西邑のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
数々の国宝級18禁ゲームを世に送り出してきた伝説的シナリオライター・田中ロミオ氏が手がける学園ドラマ。コメディに比重が置かれていた『AURA 〜魔竜院光牙最後の闘い〜』とはテイストが異なり、本作は一年間を通じて男女の関係変化を実直に描いた恋愛小説となっている。主人公・飯嶋直幸は規律を重んじるクラス代表の小早川千尋を牽制すべく、副代表の職務に協力することになるが……という話。ごく普通の生徒で構成されるクラスのはずが、集団浅慮のために誰一人として学級活動に協力する者はなく、結果的に直幸と千尋の二人だけで全委員活動や文化祭の準備に立ち向かうはめになる。平凡な学生生活の中で規律と怠慢の二項対立を誇張することにより、極限状況が生み出されているのが面白い。厳格な秩序を求める千尋も、一年B組においては無秩序という和を破壊する異端者にすぎない。当然、集団は異物を排除する。学園だけではない。職場や家庭、あるいは小規模な友人関係においても一年B組のような環境は常に身近に存在する。同調圧力なき共同体などあり得ないのだ。我々は社会の一員である以上、常に空気を読むことを求められている。安易な和に埋没せず、炎の剣を振える人間でありたいと強く思う。共同体の危うさを描くことに長けた田中ロミオ氏ならではの良作である。
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Posted by ブクログ
ネタバレ最高に素晴らしかったです。さすが田中ロミオ作品には一作も外れがありません、凄まじい。
本書のテーマは「空気」、前半の、どちらかというと小早川さんを愛でることに徹する展開にやや不完全燃焼を感じていたものの、事件が起きてからの緊張感は半端ではありません。
集団の空気、話を学級の空気に限ってもこれをテーマにした作品は数多ありますが、このような書き方は本当に心が抉られて、強く気持ちが動かされました。天晴!
最後のオチに関しては、空気に対してこう振る舞った結果、本来こういう世界が見えているはずであるという理想という感じでしょうか。現実はこうは上手くは行かないよと言われるかもしれませんが、こうも客観的事実としてあからさまではなくても、実際自分の心の持ちようではそのような世界に入っていけるし、精神充足度もこれに近いものになっていると私は確信しています。
激ヤバ鬼マスト!! -
Posted by ブクログ
ネタバレ最初タイトルを見たときは「衝撃のアルベルトの親戚か?」と思ったけど、実際の内容は青春系ラブコメでした。それも、かなりリアルで痛々しい感じの。
やる気もなく、自分勝手な連中が集まったクラス。それでも、目に見えない形で空気というものは存在していて、それが最悪な形でハマってしまったクラス。
そんな中で孤立することを恐れず、ハッキリと物を言う小早川さんは、カッコイイと思う反面、無謀だと思った。そこが魅力で可愛いんだけど。
特に、後半の小早川さんが折れてからの展開が、こう、ものすごく興奮してしまいましたね。これまでの硬い印象だからこそ、ゲスいとわかっていても、グッと来てしまった。それからの主人公の行動には痛々しかったけど、それを払拭するクライマックスシーン、ずっと我慢していた鬱憤を晴らす炎と氷の剣無双は、凄く爽快だった。
だからこそ、もっとページを割いて描写して欲しかった。小早川さんが何を言ったのか、ここまでずっとリアルな世界を描いてきたのだから、読者にわかる形で見たかった。
でもまぁ、報われる感じに終わってよかったよ、本当に。 -
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『AURA 〜魔竜院光牙最後の闘い〜』と表面的には似ているけど、扱われているものはぜんぜん別物だった。
こちらはもっと「政治」的な学園コメディで、スクールカーストによる集団同士の対立構造はなく「集団」と「個」が対立している。
一人一人だと普通に話せる生徒であるのに、集団になったとたんに愚劣に堕落していくクラスメイトたちの、目には見えぬ力。
それを作中では「空気」と言い、主人公とヒロインの小早川さんは、衝突をくり返しながらこれと戦っていくのだけど、さすが田中ロミオ先生。一筋縄ではいかせない。
人の顔色をうかがってばかりの世渡り上手な主人公が、融通のきかない小早川さんに心惹かれていく過程が、熱くて青春でキュンとした。
