みんなのスタートアップスタジオ 連続的に新規事業を生み出す「究極の仕掛け」
著:ミッチェル・ピーターマン, シルパ・カナン他
スタートアップスタジオとは、スタートアップを創出する組織のこと。アイデアを練り、試し、プロダクトをつくるために必要な初期資金を提供する。また、創業チームの編成も行なう。そうした貢献と引き換えに、スタジオは、立ち上げた会社の株式の共同創業者持ち分を与えられる。
スタジオは急成長を続けている。スタートアップスタジオの数は2013年から625%増加し、世界中で710のスタジオが事業を営んでいる。
スタジオは万全のサポート体制を整えたビルダー集団である。そのためアクセレーターやインキュベーターなど他のスタートアップ支援組織よりはるかに深く経営に関与する。アクセレーターやインキュベーターはさまざまな規模のプログラムを通じて期限付きで支援を行うことが多いが、スタジオは自らベンチャーを企画・開発する。
本書の構成は以下の4章から成る。
①スタートアップスタジオの基本
②スタジオのアプローチ
③創業者の決定事項
④スタジオモデルの徹底分析
アメリカを中心として増加している「スタートアップスタジオ」という仕組み。日本でもその動きは広がりつつあるも、黎明期でもあり、その浸透と発展には懐疑的な姿勢も見られる。
新しい概念ではあるものの、目的は同じであり、各要素を見ていくと今までやっていることの組み合わせ方が違っていたり、新しい要素が核部分とそれ以外において入れ込まれている。新しく、有機的ではあるものの、今の日本においては、既存のやり方の中に新しい要素を組み入れている等、見方によってはスタートアップのエコシステムへのアプローチは似ていると考える。
色々なアプローチを学ぶ中で、最終的にはあまりこだわり過ぎず、その時に応じた適材適所の方法で「ヒト対ヒト」を意識し、選択し、組み合わせ、貢献していきたい。