伊藤雄馬のレビュー一覧

  • ムラブリ 文字も暦も持たない狩猟採集民から言語学者が教わったこと(集英社インターナショナル)

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    ムラブリとはタイの少数民族のことだ。ムラブリとは、彼らの言葉で「森の人」という意味だ。その名の通り、森を生活の拠点の一つとしている。また、彼らが使う独自の言語は、ムラブリ語と呼ばれ、この先消滅する可能性の高い「危機言語」に登録されている。

    本書は、作者がムラブリと共に生活した中で、手にしたムラブリ語の知見や、考え方の変化について、述べられている。

    私がこの本を読みながら、意外とムラブリの人は日本人と似ているところがあると感じた。

    一つ目はシャイなところである。ムラブリは外部からの人間に対して、シャイである。少数民族を取り上げた番組では、出演者や、スタッフに対して好意的な少数民族を見ること

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    2026年03月04日
  • ムラブリ 文字も暦も持たない狩猟採集民から言語学者が教わったこと(集英社インターナショナル)

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    めちゃめちゃおもしろかった、これは心が軽くなる系の本。ICUの特に言語学とか人類学やってたひとにとっても刺さりそうな本。寮に置いといたらみんな取り合いになるんじゃないかって思う。
    「正の走性」「負の走性」って言語に落とし込んだのはありがたい。気持ちが向くとか気分でとか自己中心的だと思われるような言葉じゃない言語化に感動。そもそも自己中心的とか最後の方にでてきた所有とかの概念もそうだけど都市化の過程で人々を統制するためにできた概念なのかって思ったら今までの「自由」の意味が変わって見えてきた。自由には責任が伴うなんて言うけどそれはムラブリの言う自由ではなくて都市の中での自由の意。本当の自由じゃない

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    2024年05月14日
  • ムラブリ 文字も暦も持たない狩猟採集民から言語学者が教わったこと(集英社インターナショナル)

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    著者の研究人生のこと、ムラブリのことなど面白かった。
    コミュニケーションでは意味のあることを交換するだけでなく、意味のないことの交換(挨拶とか)で関係性を強化するというくだり、なるほどなと思った。

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    2023年11月23日
  • ムラブリ 文字も暦も持たない狩猟採集民から言語学者が教わったこと(集英社インターナショナル)

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    昨年、ムラブリの映画がどうしても気になって東京に行く機会の時に時間を縫って横浜まで見に行った。
    久々の東京でかなり疲れていたし、横浜までの電車も遠くてぐったりしていたのだけど、ムラブリの映画を見たら疲れが無くなっていて本当に驚いた、という経験がある。今回この本では身体性についての記述が多く、やはり私が映像をみてムラブリをみて言葉を聞いた時に身体が変化したことは気のせいなんかじゃないと思った。

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    2023年11月15日
  • ムラブリ 文字も暦も持たない狩猟採集民から言語学者が教わったこと(集英社インターナショナル)

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    ネタバレ

    言語学者からの言語に関しての視点だけではない、もっと幅ひろい視点での考察が刺激的。

    人の行動には何かしらの理由を求められることが社会ではしばしばあると私は感じている。その度に、えっとそれは…って理由を考えることがあるけど、人間の行動は、何かしら考えた上で実施しているのではなく、脳の無意識の深層の範囲で判断されたことが多く、意識下で判断していることは実はそう多くない。そして、何でそういう行動を取ったのかというと、それについてあとから意味づけされている、ということはよく言われている。

    筆者も学生時代は失礼ながら、気の赴くままの判断で日々を過ごしていたようにもみえた。でもそこからの学者としてのス

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    2023年08月19日
  • ムラブリ 文字も暦も持たない狩猟採集民から言語学者が教わったこと(集英社インターナショナル)

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    ゆる言語学ラジオで取り上げられていて知って手に取った本。

    世界は広い。当たり前のことのようでなかなか日々の生活では実感しづらいこと。本は、そんな普遍的な事実を手っ取り早く咀嚼させてくれるツールとして最適だ。
    この本は正に、“世界は広い”という何の新鮮味もない当たり前の事実を改めて腑に落ちさせてくれた。

