ジュリア・ケラーのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
グリット(やり抜く力)が流行ったけれど、それとは対象的に「やめる」ことを選択肢の1つとして提案してくれる本になっている。
「やめる」というと、良くないことというイメージがあるけれど、決していつも続ける事ばかりが良いわけではない。
健康に良くないことは当然やめるべきだし、上手くいかない方法を続けていてもしかたない。
例えば、仕事であっても辞めて新たな道に進んで、成功する人もある。
「やめる」ことは決していつでも悪いことではない。
新しいことをするには、やめないといけないし、
すべてをやめなくても、やり方を変えてみるというやめ方もある。
エジソンは、やめる達人でもあったと紹介されていた。
彼は -
Posted by ブクログ
ネタバレ
本書の序盤と終盤はとても勉強になった。中盤は言葉遊びで言い方の問題なんじゃないかと言う感想を抱くことが多かった印象です。
序盤に書かれている"やめること"の文化的なステレオタイプや教育によってなされる倫理観により、辞めることを失敗とイコールで紐づける感慨については同意できた。だからこそ辞めることが大事だという主張もないように説得力があり面白いなぁと感じた。
だが、本書を読む進めていくと継続することもやめることも大事なことがわかってきた。
私の解釈では最終的には"科学的な思考"こそ最強だということなのだと理解した。
大枠の目標みたいなものは継続して良 -
Posted by ブクログ
「転がる石に苔はつかない」って、
石が転がってると苔のついた立派な庭石になれないから、辛くても一つところで辛抱するんだよ、
≒「石の上にも三年」、という意味だと思っていたら、
常に動いていれば苔みたいな変なしがらみがつかないから、流動性をよくして常に動け、
的な解釈があると聞いて驚いたのはだいぶ前。
後の方の解釈で考える人や、分かる気がする人は増えてきてるんだろうけど、日本はまだまだ転職には好意的な目を向ける人が少ない印象。私世代だけ?
死ぬほど辛い思いをするくらいなら逃げろって思うけど、渦中では判断が鈍るんだろうな。
個人的には親業を一時ホールド出来る制度や世間の目が増えてくれるといい -
Posted by ブクログ
「やめる」ことのポジティブな側面にフォーカスした本。動物や昆虫が「やめる」ことで生き残ってきた話や、スポーツ選手が意識的に「やめる」ことで自身の選手生命を守った話など、身近な話題から「やめる」ことの効能を教えてくれる。著者を含む多くの一般人へのインタビューに基づいた「やめてよかったこと」のストーリーが豊富で、むしろ割合的にはエピソード集といっても良いかもしれない。表紙にあるように最新科学の研究結果も載ってはいるものの、どれもまだ可能性段階の研究が多かった。脳の構造は複雑なため仕方のないところではあるが、結局、科学的な「やめどき」がイマイチよく分からなかったので、より詳細なエビデンスが欲しかった
-
Posted by ブクログ
「石の上にも3年」と言われるように、「あきらめずに最後まで頑張る」ことが美徳とされがちな社会において、あえて「やめる」ことの意義や重要性を主張する一冊。
動物は元来、合理的に「あきらめる」ことで臨機応変に外部環境に対応しする能力を備えているが、人間社会では一般的に「我慢して続けること」が奨励され、「やめること」は悪や恥と見做される。著者は、これは近代の権力者が貧富の格差を個人の努力に起因するものとして正当化するために意図的に作られた価値観であり、スマイルズの「自助論」といった自己啓発書が、その浸透に一役買っていると批判する。
「やめる」とはサボることではなく、社会的しがらみや不確実な未来へ -
Posted by ブクログ
仕事を辞めようか否か悩んでいる人は多いのではないでしょうか。
生存のみを重視する動物や鳥、虫たちとの比較から、人間がいかに『やめること』にネガティブな印象をもっているかピューリッツァ賞を取った著者が諭します。『やめること』は新たな人生の選択肢であり、希望でもある。でも満ち足りた夢の人生が用意されている訳ではない。
会社やコミュニティから離脱することの恐怖の存在についても漏らさず触れてくれています。
頑張ること、努力することが賛美され過ぎている世の中に警鐘を鳴らしてくれる著書です。
この本を読んで今がやめ時だと決意することは難しいかもしれませんが、紹介されている実在のやめた人達の物語からは希望