マット・ラフのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
鬼★5 多重人格×多重人格の人格群像劇!複数の自分自身と戦う若者たちの成長ストーリー #魂に秩序を
■きっと読みたくなるレビュー
鬼★5 今年の翻訳ミステリートップレベル。
怪物のような作品です、はー、面白かった~。新潮文庫史上、最もぶ厚い本とのことで、1,000ページ以上あります。でも面白過ぎてあっという間にページが進んじゃうのでご安心を。
前半は多重人格障害者の背景や様々な日常が描かれ、後半は自らの過去を探し出す展開になっていく。ミステリーはもちろん、青春、恋愛、サスペンス、冒険小説など、様々な要素を含んだエンタメ小説です。兎にも角にも「強烈」な作品ですので、是非お時間をとって読んで -
Posted by ブクログ
評判どおり面白い翻訳エンタメ小説だった。
主人公は多重人格者の26歳のアンドルー。脳内に家を作り複数の人格をアンドルーという青年の人格がコントロールし、上手く暮らしている。彼はふとした弾みで殺人犯を事故死に追い込んだことをきっかけに、自分が継父を殺したのではないかという疑念を持つ。そして同じ障害を持つ同僚女性のペニーと一緒に故郷へ向かう話だ。一気読みとまでは行かない。とても読みやすいが、登場人物が複雑なのでホイホイと軽く読み飛ばす感じてはない。
この本が書かれたのは2003年。デニス・レヘインが「シャッターチャンス」を書き、映画「ペイチェック」が撮影された年だ。何が現実か、自分の記憶は正し -
Posted by ブクログ
ネタバレ文庫本1冊で1077ページ(解説含む)。
京極夏彦にも引けを取らないページ数の長大な物語。
でも、紙質によるものなのかいわゆる「レンガ」まではいかず、厚揚げ程度の厚み。
始まりが良かった。
「父はぼくを呼び出した。
初めて湖から出てきたとき、ぼくは二十六歳だった。」
?
何言ってる?
となるのだが、次第に物語の設定が分かってくる。
「ぼく」の名前はアンドルー・ゲージ。
アンディ・ゲージを身体とする多重人格者の1人格。そして1魂。
そう、魂とは多重人格者における、人格達のこと。
この設定を明らかにしていく序盤の語りが多重人格者を題材にした小説にして、これまでにない引き込みだった。
『魂に秩序 -
Posted by ブクログ
ネタバレこのミスのランキングに入っているのを見て知りました。大作で読み応えありそうとわくわくしながら本棚に飾っておき、年明けから読み始めました。
読み終えて、ミステリーの枠組みで期待しすぎたことを反省。
登場人物の違和感を感じる言動から伏線かもしれないと深読みしていた複数の事柄が、ただそういうパーソナリティの人物だったということでした。。勝手に期待外れな気持ちになってしまいました。
あとがきにもあったように、ジャンルの枠に嵌めず読むと楽しめたと思います。
「多重人格を持ちながら生きることを模索する」というテーマを縦横無尽に描ききった物語だったと感じました。邦題が物語の根幹を的確に表していて、秀逸。