    文字も暦も持たない(ちなみに世界中の言語のうち約4割は文字を持たないらしい!)狩猟採集民の言語。言語には文化や価値観が現れることはこないだ読んだ「言語が違えば、世界も違って見えるわけ」にも書いてあった。こんなにも、狩猟採集民の言語は我々から見て特殊なのか。と同時に、彼らから見た我々の言語もと

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    2023年08月15日
  • ムラブリ 文字も暦も持たない狩猟採集民から言語学者が教わったこと(集英社インターナショナル)

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    ゆる言語学ラジオで伊藤先生の動画を見てこの本を手に取りました。

    狩猟採集民の生活は、私たち日本人にはなかなかイメージしづらいものですが、ムラブリ語を通して垣間見えたような気がします。

    ムラブリが「自由」を求めてこの生活スタイルに定着し、伊藤先生自身、ムラブリの体現として生きようということで、ムラブリの生活スタイルが自分に合っていて、それを欲している現代人も多くいるはずだ、という論旨で書かれていらっしゃることは重々承知ですが、私個人的にはその中に寂しさ、儚さを感じてしまいました。

    言葉を通じて自分の生き方についても考えさせられる良い本でした。

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    2023年07月20日
  • ムラブリ 文字も暦も持たない狩猟採集民から言語学者が教わったこと(集英社インターナショナル)

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    文句なしに 面白い!

    文字がないからこそ
    豊饒な暮らしの文化が
    見えてくる

    文化人類学を専攻しておられる
    何人もの研究者の方から
    よく聞かされる言葉のひとつ

    文字をもってしまったから
    豊かになったモノ
    文字を持たなかったから
    豊かさが保たれたモノ
    どちらが 良い悪いではなく
    いろいろ 考えさせられました

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    2023年07月02日
  • ムラブリ 文字も暦も持たない狩猟採集民から言語学者が教わったこと(集英社インターナショナル)

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    少数民族「森の人」ムラブリとの出会い。
    その美しい言葉に惚れて言語学者となった半生と、
    彼らとの関わり、そして大いなる影響を語る。
    ・本書に登場するムラブリの主な居住地
    ・ムラブリ語の頻出表現リスト
    第1章 就活から逃走した学生、「森の人」に出会う
    第2章 駆け出し言語学者、「森の人」と家族になる
    第3章 ムラブリ語の世界
    第4章 ムラブリの生き方
    第5章 映画がつなぐムラブリ、言語がつなぐ人間
    第6章 ムラブリの身体性を持った日本人
    コラム①~⑤、参考文献有り。

    タイやラオスの山岳地帯で暮らす「森の人」ムラブリ。
    少数民族であり、消滅の危機にある「危機言語」の
    文字が無いムラブリ語を話す、

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    2023年06月05日
  • ムラブリ 文字も暦も持たない狩猟採集民から言語学者が教わったこと(集英社インターナショナル)

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    ムラは「人」、ブリは「森」。だから、ムラブリは「森の人」という意味になる(中略)
    狩猟採集民だ。服はふんどし。(「はじめに」より)
    「負の走“嫌”性」には(私もコレだ!)と共感することばかりで、最初からトップスピードでおもしろいのだけど、「服はふんどし」が伏線回収されるくだりでは、さまざまな常識に囚われてるのは私達なのかも?と大笑いしながらもハッとさせられた。映画も楽しみ。

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    2023年04月05日
  • ムラブリ 文字も暦も持たない狩猟採集民から言語学者が教わったこと(集英社インターナショナル)

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    文字を持たない。暦を持たない。スマホも、インターネットもきっとない。お腹がすいたら食べる。寝たい場所で寝る。寒かったら着る。暑かったら脱ぐ。

    「そいつ次第だ」
    明日のことは「わからない」

    生活とはこういうものなんでしょう。いつの間にか人間は仕事に終われ、消費されて、気絶するように1日を終えるようになってしまった。言語学の話かと思ったら、生き方の話でした。

    それでも、印象に残ったことをひとつだけ。わたしは英語が好きです。英語が話せれば、いろんな人とコミュニケーションを取ることができると信じていたし、それは間違いではないと思います。だけど英語を第二言語で学ぶと、それは「私」としてコミュニケー

