長岡健のレビュー一覧
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VUCA、XXトランスフォーメーションなど変化にまつわるキーワードに我々はとり囲まれている。それゆえか「学習棄却」とも訳される「アンラーニング」の重要性について論じる場面に出くわすことが多くなった。
では、そもそもアンラーニングとは何なのか。なぜそれが求められているのか。本書では個人の視点からのアンラーニング(学びほぐし)、組織の視点からのアンラーニング(学習棄却)を意識的に分離して扱っている。
組織の視線ではビジネス環境の変化などにより慣習を棄却するということはある程度必須になってきている。では、個人はどうか。そもそも「棄却」することなどできるのだろうか。
個人の視点で重要となるのは、一度 -
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コミュニケーションの在り方としての対話。伝える・伝わるとは何か、真の情報共有とは何か、コミュニケーションの本質をつく秀逸の一冊。
コミュニケーションの本質を一方通行の客観的事実(知識・情報・データなど)の伝達ではなく、客観的事実に対する意味を創造・共有していくことと説く。そして対話とは相互の意味づけを相互に確認するプロセス。対話の効果は真の理解を得ることから変容すること(これを筆者は学習と言っている)へつながるという。
「物事の意味とは客観的事実ではなく、社会的な構成物である」という社会構成主義の主帳を一つのアカデミックな視座として持ち、認知科学などの知見からもサポートするこの本は非常に納 -
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久しぶりにビジネス書を読んでみた。とはいえ、学的根拠がちりばめてあり、他の類書とは奥行きが違う。
書かれていることには、ほとんどの部分で共感できた。意味付け・共有、ストーリーモード、サードプレイス等の考え方は、まさに我が意を得たりだ。
でも、実際問題、そもそも「対話」ができる、通じる相手は自組織に何人いるだろうか。相手を問わず対話を積み重ねれば、組織変革が起きて、望ましい方向に向かうのだろうか。そこにはやはり、ある種の壁があるのは受忍しなければならないだろう。
また、実践の際には、「対話」や「サードプレイス」を設定する上での金銭的・時間的コストと効果を比較考量が必要だと思う。個人的には、各 -
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2020年5月再読
「物事の意味とは客観的事実ではなく、社会的な構成物である」というのが、社会構成主義の考え方。要するに、客観的に存在していると思っている「物事の意味」が、実は人々の社会的なやりとりの結果としてつくり出されてきたものである、という考え方。
難しい考え方であるが、私の理解は、ある集団の中での、普段のやり取りが、その集団の現実になるという感覚。悲観的なやり取りばかりの職場の現実は、決して明るいものにならないということ。言葉が、コミュニケーションが現実社会を構成する、ということ。
面白いと、思うが、まだ何となく眉に唾をつけて読んでいる。もう少し、ちゃんと社会構成主義の勉強しないと、な -
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今日の1冊「ダイアローグ 対話する組織」(中原淳、長岡健)
今までの教育は、上から下へ知識を教え込む方式が主体でした。
このやり方だと受けては、理解したけど実行できないということが起こります。
共感が得られ、行動や考え方に反映されて初めて本当に伝わったと言うことができます。
一方通行にならない教育方法として対話(ダイアローグ)があります。
特に理念、信念、ビジョンの共有するためには有効だそうです。
一つのテーマについてお互いに意見を交換することで相互に理解を深めてゆくコミュニケーション手段です。
対話(ダイアローグ)は理想的なコミュニケーション手段だと思います。 -
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導管メタファーでは伝えきらないことを「対話」で解決することの大切さを教えてくれる本。
読まれ易さを意識した装丁(一見稚拙に見える)もこの手の本には大切な要素で好感が持てる。
具体例を多用した記述はイメージが容易で非常に判り易い。
情報やデータをそれぞれがどのように「意味づけ」を行った上で「対話」というコミュニケーションで相互理解に帰着するか?という半分ワインの入ったボトルの話なんか秀逸。
僕自身は「対話」の大切さを著者とのFace to Faceの「対話」で学んだ訳ではなく、活字を通した「対話」で理解することができた。
「対話」はちゃんと書かれた活字をちゃんと読めれば、すなわちコミュニケーショ -
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■概要
東京大学の中原准教授と、産業能率大学の長岡教授による、最新の書籍。
SNSなどの非公式なネットワークや、パワーポイントを使ったプレゼンテーションなど、情報の伝達・共有などが一昔よりも容易かつスピーディーに行われるようになったものの、「なんか伝わらない」「行動に移らない」という問題意識を時々耳にする。組織の理念浸透やOJTなどにしても、みんな言葉や技術、数値、やり方はそらで言えたりするのに、懸案が一向に解決しなかったりする。これらの問題は、すべてコミュニケーションのあり方に起因する、と著者らは言う。
唯一絶対的な解釈などない、人は事象に対して主観的な意味づけをすることで物事を