長岡健のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
VUCA、XXトランスフォーメーションなど変化にまつわるキーワードに我々はとり囲まれている。それゆえか「学習棄却」とも訳される「アンラーニング」の重要性について論じる場面に出くわすことが多くなった。
では、そもそもアンラーニングとは何なのか。なぜそれが求められているのか。本書では個人の視点からのアンラーニング(学びほぐし)、組織の視点からのアンラーニング(学習棄却)を意識的に分離して扱っている。
組織の視線ではビジネス環境の変化などにより慣習を棄却するということはある程度必須になってきている。では、個人はどうか。そもそも「棄却」することなどできるのだろうか。
個人の視点で重要となるのは、一度学び取ったそれを、身体知として染み込んだものを問い直し、新しく獲得した視座で見つめ直すことだ。そしてそれは一度だけ行うものではないし、いつそれが必要になるのかさえわからない。
であれば、なすべきことは主体的に学ぶこと。それも「〇〇を達成する」というバックキャスティングな学習ではなく、学び自体に重点をおくことが肝要となってくる。
「手段を目的化するな」ということが不文律として刷り込まれていると、これには抵抗感があるかもしれない。まさに学習という「手段」を「目的化」しよう、ということなのだから。
しかし、この考え方で学びを捉えることはとても重要なのではないかと私は思う。学びたいから学ぶ。学び自体を目的化することで、興味の埒外へも越境して学ぶ。そうすることでコンフォートゾーンから抜け出し、価値観をゆさぶり、もともと持ち合わせていた信念(ビリーフ)をアンラーニングしていけるのではないだろうか。本書は、そういった価値観の揺さぶりをしかけてくれる良書だ。
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コミュニケーションの在り方としての対話。伝える・伝わるとは何か、真の情報共有とは何か、コミュニケーションの本質をつく秀逸の一冊。
コミュニケーションの本質を一方通行の客観的事実(知識・情報・データなど)の伝達ではなく、客観的事実に対する意味を創造・共有していくことと説く。そして対話とは相互の意味づけを相互に確認するプロセス。対話の効果は真の理解を得ることから変容すること(これを筆者は学習と言っている)へつながるという。
「物事の意味とは客観的事実ではなく、社会的な構成物である」という社会構成主義の主帳を一つのアカデミックな視座として持ち、認知科学などの知見からもサポートするこの本は非常に納得感がある。また例えが身近であり入りやすい内容となっている。
とにかく多くの人に読んでもらいたい。そして対話を大切にする世の中になればいいと思う。 -
Posted by ブクログ
久しぶりにビジネス書を読んでみた。とはいえ、学的根拠がちりばめてあり、他の類書とは奥行きが違う。
書かれていることには、ほとんどの部分で共感できた。意味付け・共有、ストーリーモード、サードプレイス等の考え方は、まさに我が意を得たりだ。
でも、実際問題、そもそも「対話」ができる、通じる相手は自組織に何人いるだろうか。相手を問わず対話を積み重ねれば、組織変革が起きて、望ましい方向に向かうのだろうか。そこにはやはり、ある種の壁があるのは受忍しなければならないだろう。
また、実践の際には、「対話」や「サードプレイス」を設定する上での金銭的・時間的コストと効果を比較考量が必要だと思う。個人的には、各人が、本書206頁の図におけるサードプレイス中における、数多の「場」を種別化し、選択して集中することにより、次のフェーズに移行することができると考える。 -
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2020年5月再読
「物事の意味とは客観的事実ではなく、社会的な構成物である」というのが、社会構成主義の考え方。要するに、客観的に存在していると思っている「物事の意味」が、実は人々の社会的なやりとりの結果としてつくり出されてきたものである、という考え方。
難しい考え方であるが、私の理解は、ある集団の中での、普段のやり取りが、その集団の現実になるという感覚。悲観的なやり取りばかりの職場の現実は、決して明るいものにならないということ。言葉が、コミュニケーションが現実社会を構成する、ということ。
面白いと、思うが、まだ何となく眉に唾をつけて読んでいる。もう少し、ちゃんと社会構成主義の勉強しないと、なんとも言えない。 -
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今日の1冊「ダイアローグ 対話する組織」(中原淳、長岡健)
今までの教育は、上から下へ知識を教え込む方式が主体でした。
このやり方だと受けては、理解したけど実行できないということが起こります。
共感が得られ、行動や考え方に反映されて初めて本当に伝わったと言うことができます。
一方通行にならない教育方法として対話(ダイアローグ)があります。
特に理念、信念、ビジョンの共有するためには有効だそうです。
一つのテーマについてお互いに意見を交換することで相互に理解を深めてゆくコミュニケーション手段です。
対話(ダイアローグ)は理想的なコミュニケーション手段だと思います。 -
