日暮いんこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
デンマークに移住した日本人が,北欧での生活を経て,気づいたり学んだりした,北欧における考え方や価値観をわかりやすく伝えてくれているエッセイ。
著者が北欧で出会った同じ日本人の小島沙緒理さんによるフォトグラフも,ふんだんに掲載されている。
さて,私はここのところ北欧に関係する書籍を連続して読んできているのだけれども,本書を通じて,北欧の国々に住む人たちの幸福度が高いことの理由を,なんとなく薄っすらと掴めてきたような気はする。
北欧の国々における幸福感の根底を支えているものとは,おそらく「シンプルさ(簡素かつ明快であること)に重きを置くところ」にあるのではないかなと思う。
この本の中で著者は,
①心と体のバランスを保つ——セルフケアの時間
②自分にとって本当に大切なことを明確にする——自分軸の時間
③1つの物事に100%集中する——シングルタスクの時間
④遊びと冒険心を忘れない——クリエイティブの時間
⑤小さな幸せに感謝し、祝福する——ヒュッゲの時間
という,5つの時間の使い方・5つの観点に北欧の人たちの考え方を分類しており,それぞれに該当する具体的な事例を示してくれているのだが,その全てに共通する点として,「ものごとをシンプルに割り切って捉える」ことを前提とした,考え方や取り組みが為されているなと感じた。
①や②の,自分軸で自分の好きなことや,自分が心地よく感じることから,優先順位を立てて考えることもそうだし,③のシングルタスクで,仕事に対しても休息やプライベートな時間においても,何かをやる時には,目の前にあるひとつのことだけに集中するというのもそうだ。
④のクリエイティブについても,おおよそが北欧における主要な産業品である,家具やインテリア器具や雑貨や装飾品など,部屋の中を彩るものや,室内空間を心地よいものにするための,DIYについての事例で占められていたことが象徴しているように,派手さや奇抜で目立った個性を求めるよりは,素朴であたたかみがあって,使えば使うほど,デザインや機能性の美しさに気付かされて,感動を覚えるほど,使い心地や使い勝手が良くて,長年に亘って愛用していける。
まさにあの北欧産の家具の在り方がそうであるように,考え方や価値観という面においても,「シンプル・イズ・ベスト」であることが通底されている。
日本人は思い遣りの精神が強くて,それは美徳ではあるのだけれども,あえて悪く言うと,考え方や価値観を丸投げにしていて,他者に自分の心を委ねたり,支配されてしまうことにも繋がりやすい難点を抱えがちなのだとは思う。
北欧の人たちは,むしろ他者を尊重して大切にするためにこそ,まずは自分の価値観をキチンと知り,理解しておくことが大切であって,自分と他者は違うのが当たり前で,意見や主義主張が違っていたとしても,それを我慢してわだかまりを抱えるよりは,はっきり伝えることで線引きをした方が,かえって後腐れもなくて,お互いにスッキリと気持ち良くいられるのだということを,よく知っているのだと思う。
そしてそれこそが,本当の意味で相手を1人の人間として認めて,尊重し,思い遣ることなのではないか——
北欧について書かれた本を読めば読むほど,そのような考えが,俄然,私の頭の中を駆け巡っていくのである。 -
Posted by ブクログ
前作『北欧時間』がとても素敵だったので、続けて購入。他レビュー通り、前作と重複する内容もあるが、より詳細な文化や日々の過ごし方も描かれていて、益々デンマークや北欧に訪れてみたくなった。
改札機の話や、人気コーヒーチェーン「Espresso House」のカルダモンスヌア、デンマーク映画、敬語がないこと、クリスマスのライスプディング、年越のアマチュア花火大会…
知らない文化が沢山散りばめられていて、どれも素敵だなあ、見たり真似したり(花火は遠慮)したいなあと思った。
途中に挟まれている、「頑張る」についてのcolumnも良かった。中学生くらいから、「頑張る」という言葉に違和感を覚えていて(この言葉をかけられると、「もう頑張ってるよ!!!」といっぱいいっぱいの気持ちになっていた。今もなる)、他の言語には完全に該当する言葉はないと聞き、少し溜飲が下がったような気がした。(ほら!やっぱり変な言葉だ!という気持ち) 自分だけでも、応援してるよ、とかgood luckといった言葉で伝えていきたい。
イラストも写真もかわいい! -
Posted by ブクログ
著者は、デンマークで暮らしている方です。旅行者には分かりにくいデンマークの暮らしが伝わってきます。日本と似ていないところが多いことに気づきました。
例えば、日本のような通販サイトは少なく、ネットでの買い物がしにくいそうです。不便ではありますが、余計なものをうっかり買う失敗が少なくなるのは良いでしょう。
食事のことに多めにページが割かれています。全く知らないことが多かったので、新鮮でした。北欧の食事は素朴なものが多くて、食べやすそうです。夏に食べられるコルスコールが美味しそうです。バターミルクが主な材料で、卵、砂糖、ミルクなどを加えます。飲むヨーグルトのようなものとのこと。
北欧にはまだ行ったことがありません。物価が高くて、ホテル代も高額です。でも、本書を読んで行きたくなりました。 -
Posted by ブクログ
フィンランドに旅行して感じた時の流れの違いを思い出した。首都のヘルシンキであっても、東京のような慌ただしくてギスギスした空気は感じられなかった。犬を散歩しながら電車に乗っている人がいてもいいし、街中で外気浴している半裸の男性がいたり....人々がその時々を大事に過ごしていたし、他人の時間を尊重していた気がする。
この本に書かれていた「小さな瞬間も大切にし、日常に対する感謝の気持ちを忘れない」姿勢を現地で見ることができたから、より実感を持って感じられた。日本でこういう気持ちを持つのって結構難しい。でも、心がけることはできるよな。北欧の人たちの良いところを学びたいなと思った。