【感想・ネタバレ】みんなのアンラーニング論 組織に縛られずに働く、生きる、学ぶのレビュー

あらすじ


「なぜ、自分は学ぶのか」と考えたことはありますか?

社会変化のスピードが急速にアップし、これまで有効だった知見・経験がすぐに陳腐化していく時代を迎えています。
また、人々の価値観が多様化する中、経済合理性のみに固執する考え方が、企業活動にとっても負の影響を及ぼすようになりつつあります。
個人にとっては、会社や上司の指示通りに学んでいればよかった時代は終わりつつあり、目指すべき方向を自分自身で見定め、主体的に変わり続けることがキャリアにおいて決定的な意味をもち始めています。

「なぜ、自分は学ぶのか」を考えながら、進むべき方向や、目指したい未来像を主体的に探索し、私たち自身が変わり続けた先にあるのが、古い価値観や慣習にとらわれないワークスタイルや、未来の常識を先取りしたライフススタイルだと、著者は考えています。
本書では、このような意味での新しい働き方・生き方を、「アンラーニングしながら働き、生きる」と表現します。
時代を先取りした新たな働き方・生き方と新たな意味をもつ学習とを結びつけるキーワードとして「アンラーニング」を位置づけ、新たな仕事観と新たな学習観の関係を探っていきます。

そのために、「学習=目的達成のための知識・スキルを効率的に習得すること」という見方を一旦脇におき、組織に縛られることなく、個性豊かなワークスタイルを実践している先駆者5人に着目します。
5人の中に渾然一体となって埋め込まれている新たな仕事観と新たな学習観を、学習研究者(著者)の視点から読み解いていきます。

そして、「働くこと、生きること」と「学ぶこと」をめぐる探索と対話を展開しながら、予見困難で多様性溢れる時代を生きる大学生や若手社会人にとっての新たなワークスタイルやライフスタイルの可能性や、それらを切り開いていく創造的な活動としての学習の姿を探っていきます。

※本電子書籍は同名出版物を底本として作成しました。記載内容は印刷出版当時のものです。
※印刷出版再現のため電子書籍としては不要な情報を含んでいる場合があります。
※印刷出版とは異なる表記・表現の場合があります。予めご了承ください。
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Posted by ブクログ

VUCA、XXトランスフォーメーションなど変化にまつわるキーワードに我々はとり囲まれている。それゆえか「学習棄却」とも訳される「アンラーニング」の重要性について論じる場面に出くわすことが多くなった。

では、そもそもアンラーニングとは何なのか。なぜそれが求められているのか。本書では個人の視点からのアンラーニング(学びほぐし)、組織の視点からのアンラーニング(学習棄却)を意識的に分離して扱っている。
組織の視線ではビジネス環境の変化などにより慣習を棄却するということはある程度必須になってきている。では、個人はどうか。そもそも「棄却」することなどできるのだろうか。
個人の視点で重要となるのは、一度学び取ったそれを、身体知として染み込んだものを問い直し、新しく獲得した視座で見つめ直すことだ。そしてそれは一度だけ行うものではないし、いつそれが必要になるのかさえわからない。
であれば、なすべきことは主体的に学ぶこと。それも「〇〇を達成する」というバックキャスティングな学習ではなく、学び自体に重点をおくことが肝要となってくる。

「手段を目的化するな」ということが不文律として刷り込まれていると、これには抵抗感があるかもしれない。まさに学習という「手段」を「目的化」しよう、ということなのだから。
しかし、この考え方で学びを捉えることはとても重要なのではないかと私は思う。学びたいから学ぶ。学び自体を目的化することで、興味の埒外へも越境して学ぶ。そうすることでコンフォートゾーンから抜け出し、価値観をゆさぶり、もともと持ち合わせていた信念(ビリーフ)をアンラーニングしていけるのではないだろうか。本書は、そういった価値観の揺さぶりをしかけてくれる良書だ。

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2022年01月07日

Posted by ブクログ

組織社会学、経営学習論が専攻の法政大学経営学部教授による学習論

小難しい言葉が多く感じるが、わかりやすい講義のような内容。
この本も、知識やスキルの取得を目的としたものではなく、凝り固まった自分をほぐすのを楽しむプロセスであった。

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2023年11月06日

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