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導管メタファーでは伝えきらないことを「対話」で解決することの大切さを教えてくれる本。
読まれ易さを意識した装丁(一見稚拙に見える)もこの手の本には大切な要素で好感が持てる。
具体例を多用した記述はイメージが容易で非常に判り易い。
情報やデータをそれぞれがどのように「意味づけ」を行った上で「対話」というコミュニケーションで相互理解に帰着するか?という半分ワインの入ったボトルの話なんか秀逸。
僕自身は「対話」の大切さを著者とのFace to Faceの「対話」で学んだ訳ではなく、活字を通した「対話」で理解することができた。
「対話」はちゃんと書かれた活字をちゃんと読めれば、すなわちコミュニケーションする者同士が”ちゃんと読み書きできれば”成立する。
本書が活字を通した「対話」が十分成り立つ示唆であったのも事実。
最終章で言及される「サードプレイス」こそ、ソーシャルネットの社会ではヴァーチャル空間がその役目を果たすのではないだろうか。 -
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■概要
東京大学の中原准教授と、産業能率大学の長岡教授による、最新の書籍。
SNSなどの非公式なネットワークや、パワーポイントを使ったプレゼンテーションなど、情報の伝達・共有などが一昔よりも容易かつスピーディーに行われるようになったものの、「なんか伝わらない」「行動に移らない」という問題意識を時々耳にする。組織の理念浸透やOJTなどにしても、みんな言葉や技術、数値、やり方はそらで言えたりするのに、懸案が一向に解決しなかったりする。これらの問題は、すべてコミュニケーションのあり方に起因する、と著者らは言う。
唯一絶対的な解釈などない、人は事象に対して主観的な意味づけをすることで物事を解釈する、その解釈は人と異なって当然のものであり相互作用の中でつむがれ意味を成していく。という、社会構成主義の考えに則り、「早く考える」から「深く考える」ことを提案している。
対話(ダイアローグ)とは、ギリシャ語で「ディアロゴス=ディア(分かち合う)+ロゴス(言葉)」の意味。「客観的事実」と「意味づけ」の関係に焦点を当てる社会構成主義的な視点を持ちつつ、相互理解を深めていくコミュニケーションの形態。
■仕事に参考になる点
・わかるとかわるは違う:情報の一方的な受信により理解したと錯覚する状態から、いかに行動変容につなげるか
⇒「私」にとってどういう意味を持つのか。数字や論理だけでなく感情による理解。ストーリーの共有が、人の行動変容には大事。
効果測定結果を解釈するためのセッションや面談を持つことで、行動強化につながるのでは(千)
施策として、よくワークショップや面談を企画します。きっとそこでは、それなりに議論が盛り上がりはしているのだと思います。
でも、議論が盛り上がったからといってその施策は成功とはいえません。
あれこれ話してフラストレーションの発散にはなったけれど、特に何も新しいことは生まれていないとか、「上司の言い分は解る。でも…」と部下のモヤモヤは晴れていなかったりとか。
そのような事態を防ぐためには、施策のベースに、深いレベルの人間理解や哲学(それをフレームワークと呼んでもいいと思いますが)が必要なのではないかと思い、考え方のヒントを求めて読みました。
印象的だったのは、「我々」「一般的には」「業界では」ではなくて、「私」を主語に、自分の持つ思想との関わり方を物語らせるという試みです。
それから、「導管メタファー」と呼ばれる、情報の伝達に効率を求める考え方に自分が浸っているという気付きを得ました。
効率よく情報を伝えるとか、均一に情報を浸透させるとか、よく私も書いてしまいますが、これは人材育成を考える際に、陥りがちな罠なのでは?と思いました。
(同時に田坂広志『なぜ日本企業では情報共有が進まないのか―ナレッジ・マネジャー7つの心得』を読みました。そちらもおすすめ)
(さわ)
対話(オープンコミュニケーション)とは何なのか、
また、その重要性や問題点が理解できた。
「知識の共有」、「組織の変革」に関する各社の取組みは
非常に参考になる。
情報の意味づけ、ストーリーモードでの他者との対話、
ヒューマンネットワークがキーワード。
「個人の主体的な行動」を生み出すためには、
一方的な施策では効果が薄く、対話を取り入れた
双方向の観点をもち、長期的な視野にたって
実行していく必要があると感じた。
(山)
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■中原さん本、3冊目読破しました。
「大人の学びを科学する」33歳の東大准教授中原先生に魅了されております。
企業内人材育成論で、大人の学びの教科書を作り、その後次々と良書を世の中に送り出しています。
順番としては、『ダイアローグ』→『リフレクティブマネジャー』(まだ読んでいませんが、)→『職場学習論』という順に読むと良いかもしれません。シリーズではありませんが、中原先生の思考が徐々に広がり、深まっていく様子が感じられるからです。
『ダイアローグ』については、他の方がレビューを丁寧にされているので詳細については、記載しませんが引き続き勉強させていただきたいと思います。
仕事においても理論的な裏づけがある状態で人材育成を語れるよう、意識して今後も勉強していこうと思いました。
(のぐ)