鈴木正彦のレビュー一覧

  • 「利他」の生物学 適者生存を超える進化のドラマ

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    「利他」の生物学というタイトルですが、
    「共生」の生物学というほうが、しっくりします。
    あとがきにも、筆者の2人は「進化と共生」を主題にしたとあります。
    ミトコンドリアや葉緑体は、元々は別の細菌だったのを共生によって上手くとりこんだということです。
    人間の腸内や皮膚の表面にはたくさんの菌が住み着いていて、人間も菌も上手く暮らしているということです。

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    2023年11月06日
  • 「利他」の生物学 適者生存を超える進化のドラマ

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    ネタバレ

     生物学において純粋な「利他」は存在するのか、という問題意識を持って、門外漢ながら本書を読みました。「善行は人に知られてはならない」という格言から「後で自分に返ってくるからという利己的目的から他人に利する行為を「利他」と呼べるのか」と考えていました。

     「自らの種が生き延びるため」の他の種に利する行動を「利己」と定義するのであれば、その反対の意味での利他的な生物は本書には挙げられていませんでした。

     しかし、上の問題意識とは離れますが、「盗毒」という現象・考え方は、細胞内共生や昆虫と植物の関係とは性質の異なる「共生」であると感じました。この現象を初めて知ったということもあり、公共財的な現象

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    2023年08月25日
  • 「利他」の生物学 適者生存を超える進化のドラマ

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    生物の共存にも多種多様なものがあり、決して利他的行動が全てではなく利己的な関係も存在することを知った。異なった生物が利用し合うためにイタチごっこのような進化を果たしてきたと考えると面白い。

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    2025年04月08日
  • 「利他」の生物学 適者生存を超える進化のドラマ

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    とても楽しい。生物の共生について、利他、利己という見方を参照しながら学んでいく。これらのキーワードが傍らにあるおかげで、人の社会について客観的な視点で振り返りながら生物を学ぶという貴重な体験になっている。高校生以上におすすめ。
    最後に人と腸内細菌の共生の例があるが、著者が生物学者なので若干用語の使用法(「免疫力」「体にいい」など)に誤解を招きかねないところがあるのは要注意。

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    2024年06月18日
  • 「利他」の生物学 適者生存を超える進化のドラマ

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    自分を犠牲にして他人のために行動することを「利他的行動」、その逆に自分自身のために行動することを「利己的行動」と言う。周囲の人達を見ていると、自分勝手だとか、われ先にと自分優先な人が多い一方で、他人を喜ばせようと一所懸命になって疲れてしまっている様な人もたまに見かける。人間社会はそうした利他的、利己的な人の割合は概ね7対3の割合がうまく行くそうだ。他人を助けようとする利他的な人ばかりの方が、より助け合って幸せな社会が気づけそうではあるが、利己的な人が3割もいた方が良いとはどういう事だろうか。もし全員が利他的で他人との「競争」よりも「共生」を選択するなら、その社会の発展のスピードはゆっくりになる

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    2024年01月03日
  • 「利他」の生物学 適者生存を超える進化のドラマ

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    「利他」の生物学というタイトルのみの情報で読み始めたので、もっと人間的な気持ちの助け合いの話かと思っていたけど、「共生」についての解説でした。 でも、生物学に詳しくなくても理解できる面白い本でした。
    ミトコンドリアや葉緑体を取り込む細胞内共生の話、ウミウシの盗葉緑体、フグの盗毒、口・消化管・肛門を失っている深海動物のチューブワーム、昆虫と植物(花)の戦略、植物と菌の共生、ヒトの腸内フローラの話といった、幅広い内容がわかりやすく記述されています。

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    2023年08月22日
  • 「利他」の生物学 適者生存を超える進化のドラマ

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    共生は利他的なのか。
    たまたま利用できたから、便利に使った、という結局利己的な行動が、共生につながった。

    餌を与えて依存させる。
    だまして使う。

    食う食われる以外にも、
    使う使われる、という関係がある。

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    2023年11月04日
  • 「利他」の生物学 適者生存を超える進化のドラマ

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    様々な生物は利他的な戦略をとることによって進化し遺伝子を残してきた。人間もまた腸内細菌とWinWinの関係性を築き上げることで進化してきた。相手を思いやることも結果的に自分が生命を産み出し遺伝子を繋ぐことに優位に働いたからこそ、共感能力が発達した。逆にそうでない利己的な人はどんどん衰退していく。それが悪いとか良いとかは人からみた利益に左右される結果であって進化の歴史は、ただ「そういう風になっている」。
    幸せを感じたければビフィズス菌がセロトニン生成に関わっているとのことで、早速ヨーグルトを買ってきた。せっかく生まれてきたのだから腸内細菌と良好な関係を築いて毎日を楽しく生き、周囲の人たちを思いや

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    2023年10月01日