キム・ワンのレビュー一覧

  • 死者宅の清掃

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    孤独は都市生活に付きもののありふれた状態とはいえ、孤独死というものは寂しく、惨たらしいものだと本書を読んでつくづく思う。そんな当たり前の他者への共感さえ、日々さらされる大量の刺激的な情報によって、たいぶ麻痺していたのだなと反省した。

    もちろん、表題から予想されるような、グロテスクでショッキングな描写もそれなりにあるが、非日常を見せられるというよりはむしろ、日常生活に目を凝らすと浮きでる現代の地獄を見ている感じがしてくるような文章だった。そこが他の特殊清掃モノと違うところだ。

    都市化した社会がないことにしている、孤立してしまった人たちの苦しみや死というものが、腐敗した遺体からものすごい臭気と

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    2025年10月27日
  • 死者宅の清掃

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    ネタバレ

    韓国の孤独死事情が垣間見える
    どこの世界も孤独死の実態は変わらないのかもしれない

    電気停止の告知書が追い詰められていた人を更に追い詰め、自殺への一押しとなってしまう話や手紙を書くような文章の愛するヨンミンさんへの話は胸がギュッとしてしまう

    日本では孤独死や自殺があった部屋は事故物件として格安で借りられることがあるから入居者が集まるし、人が死んだからとアパートやマンションの住民が大勢出ていくことはあまり聞かない気がする
    韓国では違うんだな

    翻訳者が拉致被害者の方と同姓同名だなと思ってたらご本人だった

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    2025年09月29日
  • 死者宅の清掃

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    audible112冊目。

    凄惨な現場に向き合いながら、死者が最期に見たもの・考えたことに思いを馳せる。
    昨今は、特殊清掃の現場を映像等で配信している例を見かけます。
    実際の映像のインパクトは大きく衝撃を受けますが、特殊清掃員の方が書いた著作なら、自分の頭と心でじっくりと考えながら、向き合うことができました。

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    2025年07月13日
  • 死者宅の清掃

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    著者は、特殊清掃業を営む男性。孤独死や自殺などで部屋の清掃を依頼される。色々な事情で亡くなった人の跡形を無くすことを行う。読んでいくと様々な死があることに目が向くようになる。遺品整理士のドラマを見ているが、文章で読んでみると孤独と貧困がより明らかになってくる。富裕な人の依頼は皆無だろう。

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    2024年04月13日
  • 死者宅の清掃

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    20.死者宅の清掃
    日本の小説家中山七里氏の『特殊清掃人』を先に読み、ノンフィクションで書かれたものを探していた際に出会えた一冊

    孤独死、自死
    誰にも見取られず、見つけられずに旅立った人の足跡を
    淡々と仕事として清掃しつつも、その生活の端々に死者の事を思う著者の心が見えてくる

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    2024年03月17日
  • 死者宅の清掃

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     死と向き合う機会は当たり前に生きてたらそんなに無いと思う。その一方で筆者は死者宅の清掃をする特殊清掃員として多くの人の生きた跡と死んだ跡に関わり、死と生の淡いを日々眺めている。そんな筆者のエッセイには死から考える生という死生観の大切さを感じられた。

    本書を読んで良かったのは、知人が亡くなったときに感じる「お前もこうなるかもね」と言われているような、いずれくる自分の死と向き合わざるを得ない感情との付き合い方を見出だせたところにありました。ひとりの人の生と死を見て自分も例外じゃないというのを改めてつきつけられるあの瞬間との付き合いだけは妙に慣れていなかったのでよかった。

    デスストランディング

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    2023年11月13日
  • 死者宅の清掃

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    凄惨な自殺現場が生々しく描かれているのかな~とおっかなびっくり頁を捲ってみたけど決してそんなことはなく。特殊清掃というお仕事を通して自省している、日記を読ませてもらっているようだった。

    読んでいて所々にパンチラインと感じた文章があったので以下に記載。

    『虎は死んで皮を残し、人は死んで名を残すという。そのことわざに込められた名誉至上主義と度の過ぎる人間本位の世界観が私には気に入らなかった』

    『人生はとても複雑に絡んでいるようで、実はすべてが食べて生きるという単純な動機から始まっている。』

    『苦労の多い人間ほど大きな生きがいを持つといった比例法則のようなものが存在するのだろうか。』

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    2025年08月27日
  • 死者宅の清掃

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    訳のせいかちょっと読みづらいところもあったけど、誰もが死から背を背けているところは日本も韓国も変わらないのね。特殊清掃の本を読んでいると私も必ず死ぬんだなあと思い知らされる。

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    2023年09月05日