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    2026年03月02日
  • ムラブリ 文字も暦も持たない狩猟採集民から言語学者が教わったこと(集英社インターナショナル)

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    ネタバレ

    ・円滑な会話:量、質、関係、様態
    ・感情表現:好/悪、動/静マトリックス
    ・ぼくらは同じだし、ぼくらは違う。それは両立する。
    ・武学探求
    ・自分を生かすために必要なスキルはすべて外注していきていることに、この年齢でようやく気付いたのだった。
    ・ユニバーサル・エディビリティ・テスト

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    2025年10月30日
  • ムラブリ 文字も暦も持たない狩猟採集民から言語学者が教わったこと(集英社インターナショナル)

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    普段あまりこのような少数民族を扱った本を読むことはないが、現在タイに住んでおり、当該書籍で取り扱われる民族の居住エリア付近にも旅行で行ったことがあったので、読んでみることにした。自身の知らない世界について理解を深めることができたのと、文体も非常に柔らかく、疲れている頭でも理解することができた。

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    2025年09月19日
  • ムラブリ 文字も暦も持たない狩猟採集民から言語学者が教わったこと(集英社インターナショナル)

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    ネタバレ

    ムラブリに明日の予定をきくと、明日のことは明日の自分が決めるから分からないというくだりが印象的だった。

    言語の話も、ムラブリの暮らしも興味深い。

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    2025年03月26日
  • ムラブリ 文字も暦も持たない狩猟採集民から言語学者が教わったこと(集英社インターナショナル)

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    危機言語であるムラブリを記述するためにフィールドワークを行った研究者のお話し。前半は言語学的な話と、フィールド言語学者としての成長が描かれており、興味深い。後半の最後の方で、言語の身体性も出てきて、言語を身に付けることの本当の意味を教えてくれる。ただし、最後はエッセイ要素が強くなるので、読む際には注意が必要と感じた。

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    2023年11月23日
  • ムラブリ 文字も暦も持たない狩猟採集民から言語学者が教わったこと(集英社インターナショナル)

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    文字も暦も持たないなんて日本人の自分には全く想像もできないことだが、自分のいる世界の当たり前が通じない世界があることを知る。

    著者は言葉に興味を持ってその世界に飛び込んでいったが、言葉を学んでいくうちに身体性も変化していくということが、印象的だった。

    言葉ができることがコミュニケーションを取れるということではなく、その空間、世界を生きられることがコミュニケーションなのだと思う。

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    2023年10月03日
  • ムラブリ 文字も暦も持たない狩猟採集民から言語学者が教わったこと(集英社インターナショナル)

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    言語学のフィールドワークのことがよくわかるよい本だが、それよりも何よりも、その上での本書(著者)の着地点に度肝を抜かれた。すごいな、この人。

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    2023年08月02日
  • ムラブリ 文字も暦も持たない狩猟採集民から言語学者が教わったこと(集英社インターナショナル)

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    ピダハンが良かったのでこちらも読んでみた。著者と共に文化や言語を知るのは面白い。冒険させてもらってる気になる

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    2024年04月11日
  • ムラブリ 文字も暦も持たない狩猟採集民から言語学者が教わったこと(集英社インターナショナル)

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    著者は世界で唯一のムラブリ語研究者で、文字のないムラブリ語の発音の美しさに心を奪われて、その研究の道に入ったとのこと。また調査は彼らの住む場所に赴いて行われる「フィールド言語学」と呼ばれる手法で実施されたという。
    現在世界で話されている言語は6,000〜7,000と言われ、言語データベースであるEologueによると約42%の言語は文字を持たないそうだが、文字体系となると圧倒的多数は文字をもたないらしい。

    私も出張でエチオピアのかなり外れた地域に行ったことがあるが、そこで暮らしていた半裸の遊牧民は学校に行っているとは思えなかったし、今から思えば文字のない暮らしをしていたのだろう。
    またインド

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    2023年11月20日
  • ムラブリ 文字も暦も持たない狩猟採集民から言語学者が教わったこと(集英社インターナショナル)

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    亜熱帯の狩猟採集民は、文字や暦の観念が希薄。それと比較して、農耕民族の言語における感情表現の多様性は同調圧力の強さの現れ。

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    2023年07月12日