ただ、ラストで不自然なほど急速にクラスがまとまる展開が白々しく、何か大人の事情という「政治」を勘ぐってしまった。
そういうメタですか? 面白かったけど、ラストだけ不気味です。 -
Posted by ブクログ
『AURA』と同じく高校というある年齢集団が集う学校環境が舞台の人間関係もの
「恋愛」という小説分野わけがあるのだから
広く包括して「人間関係」という小説分野があってもよさそうだが
人間が読み手である以上人間関係を描かない小説もないわけか
登場人物が作者視点のほかに人間のいない小説でも作者と読者は人間であるし
文章を自動生成して生成命じた本人が読む場合も生成命じた過去の自分と読む現在の自分
あるいは生成しなかった自分など自意識に対する人間を想定比較するのであって
またcommunicationの語が伝達連絡なのにそれが交わされる界場として使用される日本語の
空気という概念の呼び方はなんであったのだろう
この作品の場合高校という場だが
幼稚園でも家庭でも職場でも老人ホームでもあの世でも人間が自らを人間と認識する限り
人間関係はなくならないが
例えば小説分野わけにそれに対するものが「恋愛」くらいしかないのも面白い
「教養」「青春」「冒険」として「与えられたもの」「過ごすもの」であり
交わすものではないわけだ -
僕がなめたいのは、君っ!(イラスト簡略版)
- カート
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試し読み
購入済み花系異能バトルラブコメ
題名からはわからないが、異能バトル。能力は花を関連付けたもの。わりとシリアスな場面でも、花という要素で若干脱力感があるように思う。コメディはスタンダードとも思える調子で、コメディラノベを読みたい層には良いと思う。題名に関しては、男女を問わない、主人公は○○○のあたりをなめられないといけない、過酷なペロペロ修行、などと先がおもいやられる。1巻のみ読んだ。
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Posted by ブクログ
ネタバレさて、ロミオ氏の作品というわけでまた独自の世界観があるなぁと。
主人公だけに見える、武器。
それが熱意だったり、嫌味という圧力だったりしたわけですね。
そういった意味で、
最初の灼熱から始まり、最後の灼熱で終わる。
そんな物語ですね。
内容としましては、いうこと(マナー?)を聞かないクラスを
どうにかして、良いクラスにしようとする物語。
主人公は最初、聞かないクラスの一人であったが
外から自分のクラスを眺め、ここは、井の中の蛙なんだなと。
自分もヒロインと共に、クラスを良くしようと決意。
しかしながら、うまくいかない。
うまくいかないどころかだんだんとこじれていき、
最終的には文化祭でうまくいくと思ったはずの恋愛も失敗。
それから、生徒会選挙が始まるわけですが。
一度こじれた中をうまく戻して、ヒロインを生徒会長にすべくやったたつもりが、
失敗。
そして、ヒロインの中が選挙に負けた途端に崩壊。
自分を見失う状況になる。
主人公は、壊れたクラスに一人立ち向かって……。
そして、最後にはやっとヒロインも立ち直り、恋人になったという。
話としては、失敗に失敗に失敗。
そして、成功に思えてスタート地点に戻ってきたというもの。
どうなってしまうのだろうかと、最後までドキドキしました。
やはり、成功させるには失敗は大事ですね。
それに加えて、成功を完全にさせる必要もないのだなと教えて頂きました。 -
Posted by ブクログ
『人類は衰退しました』が面白かったから、田中ロミオさんの他の本も読んでみようかなと思って、読んでみました。
クラスの様子が自分も似たようなことを見たり経験したことあるなあと思ったりしました(学級崩壊は見たことも経験したこともありませんが)。クラスメイトが協力的でないために、2人で奔走しているのは応援したくなりました。
あと、文化祭の出し物を決めるときのやり取りなんかが面白かったです。妙に息ぴったりで動画の中の気合の入った文化祭の出し物についてコメントしたり、研究発表はつまんないよねとか休憩所は嫌だよねとか言い合ったり。
最後の方はもう何ページが増やして、もう少し細かく書いてあったらもっと良かったかなと思わないでも無いですが、今のままでも十分に面白かったです。