岸宣仁のレビュー一覧
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成田悠輔氏の話を思い出した。
ー「異国性」というアプローチとは、いわばアウトサイダーになること。部外者になる、あるいは、広い意味での“外国人”になることで、言ってはいけないことに挑む。
例えばビジネスの現場では、コンサルフィーを払ってコンサルタントを雇う。コンサルタントは良くも悪しくも部外者であるが故に、組織に気を配らずに、空気を読まない発言が可能。同様に、自分が日本人でありながら、日本の外にいる事で、好きなことを言える後ろ盾になる ー
日本にいると、しばしば組織の論理を優先し、自我を押し殺す必要が生じる。組織の論理には、内外の利権や配慮、忖度が塗れている。コンプラやハラスメント、ポリ -
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1980年代にヒトゲノム解読の先鞭を付けた日本だったが日米貿易摩擦によるバイ・アメリカン、いまだに続く物理学と生物学の領域争い、少ない予算、文部省と科学技術庁に分かれた管轄争い、そして何よりも大学教授の発明に対して特許を認めない当時の方針もありプロジェクトは進まない。
一方のアメリカはプロパテント政策を推進しまたヒトゲノム計画ではDNA二重螺旋発見のジェームズ・ワトソンが中心となり予算を獲得し日本を抜きさる。元々親日家だったワトソンだがヒトゲノム計画への資金供出をしぶる日本の官僚機構に対しては怒りを隠さず、金を出さなければ解析データーの利用は認めないと脅しにかかり、一方でアメリカ議会に対して -
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ネタバレ[ 内容 ]
成果主義という「武器」を手に部下を襲う上司、M&Aでトップが変わった途端に始まる性急な「改革」…。
グローバル化やIT化がもたらした職場環境の激変で、ストレスに押し潰されたサラリーマンが次々に心を病んでいる。
人を大切にしなくなった会社で何が起きているのか。
「格差」だけが問題なのではない―。
[ 目次 ]
第1章 「いじめ」の構図―上司が牙をむくとき
第2章 M&Aの裏側―グローバル化の本当の意味
第3章 氷山の一角―犠牲者は隠される
第4章 底辺からの叫び―非正規雇用者は訴える
第5章 「誇り」のために―なぜ会社と闘うのか
第6章 「次」にくるものと新「モダン・タイムス」
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大蔵省・財務省を中心に歴史を紐解いて各官庁における官僚のトップ「事務次官」の実像に迫り、事務次官制度の見直しを展望。
著者の記者経験に基づく事務次官を巡る種々のエピソードは興味深く読んだ。幹部公務員制度についても問題意識も理解するところである。
しかし、「群盲、象をなでる」という感じで、事務次官が具体的にどんな仕事をし、各官庁でどんな役割を果たしているのか、本書を通読しても結局のところよくわからなかった。
事務次官制度に競争原理を導入するという著者の改革案も、現状の事務次官が本当に「名誉職」に甘んじているのかが不明であり、また、各省庁の専門性の観点や官僚のモラールの観点等から、もう一つ納得感が -
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嘗ては'官庁の中の官庁'と言われ、最強の力を誇示していた財務省(旧大蔵省)。東大法学部卒が大多数を占める偏った集団で、頭脳明晰は当たり前の中、仕事ができる表現として、'ワル'という称号が、特に飛び抜けていた人物に与えられていた。こうした頂点を極めた集団の暗部として、昨今の公文書改竄やトップのセクハラ疑惑が露見し、常識感を喪失した組織として問題視される。政治家との確執の中で変容していく組織、硬直した歪みを正す変革は見出せない。理系出身で大蔵省に入った人から見た次の言及は的を得ている。「法学部の人は既存制度を所与のものとして考える傾向が強いため、制度を変える