寺沢薫氏による邪馬台国や卑弥呼についての見解を知ることのできる一般書。同著者による『王権誕生』(講談社)よりも、さらに詳しい内容となっている。
先行研究についての言及が多く、「邪馬台国」について知りたい人が最初に読む本として勧めることができる。
考古資料と文献によって詳細に論述された、倭国の首都としての邪馬台国は畿内にあったという見解は大いに説得力がある。
『日本書紀』と纒向遺跡の関係性、卑弥呼・台与の王権がその後どうなったかという問題にも切り込まれていて興味深い。
長年の考古学の蓄積を感じられる一冊。