里見弴のレビュー一覧

  • 初舞台・彼岸花 里見弴作品選

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    『河豚』
    歌舞伎役者の実川延童は、舞台の帰りによった広島の河豚やに寄った夜から体が動かなくなった。気持ちは普段よりハッキリしているくらいだし、こんなこと気に死ぬなんてあまりに馬鹿馬鹿しくて可笑しくなってしまうくらいだ。
    だが時間を追うごとに実川延童の命は微かになってゆく。

    ===作者里見弴が、妻となった芸者の母から聞いたという話を小説化したらしい。

    『俄あれ』
    脳味噌がグズグズ煮えたぎるような7月の午後。俄に起こる暴風雨。
    客は友人の家を訪ねて、細君に客間に通された。大雨と雷に閉じ込められた家で客は考える。今この家には二人だけなのだろうか。細君の言葉には裏の意味でのあるのだろうか。
    始まっ

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    2019年12月27日
  • 恋ごころ 里見弴短篇集

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    古い小説なのに、古さを感じない。
    会話のテンポがよく、文書が美しい。
    「人間って、こういうとこあるよね」という
    洞察が随所にあり、かなり納得させられる。

    妻を買う経験、大火、など
    大昔の花柳界の様子が
    興味深い。

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    2019年01月19日
  • 初舞台・彼岸花 里見弴作品選

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    「銀二郎の片腕」という短編が好きなんです。銀二郎のキャラが面白い。なんなの、この人。怒りのあまりを腕を斬り落としてしまうなんて。イメージ的には星一徹さんなんですけど。太い眉=一徹。貧困な発想だ。

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    2012年12月18日