久保勇貴のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
宇宙工学を研究している人って、エッセイも堅苦しく難しいんでしょ?と思っていました。でも、それは私の偏見であったと思い知らされました。久保さん、Twitterでフォローさせていただいていて、あれだけツイートを読んでいたのに、ごめんなさい。
久保さんの日常や、過去の体験。その中に、宇宙工学のお話が織り混ぜられています。正しくは宇宙工学の中に…なのですが、そんな堅苦しさはありません。でも、一章読み終えると、小さく知識を得られたり、心が動かされたりします。
理系の人は…と書くと、また偏見になりますが、文体はエッセイ。こんなにフラットに、こんなにも久保さんのことを書いてもいいの?と思ってしまいます。でも -
Posted by ブクログ
1993年生まれの著者は、
東大で宇宙工学研究して宇宙飛行士目指していて、
今はJAXA宇宙科学研究所の研究員をされているそうです。
学生のときに書いてきた文章をもとに、本にしたエッセイ。
文字にすること、文章を書くのが好きみたいですね。
文字は光子だ、っていうのは、
最近読んでいる思想と重なる部分がありました。
コロナの時もかぶっていたりするのかな、
テレワークでロケットの打ち上げのシミュレーションとかしてるらしい。
だから自分の部屋、ワンルームの部屋から、宇宙につながっている、
ロマンもあり、夢があり、
そして冒険心の裏にある、
おそろしいことのリストアップはリアル -
Posted by ブクログ
「宇宙」って子どもの頃は何となく本だったり、学校の授業だったりで接したことがあったけど、大人になるにつれて考えることをやめてしまったもの。でもそれを仕事にしている人がいて、そして同世代の人だった。それだけで1歩分だけ身近に思えた。
宇宙ってそんな遠い世界の話じゃないんだな、と思えた。というか、今自分が存在している(と思っている)"地球"こそ宇宙の一部にすぎなくて、目の前のもの全てが当たり前のように存在しているけど、不思議で、いつ壊れてもおかしくない不安定な空間なのかも、と思うとちょっとだけ怖くなった。
自分が生きている間に宇宙の全てが解明されることはないけど、宇宙について -
Posted by ブクログ
『いろいろな説があったようだけれど、自分たちの住む世界が中心であるということに関しては、世界中誰も疑うことがなかったらしい。たぶん、生まれた時ってそうなんだろう。誰もが、自分こそがこの世界の中心であるということを疑わない。きっと、僕もそうだったんだろう。だからこそ、死は途方もなくおそろしいことだった。僕は世界の中心ではなくて、僕が死んでもそんなことには関係なく世界は回り続ける。こんなにも僕の命はかけがえがなくて、なのに、世界にとってはほとんど何の価値もない』―『ワンルームから宇宙をのぞく』
最近の男性ヴォーカルの歌うJ-Popsの歌詞に出て来るような言葉が、時として冗長なくらいに並ぶ。巷に溢 -
Posted by ブクログ
ネタバレうーん……「面白い」という感じではなかったかもしれません。アラサーの青年(?)の等身大の思いというか、考えや悩みが書かれていて、それが別につまらないというわけではなく、あまり共感する感じではなかったというか……世代の違いなのかもしれません。
私は穂村弘さんのエッセイが特に好きなのですが、穂村弘さんのエッセイを読んだときに感じる面白さみたいなものをあまり感じませんでした。なんだろう……穂村弘さんのエッセイは奇をてらったような文学的な文章はないのに、言い回しというか表現がとても面白いのですが、この著者のエッセイでは文学的な描写が多々あり、感性が豊かなのだろうなと思う反面、なんだか独自の世界に閉じ