養老孟子のレビュー一覧

  • ニホンという病

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    本書が二冊目という養老先生と名越康文さんの共著、というか、対話本。養老先生の著書では語られることの本質がずばり突かれているためか、時間軸に囚われた議論というものを感じないけれど、ごく最近の話題をしばしば取り上げている本書では、二人の会話は時間軸上の特定の点に固定されようとする印象が強い。それは、どちらかといえば名越先生の語りに「今」に執着する心を感じることに起因することなのかも知れず、そして、本書の中で饒舌なのもまた名越先生の方だからなのかも知れない。養老先生の著書愛好家としては、そこが少しだけずらされたような印象に繋がる。

    それでも、確かに自分もこんな風な時事ネタの話題に関して養老孟司とい

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    2023年07月25日
  • ニホンという病

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    お二人とも好き、かもしれない。
    なんか肩の力が抜けました。
    でも身が引き締まりました。
    読めて良かったです。
    国内外問わず、自然の近くに行くと声が大きくなるのですが、それは自分に力がみなぎっているからなのかもな、と思いました。

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    2023年06月22日
  • ニホンという病

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    開いてみたら拍子抜け。私の好きなおじいちゃんとおじさんが楽しそうに会話した記録。タイトルを見て身構える必要は無い。

    養老さんの「生者必滅 会者定離」が沁みた。私の実家は多くの生き物を飼育している。そして生き物の「死」に無頓着だ。ネグレクトの意味ではない。死後は数日間お別れの時期を経て、土葬が基本だ。土の上に目印の石を置き、花を植える。これが常なのだ。そこに「死の壁」は無い。「生きとし生ける物は必ずいつか滅ぶ」のだ。この私の根底に流れる精神を言語化できずに批判されたこともある。「あまりにも無情すぎないか」と。昨今の人間は生き物を家族のように大切にする。まるで我が半身のように。それは好きにしてく

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    2025年04月30日
  • ニホンという病

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    5章からなる対談集なんだけど、全編面白いわけではないのだけれど、面白い章はとことん面白かった。
    面白くないのは、お二人と司会役だけで話が完結してしまっているような感じがするところで、一言あるいは説明が一文あっても良いのになと思うところがついていけない感覚になる。
    ところが、何故だろう、南海トラフ地震が起きれば、明治維新や戦後のように日本が大きく変わるというテーマのときはやたら面白く読めたな。
    こういう人はこのお二人だけではなくもっと在野にも沢山いるのだろうから、もっともっと出てきて侃侃諤諤やれば良いのにとき思う。でもまあそれだけでは他力本願がすぎるので、自分でも何かできないかな、まずは田舎に移

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    2024年05月17日
  • ニホンという病

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    南海トラフ地震が起きることを前提にどう生きたいか考えておくと良いよ、って、言われたら普通なんかオカルトっぽかったり防災っぽく聞こえるけど、
    そういうことじゃなくて、単に「起きることに対して捉われることなく生きれるように、何があってもある意味すがらず焦らず動じずで自分の大切だと思うことをやり続けたら良いよ」って言われた気がした。

    夏目漱石が、内発的と外発的の話を書いている。内発的ならどうなっても応用が効くし発展するが、外発的だと外から入ってきたものにいつも惑わされるということだから、なかなか前に進まない。by養老孟司

    何に自分を溶かしていくかを考えてみる=生きることを考えてみること。溶かすっ

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    2024年03月10日
  • ニホンという病

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    解剖学の養老孟司さんと精神科医の名越康文さんの独特な対談。
    74歳の自然流な生き方をしている私には納得する事ばかりでした。
    明治維新以後、内発的な気概で行動を起こさない日本人・日本人社会、南海トラフ大地震で、ガラガラポンになったとき、しっかり対処できるための準備をしておけとのお言葉、しっかり心に据えておかなければなりません。
    馬鹿なテレビ、新聞から離れ、たまにはこんな会話に親しむというのもいいものです。

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    2023年12月03日
  • ニホンという病

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    未来の日本(著者の目)よりこちら(現在の日本)を解剖して見ればヤマイにかかっている。
    これから来るかも知れない困難に、今のままの都会人の日本人では生き抜けない。

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    2023年08月21日
  • ニホンという病

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    お二人の対話から、日本社会が見失いつつある人間の本来の姿、自然とは何かが伝わってきた。

    話題は分散していたが印象に残ったのは、日本人は原因を求めすぎている、健康至上主義に陥っている、居心地の良い状態がどいういう状態かを考えていない、といった内容でした。

    まずは定期的に自然に触れて、呼吸を整えることから始めます。

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    2024年03月21日
  • ニホンという病

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    再読した。
    風変わりなおじいちゃんと毛色の違うおじいちゃんの対談。

    日本語についてだったり、田舎をもつことについては面白く読んだ。
    けれど、すごい先生たちなのはわかるが、「とにもかくにも現代と東京はダメ」に繋がって常に否定されている気分になる。
    こんなことを言っても、本人達にそのつもりがなかったり、「ほら、こう言いだしちゃうから」って言われるんだろうなとも思う。

    帯にある「読んでも治りませんが、大量のヒントはあります」という文は上手くいったものだなぁと感心した。
    ただ、次の南海トラフ地震については今のうちから対処したほうがいいと素直に思えたので、そこには感謝だ。
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    2023年12月06日
  • ニホンという病

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    ままならない社会や組織などの大きな力に、個人としてどう対峙すればいいのかという問いに、道筋を提示している。個の内発的な力で行動する必要性。組織はひとりでに変わるとも。
    ただ、私は選挙にも行きます。おっしゃる通り何も変わりませんし、制度に絶対の信頼を寄せているわけでもありません。それでも、今あるものでできることをしておきたい派なので。
    とはいえ、お二人ともスタンスの違いはあれど、次元が違うんですよね。大局的というか。本書の内容を理解するには、もう少し思索を深める必要がありそう。

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    2023年10月22日