拘束してしまっているのかも知れない。

    現代社会の人々には、特に第3章を読んでもらいたい。
    まずは考え、対話しなければ、何も進展はしないのだ。

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    2012年01月18日
  • すらすら読める新訳 自由論

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    社会において市民の自由はどこまで守られ、社会の権力はどこまで行使されるべきか、を論じた古典。
    民主主義や信教の歴史を紐解きつつ、人間が本来的に不完全でどんな判断にも誤りがありえることも直視し、自由の原則と行使を見極めようとしている。

    完全な人間も政治も存在しないからこそ、「反対意見を抑圧せずに議論することで、間違いを正し、真理へ近づけようとする」姿勢は、国家や政治のみならず、あらゆる企業や組織においても根幹となり得る思想だと思う。

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    2024年12月25日
  • 自由論

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    「人間の身体と精神の全体的な構造は、足の形よりも個人差が少ないのだろうか。」

    自由とは何かについて書かれた本。権力を持っているのは、知的に高い水準、ポジションにいるものではなく、”一般大衆の多数派”であると考える。人は、他人や社会にマイナスの迷惑をかけない限り、何をする自由を有する。社会的財産である自身の知能を使わなくても、それを刑法で罰することはできない。しかし、悪評や批判等の世論による社会的制裁が加えられることがある。そして、それは問題ないとする。それを選んだのも本人の自由だからだ。

    売春を取り締まらず、売春あっせん者だけを取り締まるのは、主犯を見逃し、従犯だけ罰するようなものだ、とい

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    2013年11月08日
  • 自由論

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    ネタバレ

    山岡洋一さん訳のミルの『自由論』(日経BP社)目を通しました。08年出版の光文社古典新訳文庫をさらに磨き上げた感じで、解説(大阪市立大・佐藤光氏)が素晴らしい。英語なので原著読めば早いけど、日本語としてはこなれているかなという感。※逐語訳としては岩波文庫がいいかな、とも 。

    光文社古典新訳文庫のミルの『自由論』は、昨年、斉藤悦則さんによって新訳。これはまだ未見。「〈あとがきのあとがき〉「『自由論』を普通に読めるようにし、 哲学を普通の言葉で語ること」 斉藤悦則さんに聞く」 kotensinyaku.jp/archives/2013/… を読むと面白そうではあります。

    ミルといえば、危害原則

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    2013年04月19日
  • 自由論

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    様々な問題の根底が気になるならば、一度読んでおきたい自由主義の古典。フリードマンらに影響を与え、資本主義につながる。

    論点はおおよそ二点にまとめられるため、すべて読むのが面倒ならば概略だけでも十分っちゃ十分。好きな人は全部読めばいいし

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    2012年09月29日