津曲公二のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
11年ぶりに本書を読んでみた。全く色褪せていないことに驚きを隠せない。自分自身からみてもプロジェクトをリードしていく中での問題点や解決策は本書の中から今でも拾うことが可能であり、改めて普遍の思考プロセスだと再認識した。
本書ではザ・ゲーム以来著者が語ってきたTOC理論が、プロジェクト管理にも有効なことが示されている。生産工程におけるクリティカルパスの前に積まれたバッファー在庫は、プロジェクトエンドとクリティカルパスに合流する非クリティカルパスの合流前に置かれるフロート(バッファータイム)に置き換えられ、更にリソースのバッティングには、競合するリソースを繋ぐクリティカルチェーンへの拡張で解決して -
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Posted by ブクログ
・工場の生産工程を思い浮かべる。
Aさんはボトルネックである。1時間に生産できるのは最大10個が限界。
Bさんは非ボトルネックである。1時間に20個生産できる。
生産工程がBさんの工程(20個/時間)→Aさんの工程(10個)→最終製品
の順になっている場合、Bさんは1時間に何個加工したらいいでしょうか?
これは、感覚的には10個なのだがBさんが10個しか生産しない場合、Bさんは能率が50%ということになってしまう・・
①優れたコストパフォーマンスを実現するには、優れたローカルパフォーマンスを図るしかない
②ローカルパフォーマンスが優れていても、優れたスループットは実現できない
どちらの仮定 -
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Posted by ブクログ
ー 「そうだ。でも定義は大事だ。一度、定義を整理してみよう。 とりあえずクリティカルパスの定義は、そのままということにしておこう。いちばん長いパスだ。さて、ここからだ。もう、みんなわかっていると思うが、ここで重要になるのが制約条件だ。制約条件は、従属ステップがいちばん長くつながっているところだ。従属関係がリソースに起因することも考慮しないといけないわけだから、これには別の名前を用意したほうがいいだろう」
「『クリティカルチェーン』というのは、どうですか。 従属ステップがいちばん長くつながっているところ、つまり鎖ですから」 ー
「制約条件の理論」と「思考のプロセス」の応用編。
『チェンジ・ -
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Posted by ブクログ
プロジェクトはいつも遅れるもの。多くの人が直面する悩みだが、制約条件の理論(Theory Of Constraints)を使って、この悩みを解決することを小説仕立てで展開する。
制約条件の理論は、「システムのアウトプットは、その最も弱い部分の能力で制約される」というもの。これをプロジェクトマネジメントに当てはめると、プロジェクトの開始から完了までの一連の作業、工程をつないだ経路のなかで最も長い作業を要する経路をクリティカルパスとする。このパスがプロジェクト全体の時間を左右する。
個々のステップ毎に見積もり時間を設定して合算した数字をプロジェクト全体時間とするのではなく、個々のステップは余裕を持 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ久しぶりのゴールドラット博士の本。
前半は独特の雰囲気にわくわくしつつ、マーキングしながら読み進む。手ごたえ十分の引きに、網を準備してどんどんリールを回している感じ。
特に、ジョニーの研究発表の長いシーンは、発表内容の素晴らしさと共に、発表を聞いているリックとジムの反応の変化の描写が巧みで、引き込まれる。
コスト・ワールドとスループット・ワールドを分けて考える考えるのは天才だと思った。言われてみればその通りなんだけど、それはあまりにも結果論。
「一つひとつの部門、部署における部分改善は自動的に組織全体の改善につながる」のがコスト・ワールド。
パレートの法則は、独立変数で構成されるシステム(コス -
Posted by ブクログ
ネタバレ翻訳本につけられた副題は興味をそそる。これは永遠のテーマで、何万という人が挑んでは敗れ、研究がなされても解決されていないテーマ。結局、組織はヒトの集合で、どのようなマネジメント論でも生き物を突破できないところに難しさがあるのだろう。
ゴールドラットの本は3つ目だが、TOCを生産現場に適用したこれまでの例からプロジェクトに置き換えられた例がよりイメージしやすかった。在庫はセーフティという言葉に置き換わり、ボトルネックはクリティカルチェーンになる。ただ、論としてはいささか抽象的なところや飛躍っぽい(というか具体的な説明が不足)なところも多く、実際に適用する際にどうしていけばいいかまでは提示されて -
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Posted by ブクログ
以前読んだ「ザ・ゴール」からのゴールドラット博士シリーズ。
プロジェクトをいかに効率よく運営するか、プロジェクト・マネジメントの理論が、小説スタイルで解説されます。
解説者 津曲公二氏の、人気番組「プロジェクトX」についての解説が納得できた。
『プロジェクトは、ドラマではない。いや、ドラマにしてはいけないのである』
プロジェクトは手に負えない、上手くいかない、予想外のことだらけ。悪戦苦闘しながら、最後は栄光のゴールに到達する。それがプロジェクト。
そうではない。プロジェクトは、予定どおりに淡々とゴールに到達するのが本当の姿だ。プロジェクトをドラマにしないやり方、プロジェクトをうまく運営する技 -
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